僕は軽くカミングアウト?してしまうと染五郎君のことを

実はいつも本名の藤間と呼んでいるのだ。


染五郎と言うのはどうもしっくり来ない・・・。


彼が松本金太郎を襲名する前から同じクラスで

登校下校いつも都バスに乗って、バスの中で

笑いながら通っていた。


僕はとってみれば染五郎で入ったのではなく

藤間から入っている。


僕のピアノのレッスンに彼を無理やり連れていき

彼は歌舞伎の稽古があると泣きながら帰り、

僕は彼に付いていき楽屋や舞台裏を彼とふざけながら

周りスタッフに怒られていた。



本当にいつも一緒にいた。しつこいぐらい(笑)


O型の僕がAB型の彼についてまわっていた。


この30年、お互い疎遠になったり近づいたり本当に色々あった。


今でも酔うと彼に深夜でも電話してしまう。

彼はそれでも黙って聞いてくれる。



出会って30年。今度は彼の長男が金太郎ちゃんとして

デビューした。花道に登場した瞬間、泣いてしまった。



同級生の山藤君(写真右)と観劇に行った。北京五輪の

なでしこジャパン(サッカー)のチームドクターやJリーグ、その他スポーツ選手の

専属ドクターをしている彼も忙しい中、ようやく時間を合わせ観にきた。



ホントいつのまにか君も医者になってるんだよね(笑)


彼は久しぶりの歌舞伎でとても楽しんでいた。うん、楽しいよね!


藤間のお母様に「ようやく原田君も歌舞伎を自分から観劇するような

年令になったのね」といわれてしまった。いつも寝ていたかな(笑)


30年前の藤間の金太郎襲名披露の写真に僕がでかでか出ている

らしく今でもしっかり覚えてくださっているとか。


楽屋で彼も僕らも、やはり染五郎ではなく藤間の関係になっていた。

いつのまにか藤間も山藤も僕も2児の父である。


僕は金太郎ちゃんがこの1ヶ月、4歳の子供として大舞台で体を

壊さず、最後までやり遂げることだけを祈っている。でも立派に

舞台を務めている。


DNAの深さに感激してしまう。


彼の奥様にも「ぜひ無事に、無事に、無事に」と繰り返して話して

しまった。



藤間に泣いて握手しようとしたが我慢した。本当に我慢した。


自分の息子とだぶってしまうし、俳優というよりやはり親友の息子・・・なのだ。



そして歌舞伎・・・何回も観劇しているが見る度に面白さを感じてきた。



筋書きを予習(観劇中でもいいし)して、イヤホンガイドがまだまだいる身だが

今の社会、ビジネスの心理戦をうまく歌舞伎で演出しているようで

面白い。


伝統芸能であり現代劇でもある。


酒を交わし、世間話から本題に入る、そして死を覚悟して戦う。

金が絡むと表情が変わる、子を持つ親の思い、悩み。

ビジネスマンも観劇するときっと刺激的なシーンに思うだろう。


お互い世界は違えど、継承、伝統を守る人間として

切磋琢磨していきたいなあ。


僕は彼がライバルであり親友である。

ちなみに彼はライバルなんて思っていない!!(笑)


でもいつも僕は彼を追いかけ、彼を見てきて彼のタフネスぶり、

彼の仕事への情熱を見て励みになってきたのは事実である。


僕も「おたふくわた」というすてきな女優を

これからさらに育てて伸ばしていかないといけないし。


30年経って今もこうしてあ、うんの呼吸の関係でいれる

ことは深く感謝したい。


そして彼は本当に沢山の方々に支えられているんだと

感じた。僕もそう。沢山の人がいて今があるのだ。


藤間、今日は楽しかった!あと3日だね。父としても

しっかり頑張ってね。


さてと明日も大事な1日。さぼれない(笑)頑張ろう。

いいものを観させていただいた。



九代目無駄話