大乃国さん、ありがとうございました。
5月29日、参議院の文教科学委員会に出席し、土俵の「女人禁制問題」について質問しました。相撲協会から、理事の芝田山親方(元横綱大乃国関)がおいで下さり、丁寧に答弁をいただきました。心より感謝申し上げます。
土俵の女人禁制問題は、私が大阪府知事であった2000年からの8年間、大阪府知事賞を自らの手で優勝力士に渡したい、という理由で土俵に上がることを相撲協会に求めたところから続いている問題です。これを解決するための知恵はないものかと、先般の舞鶴市で行われた春巡業の出来事以来、ずっと考えてきました。
委員会での私の提案は、「千秋楽の神送りの儀式の後、土俵上の女人禁制を解く」というもの。
神送りの儀式の後であれば、神は土俵から天上にお戻りになるので、男性も女性も土俵に上がれる、女性の首長が土俵上で力士を表彰することも可能になる、というものです。女性総理が誕生するかもしれない今日の時代に、公益財団法人である日本相撲協会にも受け入れ可能な提案であると思いましたし、協会側からも「これからアンケート調査を実施して、それに基づいて再検討してまいりたい」とのご答弁をいただきました。
私の提案に対しては、党内の女性議員からも賛同してもらいましたし、特に野田総務大臣からは「私も前からそれを考えていたのよ」とおっしゃっていただきました。
一方、ネット上では「世界遺産になった福岡県の沖ノ島の事案を参考にして、土俵に上がれるのは、力士、親方、行事、呼出しに限り、一般人は女性も男性も上がれないことにすべきである」とか、「神送りの儀式は表彰式の後行うもので、太田氏は不勉強だ」とかの指摘をいただきました。後者については、当然順序を逆にすることを含めて提案したもので、指摘は当たらないと思いますが、いずれにしても「伝統」の二文字は未だ大きな存在。「まだまだ時間はかかりそうだ」というのが、正直な感想です。
日本では、先般の舞鶴市長の件のように、何か事件が起こらないと議論だけでは何も進みません。そういう意味では、女性総理が誕生するまで、何かは起こらないのか?
もし、そうであるとすれば、それまでの間、何をどのタイミングで問いかけていくのか?私も「三歩進んで二歩下がる」気持ちで勉強を続けてみましょう!
※福岡県・沖ノ島は、「神の島」と呼ばれ、島全体が宗像大社沖津宮の御神体で、今でも女人禁制の伝統を守っている。2017年の世界遺産登録に際して、2018年からは男性も含む一般人の上陸は全面禁止することとなった。


