黒田日銀が行ったマイナス金利政策とイールドカーブ・コントロールによって、「国債の金利が幅広く引き下げられる」ことになり、貸出金利も低下していた。
それによって銀行は融資で利益を上げることができなくなり、経営が厳しくなってしまった。
これまで日銀が異常低金利を長期間続けていたことで低金利で資金を調達し、不動産や株に資金が向かう動きが出るようになった。
【参考】2022年10月27日
日本銀行の「異次元緩和」によって、金融機関は貸し出しで得られる金利収入が大きく減りました。とりわけ地方の金融機関の経営は厳しさを増しました。西日本シティ銀行(福岡市)の谷川浩道会長(69)は、「お金さえ回せば事業が興るという発想が適さなくなった」と、いまの金融政策に疑問を呈します。低金利下で、地域経済や金融機関の経営がどう変わったのか、谷川氏に聞きました。
――大規模な金融緩和によって、地域の中小企業はどう変わりましたか。
「どの地銀も、金利低下による収益減を、ボリューム拡大でカバーする戦略をとりました。しかし、貸出先の企業にとっては、人口減少などで今後も本業が伸びるとは限りません。高度成長期のような資金需要はありませんでした」
「一方で資産バブルを懸念しています。借りたお金が不動産や株に向かう動きです。福岡のように人口が流入する地域はマンションへのニーズが高く、高齢者施設も安定した需要が見込め、いろんな業態が不動産を買っています」
https://www.asahi.com/articles/ASQBP6K4NQ9HULFA031.html
つまり、黒田日銀の異次元緩和は実態としてはバブルを意図的に引き起こす金融政策であり、ごく一部の富裕層の資産を激増させる一方で、後で必ず反動が出る非常に副作用の強いものだった。
特にイールドカーブ・コントロールは副作用のある「劇薬」と言われている。
これまで、日銀が金利を抑えるために国債を大量購入してきたが、それをいきなりやめることはできないため、徐々に買い入れ額を減らし、民間に国債を購入してもらうことになるが、そのためにも利上げを伴う正常化を進めていく必要がある。
現時点で許容範囲を超える円安になったり、民間に国債を買わせるために流動性を回復させなければならない状況になっているため、既にイールドカーブ・コントロールの副作用は出ているのだろう。
長期債の方が流動性が低いのだから、値上がりした時に売り抜けるということがしづらいため、金利が高くなければ買う者はいない。
日銀が長期債を買いまくって流動性が低くなっている日本国債を民間に買ってもらうにはプレミアム金利をつけるしかない。
ゼロからわかる! 異次元緩和の出発点 「2%」物価安定目標はこうして生まれた - mainichi.jp
【参考】2024年9月13日
新規国債の9割以上を購入してきた日銀が国債市場から退出する際には、その穴埋めを誰かが行わなければならない。想定される買い手は、国内の金融機関や海外の機関投資家だ。満期到来国債の見合いに発行される借換債だけであればまだしも、今後の財政赤字を賄うために発行される新発債を含めれば、十分な買い手を見つけるのは必ずしも容易でない。日銀不在の国債市場では、これまでのような超低金利での国債発行は不可能だ。必然的に国債の発行金利はリスクに見合う形で上昇し、国の利払い費は増加することになる。そうなれば、国もこれまでのような財政の大盤振る舞いはできなくなるだろう。
https://gendai.media/articles/-/137236?page=3
その異次元緩和によってカネ余りになり、確かにバブルになったが、その後の莫大なコロナ予算、新NISAによる「貯蓄から投資へ」、FRBの急激な利上げによる日米金利差の急拡大、などによってバブルはとんでもない規模にまで膨らんだ。
不動産に関しては東京五輪、大阪万博などの起爆剤によって一時的に建設需要をもたらした。
また、このバブルは不動産や株といったよくあるバブルだけではなく、仮想通貨、高級腕時計、高級車、ウイスキー、ポケモンカード、といったものまでバブル化し、エブリシングバブルになった。
こういった過剰な流動性供給が続いたことでインフレ率が急上昇し、世界各国の中央銀行は利上げに動くことになった。
不動産からポケモンカードまですべての資産が暴騰する「エブリシング・バブル」が崩壊…もうバブルが弾けてしまった「意外な銘柄の名前」 - gendai.media
日本は通貨の暴落もあったことで周回遅れで利上げを開始したが、どのような計画で利上げをしていくのかが未だに不透明感があるため、まだバブルが終わっていないような雰囲気が残っていた。
自民党総裁選を終えた今後の相場は、「金融正常化や財政再建に前向きな石破茂元幹事長が日本銀行の利上げに批判的な高市早苗経済安全保障担当相に勝利した」ことによって、円高・株安・金利上昇になりやすいと言われている。
【参考】2024年9月27日の記事
10月第1週(9月30日-10月4日)の債券市場では長期金利の上昇(価格下落)が予想される。自民党総裁選挙の決選投票で、金融正常化や財政再建に前向きな石破茂元幹事長が日本銀行の利上げに批判的な高市早苗経済安全保障担当相に勝利した。円安・株高・金利低下の「高市トレード」を巻き戻す流れが続くとの見方が出ている。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-09-27/SKES7LDWLU6800
しかし石破は8月7日の時点では日銀の利上げについて「正しい政策だ」「輸入物価の引き下げにつながる」「日本経済は内需主導」などと語っていたが、9月29日のテレビ出演で正反対のことを言っているかのような記事が出ている。
恐らく誰かが圧力をかけてそのように言わせたのだろう。
また、「石破氏は次期政権について、社会保障など積み残された課題に取り組む結果、短命になる可能性がある」と語っているが、あまり国民受けのいい政策にはならないようなことを暗示している雰囲気もある。
つまり、石破は歴代の政権が先送りしてきた改革を自ら引き受けるようなことを言っているが、このインタビューはまだ自民党総裁選の前に行われているため、誰が首相になってもそうなるという意味だったのか、それとも自分が次期首相になることをこの時点で知っていたのか、よく分からないような内容に思える。
結局、政治家や当局者は緩和を続けるとか、すぐに利上げするわけではないとか、金利のことを言うなとか、そういう言い方をすることで市場をなるべく刺激しないようにしているようだが、実際には今の日銀がやっていることは明らかに量的引き締めであり、その金融政策に変更はないらしい。
※日銀が保有する国債(資産)が減ると負債である当座預金も減ることになり、それは量的引き締めに該当する。今後、日銀が量的引き締めに向かっていくことでFRBと日銀とのバランスシートの差が縮小することになり、いくらか円高方向に向かいやすい環境になっていく。
https://gentosha-go.com/articles/-/61364?page=2
【参考】2024年8月7日の記事
[東京 7日 ロイター] - 自民党の石破茂元幹事長は、ロイターとのインタビューで、徐々に金利のある世界を実現することが物価上昇の抑制や構造改革に資すると述べ、日銀の金融政策運営を評価した。適正な為替水準については「常識的に110円─140円と言われている」としたが、日銀のさらなる利上げの是非に関しては明言を避けた。
9月には自民党総裁選が行われる見通しだが、石破氏は報道各社の世論調査の多くで次の首相候補でトップとなっている。
7月末の日銀による追加利上げとその後の世界的な株価急落によって、市場関係者の一部では日銀の利上げ判断に批判も出ているが、石破氏は「金融緩和という基本的政策を変えないなかで徐々に金利のある世界を実現していくのは正しい政策だ」と評価。今は株価下落など負の側面だけが強調されるが、輸入物価の引き下げにつながる」との考えを示した。
株安を受け与野党は国会の閉会中審査を開催し、日銀の植田和男総裁を参考人として呼ぶ方針だが、石破氏は「少しでも金利のある世界というものに戻していくことによって得られるメリットもあり、それが日本の経済の構造そのものを転換することに繋がるものだということを、国会の場を通じて多くの国民に納得してもらえるように努めていただきたい」と述べた。
適正な為替水準については「そんなことはわからないし、政治の立場で言えない」としつつ、「常識的に110-140円が適正な水準と言われている」とした。一時161円台まで進んだ円安に関しては「GDPに占める輸出比率は日本は18%に過ぎず、日本経済は内需主導」との認識を示し、「円安で企業が史上最高の利益を上げているのは経営者にとってはうれしいことかもしれないが、多くの労働者にとっては決して幸せではない」と語った。
ウクライナ情勢に関しては「ウクライナともロシアとも一定の関係を持っている国が、国際社会で本来の法の支配の在り方について問題提起する必要があるが、国連を機能させるためには日本として国連軍に参加する選択があるのか問われる時代がくる」と明言。「自衛隊が違憲と思っている人は10人に1人もいない」と述べ、憲法改正で自衛隊を戦力として認める必要性を強調した。
石破氏は次期政権について、社会保障など積み残された課題に取り組む結果、短命になる可能性があると指摘。社会保障改革など必要だが先送りされてきた改革を引き受けることになるとの認識を示した。
https://jp.reuters.com/world/japan/PAPA7GTTANNWNE4662CT36T6FI-2024-08-07/
【参考】2024年9月29日の記事
自民党の石破茂新総裁は29日、フジテレビの番組に出演し、金融政策について「緩和の方向性は維持しなければいけない。デフレ脱却を断言できない中、ここで金利をうんぬんかんぬんとは言ってはいけない」と述べ、政策金利の引き上げに慎重な姿勢を示した。
石破氏は「『貯蓄から投資』の流れは決して止めてはならない」とも強調。経済対策に関し「民間需要が少ないときは財政出動しないと経済が持たない」と述べた。
安全保障政策では、米国に自衛隊の訓練基地を置くべきだと改めて主張。「それができれば当然、日米地位協定の改定が必要になる。一歩先に行かないと日米同盟が強固にならない」と述べ、地位協定見直しの必要性を重ねて訴えた。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2024092900229&g=pol
結局、異常低金利を続けていても、一部の資産価格が暴騰するだけで、好景気になるわけではない。
円安の恩恵を受けている企業も国内に資金還流させなければ見かけ上の利益になってしまう。
必要もないものを取引し続けて価格を吊り上げていけば必ずクラッシュすることになる。
必要なものであっても吊り上げ過ぎるとクラッシュするが、必要ないものであれば尚更クラッシュする。
近いうちにバブルは崩壊することになるが、要らないものをわざわざ高く、大量に買っているからそうなる。
本来であれば必要なものをできるだけ安く買おうとするが、バブルになっているとその逆のことをしてしまうらしい。
やはり株というのはバブルにでもならない限り暴騰するような上昇にはならない。
何か理由をつけて吊り上げているが、結局は低金利政策、参加者の増加などによる巨額の資金流入がなければ暴騰はしない。
そしてそれはバブルであり、本当の意味での投資ではないのだから必ず暴落することになる。
なぜ暴騰させると暴落するのかというと、価格を吊り上げている者はうまく逃げることができないと自分が最も不利なポジションを持つことになってしまうため。
つまり、自分がポジションを処分するために吊り上げている。
わざわざ危険な状況なのに高値圏で吊り上げるということは、当然、長期保有することが目的でやっているのではない。
誰かにババを掴ませることが目的でやっている。
そういう銘柄は可能な限り吊り上げて、自分の都合のいいタイミングで全決済するという計画でやっているに過ぎない。
何かきっかけがあって大暴落するのではなく、吊り上げている連中がそういうつもりでやっている。
仕手筋の類いは何かのせいにすることで暴落したということにするはずだが、実際には計画的にやっている。
利上げによってバブルを抑制する効果はあるが、利上げが元凶で崩壊するのではなく、利上げしなくてもバブルになればそのうち崩壊する。
利上げすれば当然、株価は下落するが、それを恐れてバブルを続ければ壮絶な崩壊をするのだろう。
最終的にどの程度の金利上昇になっているのかということが重要だが、中立金利は最低でも1%であると日銀審議委員が発言しており、それを徐々に織り込むようにしておかないと、日銀は計画通りに利上げすることはできなくなるのだろう。
市場が金融政策を織り込んでいかないと、自動売買によって急激な相場の変動を招くように思える。
(利上げを断念するという意味ではなく、「後になって急ピッチの利上げを余儀なくされる」という意味だが、一部では日銀の利上げを阻止するような動きもあり、誤解しているような感じもする。一部の政治家などがやっていることはむしろ市場にサプライズをもたらしたり、ボラティリティが高くなるようなことなのではないかと思う。)
【参考】2024年9月18日の記事
QUICKが17日発表した9月の外国為替市場の月次調査で、年末の日銀の政策金利水準を聞いたところ、現状維持となる「0.25%」との回答が56%を占めた。「0.50%」は43%、「0.75%」は1%にとどまり、年内の追加利上げがあるとの予想は過半に届かなかった。
調査は9~11日にかけ、金融機関や事業会社の外為市場関係者175人を対象に実施し、73人から回答を得た。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO83516640X10C24A9EN8000/
【参考】2024年9月12日の記事
[岡山市 12日 ロイター] - 日銀の田村直樹審議委員は12日、岡山県金融経済懇談会であいさつし、経済・物価に対して引き締め的でも緩和的でもない中立金利について「最低でも1%程度だろうとみている」と明言した。2026年度までとなっている展望リポート(経済・物価情勢の展望)の見通し期間の後半には「少なくとも1%程度まで短期金利を引き上げておくことが、物価上振れリスクを抑え、物価安定の目標を持続的・安定的に達成する上で必要だ」と語った。
中立金利の具体的な水準に言及するのは日銀の政策委員で初めて。
田村委員は市場が予想する短期金利の引き上げペースは緩やかで、「このペースの短期金利の引き上げでは、見通し期間の後半においても短期金利は中立金利に届かない」と指摘。物価の上振れリスクをさらに高めたり、後になって急ピッチの利上げを余儀なくされる可能性も否定できないと警戒感を示した。
その一方で、日本は長らくほとんど金利がない状況が続いてきたため、経済主体が金利にどのように反応するか「予断を持たずに注意深く見ていく必要がある」と述べた。26年度までの見通し期間の後半の1%の水準を念頭に置きながらも「物価目標の実現する確度の高まりに応じて段階的に短期金利を引き上げつつ、経済・物価の反応を確認し、適切な短期金利の水準を探っていく必要がある」と話した。
https://jp.reuters.com/opinion/forex-forum/UGUTNOJ6GBPL3KKHTL2BE3CBEM-2024-09-12/
日銀が利上げをすることで赤字になったとしても通貨発行益があるため、長期的には問題ないという前日銀総裁の話が掲載されている。
日銀は0.6%まで利上げすると赤字になり、2.8%まで利上げすると債務超過になるという話も出ているが、そういう理由で利上げできないということはないらしい。
【参考】2017年6月16日の記事
日銀の黒田東彦総裁は16日の記者会見で、将来の金融緩和の出口局面で日銀の収益が赤字になった場合の影響について問われ「通貨の信認が毀損されるようなことにはならない」と述べた。中央銀行には通貨発行益が継続的に発生することで「長い目で見れば必ず収益が確保できるしくみになっている」と指摘した。 出口局面では金利が上昇する可能性が高い。市場では日銀が支払うコストと保有する国債から得られる利子収入のバランスがとれなくなるとの見方がある。
https://www.nikkei.com/article/DGXLASFS16H2V_W7A610C1000000/
【参考】
日本銀行の利益の大部分は、銀行券(日本銀行にとっては無利子の負債)の発行と引き換えに保有する有利子の資産(国債、貸出金等)から発生する利息収入で、こうした利益は、通貨発行益と呼ばれます。
https://www.boj.or.jp/about/education/oshiete/outline/a24.htm
【参考】2024年5月29日の記事
日本銀行が政策金利(付利金利)を+0.6%まで引き上げると、日本銀行は経常赤字に陥る。仮に政策金利(付利金利)を+2.8%まで引き上げると、日本銀行は債務超過に陥ることになる。
日本銀行が政策金利を+2.8%まで引き上げて債務超過となる可能性は低いが、+0.6%までの引き上げであれば、来年前半にも考えられるところだ。その結果、日本銀行は今まで拡大してきた過去の遺産とも言える自己資本を、追加利上げの過程で取り崩していくことになる。 その過程で、金融市場は日本銀行の財務の安定性への不安を高めていくのではないか。さらに追加利上げの過程で、円高が進み、日本銀行が保有する外貨建て資産に評価損が膨らむ、あるいは株価が大幅に下落して、保有するETFに含み損が生じ、日本銀行が大規模な引き当てを迫られれば、それらも収益を悪化させ、バッファーである自己資本はより急速に減少していくことになる。 日本銀行の財務の安定性が、異例の金融緩和のもとで積み上げられてきた自己資本という遺産によって、この先どの程度持ちこたえることができるかが、いよいよ試されることになる。
https://www.nri.com/jp/knowledge/blog/lst/2024/fis/kiuchi/0529_2
※これまで日銀はイールドカーブ・コントロールを行うことで異常低金利政策を続けてきた。しかしそれには副作用があると言われている。
https://mainichi.jp/articles/20240312/k00/00m/020/129000c
【参考】
・イールドカーブ・コントロールとは
「イールドカーブ・コントロール(YCC)」とは、日本銀行(日銀)が「短期政策金利」と、償還までの期間が10年程度ある長期国債の「長期金利」の誘導目標を定め、その水準を維持するためにイールドカーブ全体を操作するための金融緩和策です。「長短金利操作」とも呼ばれています。 具体的には、短期金利は金融機関が日銀に預けている預金(当座預金)の一部にマイナス0.1%の金利を付けることで調整しています。長期金利に関しては、0%程度に誘導し、市中に出回っている国債を買い入れることで調整しています。 日本国債は国が発行する債券ですが、幅広い投資家が自由に売買できます。しかし、日銀が国債を買えば、対象となった銘柄の需給は引き締まってしまいます。需要が高まるほど債券価格は上昇し、利回りは低下するため、国債を買い入れることで人為的に需給バランスを操作して誘導したい金利水準に押し下げようとします。 日銀が市中から国債を買い入れることを「国債買い入れオペレーション(公開市場操作)」といいます。
・イールドカーブ・コントロールの問題点とは何ですか?
イールドカーブ・コントロールの問題点の一つは、国債市場の機能低下です。政府が財政支出のために国債を増発する中で、日銀が金利を一定水準に保つために大量の国債を購入することになります。その結果、日銀の国債保有額が著しく増加し、市場で自由に取引される国債の量が減少します。これにより、国債市場の価格発見機能や流動性が低下し、市場メカニズムが歪められる可能性があります。
・イールドカーブ・コントロールの目的は何ですか?
「イールドカーブ・コントロール」は、イールドカーブの形状を適正な形状に調整していこうとしたもので、それまで進めてきた金融政策をより円滑に進めるための対処策です。 日銀の金融政策は長らく「短期金利」を操作するもので、「長期金利」はマーケットの需給などさまざまな背景で自然に決まるものでした。ですが、さらに人為的に金利水準をコントロールするために、このイールドカーブ・コントロールを導入することになりました。 イールドカーブ・コントロールを通じて国債の金利が幅広く引き下げられることができれば、私たち個人が借りるお金の金利も、企業活動のための企業の負債の金利も、貸出金利のベースとなる部分が下がります。
https://life.saisoncard.co.jp/money/wisemoney/post/gavel26/
【参考】
流動性プレミアム仮説(Liquidity Premium Hypothesis)とは、投資家の流動性に対する選好から、金利の期間構造が右上がり(順イールド)になるという仮説である。 第1に、投資期間が長くなるほど、将来の金利の変動によるリスクは大きくなることから、長期債券は短期債券に比べて、価格変動リスクが大きくなる。第2に、長期債券は償還までの期間が長く、流動性リスクが大きくなる。長期債券を市場で売却することも可能であるが、買い手を見つけることが難しい場合や、不利な条件で取引を行わなければならない場合があるため、流動性を求める投資家は、このようなリスクを回避しようとする。流動性プレミアムとは、このような価格変動リスクや流動性リスクに対して発生するプレミアムのことである。
https://glossary.mizuho-sc.com/faq/show/1893?site_domain=default
※まだ大した問題ではないようだが、不動産市場では特に東京のごく一部で価格が急騰しており、空室だらけなのに売買価格は高額になっているというバブル特有の現象が起きている。(「ファミリー向けに分譲されたのに購入したのは投資家」とのこと。価格は4LDKで約2億円。)
一部報道では「晴海フラッグ」の3割以上の部屋で居住実態が確認できないとのこと。
「晴海フラッグ」はまだ未完成の建物が多いらしく、今後も販売される物件が増えていくようだが、全て埋まるのかどうかは不明。
全て完成して全部の部屋が埋まれば1万2000人が住む街になるとのこと。
ゴーストタウン化した東京オリンピック選手村跡地。新築マンションは空室1,000戸以上で誰も住んでない… - Youtube
元選手村「晴海フラッグ」 3割以上の部屋で居住実態確認できず - NHK
麻布台ヒルズ、虎ノ門ヒルズ、カレッタ汐留なども客が少なく、「ガラガラ」だと言われている。
特にカレッタ汐留は酷い状態らしい。
麻布台ヒルズは2023年11月に開業したばかりであるため、失敗だったのではないかという声が目立つ。
麻布台ヒルズガーデンプラザB 3Fの賃料は1,220,175円で、共益費は108,460円となっているが、客が入らない状態が続くのであればテナントの撤退が始まり、廃墟化するのだろう。
【2chニュース】無惨…麻布台ヒルズ、開業1年でガラガラに。急速に廃墟化した5つの原因【時事ゆっくり】 - Youtube
また、不動産投資の利回りはかなり低い状態にあり、「理屈に合わない価格に高騰している」とも言われている。
【参考】2024年9月20日の記事
◆新築マンションは理屈に合わない高価格に
―今回は利上げを見送りましが、日銀の17年ぶりの利上げは不動産市場にどんな影響を与えていますか。
「今後も少なくとも1%程度まで引き上げる必要があると日銀審議委員も発言しており、さらなる利上げが既に予測されています。7月の追加利上げと株式市場の暴落で不動産市場では逆風が吹き始めています。将来的に金利が1%程度引き上げられれば、住宅ローン金利の引き上げは必須となり、変動金利でローンを組んでいる家庭では月々の返済額も膨らみます。食品、電気、ガソリン代など物価高が続く中での支出増は、家計に大きな影響を与えるでしょう。
―都心の新築マンションが、都民の手に届きにくくなったという話もよく聞きます。
「ここ数年、地価の値上げに加えて建築費が3、4割上がっており価格を押し上げています。ただ同じ中古物件の売買サイトと賃貸サイトを比較すると、マーケット相場としての賃貸料が低いのに売却価格が異常に高い状態になり、投資利回りが確保できないレベルの物件が目立ちます。高額でも購入するのは国内外の投資家ですが、利回りが低くなりすぎて手が出ない状況になっています。そのくらい理屈に合わない価格に高騰しているわけです」
◆中古物件の理想の築年数は…
―若い人などにとって、住宅の買い時はいつでしょうか?
「家族や家計の事情を最優先してほしいです。子どもの成長で今の住居が手狭になった時などです。一方で、金利が上昇する直前の今のうちに買おうと、身の丈に合わないローンを組んで新築マンションを購入することはお勧めできません」
―物件探しで気を付けなければいけない点を教えてください。
「最寄り駅から現地までの状況を、必ず自分の足で歩き、目で確認してください。駅の構造や現地までのアップダウン、交通事情から、想定以上に時間が掛かる物件もあります。中古マンションでは、管理組合の議事録を閲覧できればマンション内部の状況が分かると思います。理想は、設備も問題なく使用できる築7、8年のマンションです」
https://www.tokyo-np.co.jp/article/355407