円高・ドル安の流れはしばらく続くことが予想されるため、日本企業は巨額の為替差損が生じる前に、レパトリエーション(本国への資金還流)を開始するらしい。
また、FRBは年内にさらに0.75%の利下げをするのではないかという記事もあり、実際にそうなるのであれば、それほど円安方向に戻すこともなく円高トレンドはこのまま継続するのだろう。
【参考】2024年9月25日の記事
日本企業は、わが国で金融不安が勃発した1990年代後半以降、収益率や金利の内外格差に注目して、対外直接投資で現地法人・海外子会社から生じた利益・配当等の多くを国内還流することなく、再投資などの形で海外に継続的にプールしてきた。
特に2012年以降、円相場が長期的な下落トレンドに移行すると、直接投資による受取収益の再投資の増勢が著しく強まった。1999年に5%だった直接投資残高に占める再投資の比率は、2010年前後に一旦20%で横ばい推移した後、2023年には33%まで上昇している。その結果、2024年7月現在、日本企業が海外にプールしている留保利益は111兆円に上っている。
こうした日本企業による直接投資収益の海外プールは、ドルのみならず多様な外国通貨に対する「円キャリートレード」の一種とみなすことができる。
日銀や米連邦準備制度理事会(FRB)をはじめとする外国中銀による金融政策の転換と、8月上旬の円相場の暴騰を契機に、中長期的な円高トレンドへの転換が始まったとすれば、今度は日本企業が、為替差損を回避するために、海外留保利益のリパトリエーション(本国回帰)を強いられる公算が大きい。111兆円に上る留保利益の半分のリパトリエーションが起こるだけで、円相場は再び急激なアップトレンドに見舞われる可能性が高い。
https://www.jiji.com/jc/v8?id=202409yenUmemoto
参考】2024年9月19日の記事
[18日 ロイター] - 米資産運用会社ダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック最高経営責任者(CEO)は、米連邦準備理事会(FRB)が年内にさらに75ベーシスポイント(bp)の追加利下げを実施するとの見方を示した。CNBCのインタビューで述べた。
11月5日の大統領選後となる同月の会合で、50bpの利下げを行う可能性が高いと予想した。
また、ドルの下落に伴い、新興国市場へのエクスポージャーを増やす時期かもしれないと指摘した。
インフレリスクは雇用や消費に関するリスクよりも低いとし、短期的なインフレについて懸念すべきではないとした。
消費者物価指数(CPI)上昇率は数カ月で2%を下回り、その水準を維持する可能性があるとの見通しを示した。
その上で、インフレ・経済面での「ワイルドカード(不確定要素)」は住宅市場の動向だと指摘した。
FRBの政策は以前ほど後手に回っていないとも述べ、現在のデータは経済に大きなストレスは見られないというパウエル議長の発言を裏付けているとした。
フェデラルファンド(FF)金利のターミナルレート(最終到達点)は3.50%が基本シナリオだと語った。
長期債市場は積極的な金融緩和を望んでいないと述べた。
https://jp.reuters.com/economy/inflation/HMDBJS5RVZKS5NKYTXSGQ5APXY-2024-09-19/