地域包括ケアシステムをご存知でしょうか。厚生労働省のHPより引用します。
「団塊の世代が75歳以上となる2025年へ向けて、高齢者が尊厳を保ちながら、重度な要介護状態となっても、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、国は、住まい、医療、介護、予防、生活支援が、日常生活の場で一体的に提供できる地域での体制(地域包括ケアシステム)づくりを推進しています。」
この地域包括ケアシステムの文言を「子育てを支えあう仕組み」に置き換えるとどうなるでしょう。安倍首相が待機児童ゼロを掲げる2017年へ向けて、子どもが尊厳を保ちながら、人種や性差、言語や宗教、疾病や障害、親の資産の多寡によって差別されることなく、住み慣れた地域で子どもらしい暮らしを人生の最初から続けることができるよう、大田区は、住まい、医療、保育、教育、生活支援が、日常の生活の場で一体的に提供できる地域での体制づくりを推進していきます。このような文面になるのではないでしょうか。
このようなアナロジーを用いて高齢者福祉での議論から児童福祉の問題を捉えなおすことは有用かもしれません。なぜなら、今日課題となっている諸問題はその端緒が共通したものが少なくないからです。「少子高齢化」という言葉は広く知れ渡りました。この100年の間に人口動態は大きく様変わりしました。その間、都市化によるコミュニティの変化、経済情勢の変化などもありました。その結果、人々のライフスタイルや価値観にも大きな影響を及ぼしたのです。
人間はつくづく経済的な、そして社会的な生き物です。人は、周りの影響、その時代の影響を受けて生きざるを得ません。その前の100年と比べてもこの100年は急激に社会が変化しました。そして今後100年も社会は急激に変化するでしょう。少子高齢化に歯止めがかからず一過性のものでない以上、少なくとも人口動態の変化は確実です。子育てを支えあう仕組みも、また変化しなくてはならないのです。自助を基本としながらも互助、共助、公助を効果的に組み合わせ、大田区内のそれぞれの地域が持つ人的資源を含む社会資源を最大限活用する体制づくりが求められているでしょう。
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【参考資料】
地域包括ケアシステム|厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/chiiki-houkatsu/