前回のブログ(前編)では、推しである鈴木絢音さんの選抜落ちと、私の考えるファンとしての在り方だけで終わってしまいました。

 

 

 

ここからはできるだけ客観的・具体的に、選抜制のメリット、デメリットについて考えていければと思います。

 

【選抜制のメリット】

メリット① 適度な競争の促進

選抜とは、文字通り大人数の中から選ばれたエリート集団です。グループのメンバーが憧れ、目指すべき場所です。当然メンバーは、選抜になることを目指して努力します。それにより、メンバー間の適度な緊張感と競争が促されると考えています。

 

残念ながら選抜落ちしてしまったメンバーも、悔しさと反骨心をバネに頑張ります。アイドルとしてのパフォーマンスを磨いたり、自分なりの一芸を身につけて外仕事を増やしたりと、メンバーによって取り組み方は違いますが、それもまた面白みがあります。

 

乃木坂では、選抜落ちしたメンバーはアンダーと呼ばれます。アイドルとしての魅力を磨き、いつか選抜に入ってやる、「僕だけの光」を見つけてやるといった意気込みが、アンダーを選抜とはまた違った魅力的な集団に見せていたんだと考えています。そしてアンダーメンバーによるライブすなわちアンダーライブも、全体ライブとはまた違ったガツガツさが伝わってきます。

 

競争には報いが必要です。アンダーメンバーでも結果を残したメンバーが選抜入りを果たせられれば、他のアンダーメンバーにも希望とやる気が生まれます。選抜メンバーは「うかうかしているとアンダー落ちする」という緊張感を持ちます。

乃木坂で言えば、今やグループの顔となった齋藤飛鳥や、神対応と言われた握手でのし上がった元メンバーの衛藤美彩などが、アンダーメンバーたたき上げの代表格になるかなと思います。

 

現在の乃木坂における選抜制において、この「適度な競争」というものが機能しているかについては正直疑問符がつきます。これについては次記事の「デメリット」編で触れられればと思います。

 

 

メリット② メンバー数増による売り上げ枚数の増加

ちょっと生々しいビジネス面での話になります。

 

選抜制を採用することにより、グループは大人数を抱えることが可能になります。仮に歌番組など外仕事にグループとして出演する場合、同時に出演できるのは最大でも25人程度なのかな?と思っています。乃木坂の選抜における過去最大人数も22人(23thシングル「Sing Out!」)です。

 

しかしアンダーメンバーとして選抜人数以上のメンバー数を抱えることで、握手券目当てでのCD売り上げ増加が見込めます。握手券受付の間口が広がるイメージですね。メンバー数の増加に伴ってメンバーにかかる人件費も増えるので、このあたりの収支がどうなるかは想像がつきませんが、少なくともCD売り上げ枚数はより増加します。

 

 

メリット③ グループとしての持続可能性(サステイナビリティ)

比較的長く活動できる男性アイドルと異なり、女性アイドルが「旬」である時期は大変短いです。かつてのAKB48がそうであったように、一世を風靡したアイドルグループであっても、世代交代の時は必ず訪れます。

 

選抜制を採用しない少人数グループだと、メンバーの世代交代は大変難しいものになると思っております。イコラブ・ノイミーはそれぞれ12人の全員選抜制をとっていますが、仮に今後なんらかの事情で卒業・脱退メンバーが出た場合、もしくはメンバーが皆年齢を重ねて次のステップに進む場合、「グループ名」を変えないままで新たなメンバーを入れるというのは、大変難しいものになるかなと想像しています。イコノイともに「12人」であること自体をブランド化しているからです。

 

選抜制度を採用したうえで定期的に新規メンバーを獲得し、選抜メンバーを徐々に入れ替えて世代交代を図っていくのは、グループの持続可能性、サステイナビリティという面で有利に働きます。

 

現在、乃木坂が取っている形はこれに当たるでしょう。核であった1期生が続々と卒業する中で、若い3、4期生を選抜に入れ、徐々に人気をシフトさせていくという流れです。あのAKB48ですら苦戦した「グループの世代交代」については、乃木坂46は概ねうまくやっているのかなと感じています。

 

 

以上、選抜制のメリットについて考えてみました。次の記事ではデメリットについて考え、一連のテーマを締めたいと思います。

 

※乃木坂の中で一番好きな、15thシングル「裸足でSummer」のジャケ写