2月13日15時35分時点で日経平均CFDが38,371円まで上昇している。(1日で約4%の上昇。約+1500円。)
12日から先物主導で上昇しており、裁定取引で東京エレクトロンやソフトバンクグループなどが買われたらしい。

東京エレクトロンは1日で12.04%上昇し、ソフトバンクグループは3日間で34%上昇した。

また、最も指数寄与度の高い銘柄であるファーストリテイリングは好決算を出し続けているが、このような銘柄に資金が集中して急騰すると指数も噴き上がってしまうことになる。

しかし、指数寄与度の高い銘柄が好業績でサプライズ性があったために急騰し、それによって日経平均株価が暴騰し続けているのではなく、日経平均株価を暴騰させるために指数寄与度の高い銘柄にばかり集中的に資金を投じているように思える。

また、「日経平均に占めるウエート(構成比率)がキャップ(上限)を超えたことで、将来の売りが想定される」と言われており、「ウエート計算の対象は7月末時点の株価」となっているため、キャップを超えている場合は7月までにファーストリテイリングの株価は下がりやすいらしい。(しかし実際の値動きを確認するとその時期に大して下がっていない)

 

 
 
 
 

ソフトバンクグループ 株価 - Google 検索

 

 

ファーストリテイリング 株価 - Google 検索

 

 

報道では東京エレクトロンとソフトバンクグループは決算内容、半導体需要、AI革命、といったことが要因で買われたと書かれているが、その前から先物が急騰していたのだから裁定取引の対象にされただけのようにも思える。

 

(追記:恐らく先物主導で上がった分と、指数寄与度の高い銘柄への買い、その両方があった。裁定取引については、2/9までのデータを確認したところ、裁定売り残が398億円、裁定買い残が1兆2488億円となっており、「裁定買い残が大量に残っている場合、先物の決済日に裁定解消の現物株売りが大量に入る可能性があるため、相場の下げ要因として注意が必要」と言われており、やはりロールオーバーをしないのであれば、メジャーSQにかなり下がる可能性があるらしい。先物取引はやったことがないため、裁定取引については理解が不十分な点がまだ多い。)

裁定取引残高の推移 (karauri.net)

裁定残|証券用語解説集|野村證券 (nomura.co.jp)

ロールオーバー 用語集 | 日本取引所グループ (jpx.co.jp)

 

 

いくら何でも短期間に噴き上がり過ぎなのだから報道にあるような理由では不自然になる。
もし本当に日本政府や日銀が介入しているのではないのであれば、明らかにこれは短期筋による買いであり、かなりの高値で巨大なポジションを構築したことになるが、年内か来年には全て放出するのだろう。

先物主導で動かしているということは、日銀が関わっているわけではないことになるはずだが、どうも岸田政権が裏で相場操縦を行っているとしか思えない。

ごく一部の欧米人や中国人富裕層の損失を回復させるために、日本政府が彼らに対して必ずいくらまで上がると約束したことで安心して借金をしてまで日本株を買っていると考えるのが自然。

つまり海外勢が上値追いをして株価を押し上げているわけではなく、岸田政権が何らかの形で株価を暴騰させて海外勢を儲けさせている。

仮にそうなのだとすれば、それは日銀によって裏で何らかの形で買い入れをしているのか、あるいは政府が何らかの積立金でも使って介入し続けているということなのだろう。(最近では中国政府も株式市場に介入しているが、これは上手くいくのかどうか分からない。) 中国経済の苦境、波及すれば世界の株高に水差す恐れ-MLIV調査 - Bloomberg

岸田がそのようなことをしているのであれば、政府などが溜め込んだ巨大なロングポジションは売らずにそのままにしておき、なるべく暴落させないようにするはずだが、先物に関しては期日があるため、そのままにはできないのだから、恐らく政府などが保有する株式は先物ではなく現物という形を取っている。

それによって遅かれ早かれ巨額の含み損が発生することになる。

 

(追記:先物にはロールオーバーというものがあり、満期日までに決済せずに次の限月以降もポジションを継続させることがあるらしい。しかし、「損失の先送りに使われた場合は健全な取引とは言えない」と言われており、いつまでも先物で指数を噴き上げ続けていれば、いずれはその巨大なポジションサイズによって自らの首を絞めるような事態に陥るのだろう。3月、6月、9月、12月はメジャーSQの月でもあるため、その時にロールオーバーがされない場合は相場が急変することもあるとのこと。)

 

1月と2月だけでこれだけ無理をして先物主導で暴騰させているのだから、来月には下がりやすい要因でもあるのかもしれない。

しかし、岸田は4月に国賓として訪米するため、帰国するまでは支え続ける可能性もある。

日米の株高は投資というより政治的な思惑で操縦されたものである印象を受ける。

こういうことをやっていれば後で必ず代償を払うことになるが、それは政治家が責任を取るのではなく、恐らく国民が増税によって負担を強いられるという結果になる。

だから財務省は岸田に対して増税メガネやら増税モンスターやら、そういった呼び名でメディアに煽らせて地ならしをしている。

IMFは日本に対して消費税を20%にするように提言し続けているが、やはり増税の対象は消費税ということになり、目安としては20%ということになるようだ。
この株価暴騰は「自民党の政治家の言うことを素直に聞いていれば簡単に儲かるのに」といったプロパガンダのような意味合いもあるのかもしれない。

相場操縦は違法行為なのだから、SMBC日興証券の幹部のように逮捕されてしかるべきだが、国が行う犯罪を国が裁くということはないのだから、今後、政府関係者などがそういった理由で逮捕されることはまずない。

 

【参考】
大手証券会社SMBC日興証券の相場操縦事件で、不正な株取り引きを行ったとして、金融商品取引法違反の罪に問われたSMBC日興証券に対し、東京地方裁判所は「複数の幹部が率先して犯行に及び、違法行為を防ぐ機能は形骸化していた」と指摘して、罰金7億円と、追徴金44億円余りの判決を言い渡しました。
SMBC日興証券は、特定の銘柄の株価を維持するために大量に買い付けるなど、不正な株取り引きを行ったとして、幹部ら6人と法人が金融商品取引法違反の相場操縦の罪で起訴されました。
このうち、法人としてのSMBC日興証券と、株式の運用などを行うエクイティ本部の副本部長だった杉野輝也被告(57)について、13日に東京地方裁判所で判決が言い渡されました。
判決で、神田大助裁判長は「目前の取り引きをつつがなく実施しようと、当座の利益を優先させた、その場しのぎの姿勢がうかがわれる」と指摘しました。
そのうえで、「複数の幹部が率先して犯行に及び、コンプライアンス担当が違法の可能性に気付いたにもかかわらず放置された。取り引きの監視や審査を担う部署も機能不全で、違法行為を防ぐ機能は形骸化していたというほかない」として、SMBC日興証券に罰金7億円と追徴金44億7000万円余り、杉野元副本部長に懲役1年6か月、執行猶予3年を言い渡しました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230213/k10013979601000.html (なぜかリンク切れになっている)

 

 

 

株価指数先物の取引には指数の1000倍の資金が必要になるのだから、含み損をある程度許容する分も含めれば最低でも1億円ぐらい必要になる。

(追記:先物取引ではVaRをもとに計算されるためレバレッジがあり、日経平均株価が38,000円ぐらいなら必要証拠金は210万円程度らしい。含み損の分も考えると証拠金に余裕を持たせるために恐らく500万円ぐらいは必要。先物取引は株価指数の1000倍の取引になるため、日経平均先物が10円動くと1万円の損益になり、1000円動くと100万円の損益になってしまう。ただし、日経225ミニの場合は指数の100倍の取引、マイクロの場合は指数の10倍の取引になるため、ラージのような一般人向けではないような危険性はそれほどないらしい。)

 

当然、個人投資家がそのような取引をしていることはほとんどないはずだから、先物主導でこれほどまでに株価指数を動かすのは機関投資家のような法人の大口としか思えない。

しかし日本の資産価値をこれだけ高めているのだから海外のヘッジファンドである可能性は低い。

恐らく政府か日銀が海外にペーパーカンパニーか子会社のようなものを作って海外の機関投資家が巨額資金を投じて先物主導で株価指数を噴き上げ続けているという形を取っているのだろう。
まともな国の株価指数というのは1ヵ月で10%や20%も動くということはないのだから、この国は既にまともな国ではなくなっている。

残念ながら近い将来、やはり何かしら重大な問題が起きるのだろう。(消費税の大幅増税もしくは預金封鎖と財産税の没収など。マイナポータルの利用規約は後から政府の都合でいかようにも変更できるようになっている。)

ほんの1年前までは日経平均株価が1日に100~200円動けばそれなりに大きい値動きだと言われていたが、今では1日に1000円程度は当たり前のように動いている。

コロナショックで暴落した時にも同じぐらい動いていた時期はあったが、今は正当な理由もなく過去最高値付近の水準で全く下がらずに暴騰し続けている。

むしろ経済状況が悪化していく中で暴騰している。(あるいは本格的に経済状況が悪化する前に、今のうちに暴騰させているのかもしれない。)

 

【参考】

法的根拠をもって設立されているが、外見上の目的とは別の活動を行っているもの

悪徳商法、詐欺、カルト宗教などの犯罪を含めた悪質行為の目的で会社を隠れ蓑として使うものはダミー会社とも言われる。事実上支配している会社や経営者が自分の名前が表に出にくいようにするために用いることがある。

ペーパーカンパニー - Wikipedia

 

 

 

相場操縦を行う者は経済学などではなく心理学を悪用している。

例えば、「日経4万」や「日経5万、7万」といった具体的な数字をどこでも見かけるようにすることで人々はそれを意識するようになり、「4万は通過点」「PER、PBRで見ればまだまだ割安」「円安だから株高は当然」といったことを繰り返し執拗に主張し続けることで「ああ、4万は確実でしかもまだ安い方なんだ」と思うようになる。

また、誠実で確かな専門家が予想する内容と全く逆のことをしたり、それを覆すような嘘の統計データを政府が発表したりすることもよくある。

これらは全て国の言うことを聞いた方がいいと信じ込ませるテクニックであり、一種の洗脳なのだろう。

当然、国の言うことなんか聞いていれば後で大変なことになるが、その常識をカネと権力を使えるだけ使って強引に捻じ曲げ、「なんて愚かなんだ」と自分が打ち負かされたような感覚に誘導しようとする。(政府の力の誇示)

株式取引というのは経済、金融、相場などの勉強をすることで勝てるようになるのではなく、そういった政府や中央銀行が作る動きを察知し、流れに乗ることで勝てる世界なのだろう。

しかしそれはいつまでも続けられることではなく、むしろ滅多にないことなのだから、そのようなインチキ、イカサマに乗って大儲けした者はこの相場が終わると同時に勝てなくなるはず。

強引に作られた強気相場ではトレンドフォロー戦略が有効だが、それが終わる頃までには全て利益確定を済ませ、しばらく相場から撤退して手を出さないようにするのが最も利口なのだろう。
日経平均株価という指数は基本的には暴騰するようなものではないため、ショート戦略が有効な銘柄だったが、最近は極端な暴騰をし続けているために日経平均株価でショートポジションを取っていたファンドが潰れたり、それなりに相場経験のある個人が損失を被ったりしたのだろう。

 

【参考】
シンガポールのヘッジファンド運営会社アジア・ジェネシス・アセット・マネジメントは、マクロファンドを閉鎖する。中国株の下落や日本株の上昇を受け、「前例のないドローダウン(目減り)」に見舞われたと説明した。
ブルームバーグ・ニュースが確認した投資家宛て書簡によると、チュア・スーン・ホック氏の「アジア・ジェネシス・マクロ・ファンド」は、1月最初の数週間で18.8%のマイナスリターンを記録。香港・中国株のロング(買い持ち)ポジションと日経平均株価のショート(売り持ち)取引で損失を被った後、同ファンドは投資家に資金を返還しているという。
同社の最高経営責任者(CEO)のチュア氏は書簡で「トレーダーとしての自信を失う段階に達した」と指摘。昨年10月以降の厳しい取引や「散々な」1月によって、「私の過去の経験はもはや通用せず、むしろ私に不利に働いていることが証明された」と説明した。
チュア氏は、同ファンドがベンチマークである香港の株価指数の底値で買おうとするという「大きな間違い」を犯したと説明した。また、日経平均と香港のハンセン指数のスプレッドが1991年以来の水準になっていることにも「非常に驚かされた」という。

 

 


2024年になぜ日経平均株価が噴き上がったのかというと、それは新NISA(小額投資非課税制度)が始まったからであり、それに合わせて政府あるいは日銀が何らかの形で介入を行い、強烈に噴き上げ続けているのだろう。

(表向きには海外勢が上値追いをしていることで暴騰しているということになっているが、海外勢がそのような危険なことをして日本の資産価値を高める有難いことをしているのだろうか。)

そしてその情報は中国人や欧米人の一部に流れており、100%確実に勝てるという儲け話を岸田が伝えていたことで「投資の岸田、外交の岸田」という体面が保たれるという寸法だったらしい。

個人的には黒田は安倍をお守りする存在、植田は岸田をお守りする存在であるように思え、それは首相と日銀総裁という関係というよりは、王と金庫番という関係のような感じがする。



日経平均株価は去年の1月安値は25,661円だったが、今年の2月には38,010円まで上昇したことで、たったの約1年間で12,349円も上昇幅が出ている。これはたったの約1年間で株価指数が約48%も上昇したことになる。

このことが意味しているのは、たったの約1年間で日本企業の価値がそこまで高まったというわけではなく、円安、見かけ上の好業績、相場操縦、海外機関投資家と国内個人投資家による買いで提灯をつけたこと、などが要因であるはず。

今の日本経済がバブル経済なのかと言えば少し違うようにも思えるが、この資産価格(株価)が正常なのかと言えば恐らくそんなはずはなく、ある意味バブル的な様相を呈しているのだろう。
(経済全体がバブルなのではなく、株価だけバブルになっている)
岸田政権は政権交代までに日経平均株価が史上最高値を更新することを至上命題としているらしく、相場環境がいよいよ悪化してくる前に何としてでも史上最高値更新のために、今のうちに噴き上げるしかないと思っているのだろう。
来月ぐらいから雲行きが怪しくなってきそうだから、そうしないともう間に合わないということらしい。

 

 

 

最近、日本円が劣化していることで株高になっていたり、海外旅行に行って飲食店で食事をすると円の価値が低くてとんでもない金額を請求されてしまう、といった話をよく見かけるようになったが、恐らくそれは間違っている。

株高については業績の「数字」で動いている分よりも、相場操縦と提灯をつけたことによる面が大きいように思える。

海外旅行については円の価値が低いからというよりも、現地で未曾有のインフレになっているために飲食店などでは料金が異常に高く設定されているだけなのではないかと思える。

つまり日本円の価値が低下しているから日本人が現地で高額請求されて苦しんでいるのではなく、現地の人がそのインフレで苦しんでいるのではないかということ。

「実質実効為替レート」では円の実力が大きく低下しているということになっているが、経済の実態としては海外の通貨の方が価値が低くなっているような感覚がある。

「いくらモノ・サービスの価格が上昇しても収入がそれに伴って増えている」とか「株や不動産などの資産が高騰しており、資産効果の恩恵を受けているからいくらでも贅沢できる」といったことが現地で起きているのであればいいが、それはごく一部の層でのみ起きていることであり、大半の人(特に低・中所得者層)にとっては何の恩恵もないことだというのが現実なのだろう。

【参考】
今、アジアに海外旅行をしても物価水準は日本と変わらないか、高い。米国でラーメンと餃子、ビールでチップを入れると1万円近くかかった、という話も聞くようになった。円の弱さを痛感している日本人は多い。
日本株が上昇しているのは、企業収益が大きく改善しているからだ、という反論もあるだろう。確かに、売り上げも利益も大きく増えている。だが、注意しなければいけないのは、これらの数字も「円建て」であることだ。かつての輸出中心の時代とは異なり、連結決算の海外利益は、円に転換されてキャッシュが国内に戻ってくるわけではない。海外の利益を円に換算した際の「見た目」が実態以上に良くなっているという側面もある。
だが、今後も日本円の劣化が止まらないとすれば、海外の事業が好調な日本企業などの円建ての収益はさらに大きく伸び、それに伴って円建ての株価も大きく上がっていくことになる。日経平均株価の3万8915円を抜いて、過去最高値を付けるのも時間の問題だろう。だが忘れてはいけないのは当時の3万8915円と今の3万8915円は同じ価値ではないということだ。

 

 

 

本当に来年に日経平均株価が5万ぐらいまで上昇するのであれば、2年ほどで株価指数が2倍ぐらいになるということなのだから、これではもうアルゼンチンやトルコのように、ハイパーインフレによる著しい現金の価値低下を恐れてパニック的に株を買っている状態に等しいことになる。

つまり、日本は近いうちにハイパーインフレになるということなのだろうか。

もしそうなのだとしたら、日本が行っているキャリー取引の資産が全て失われ、極度の円安になるといったことでもあるのか。

確かに三井住友DSアセットマネジメントの誰かが日本もアルゼンチンやトルコのように、ハイパーインフレ対策で株を買え、日経平均株価が近いうちに7万になるかもしれない、と言っていたが、それは妄言や買い煽りではなく、信頼できる情報に基づいて注意喚起していたというのだろうか。

日本がこれまでに通貨の暴落や財政破綻などがあり得なかったのは、家計金融資産2000兆円や32年連続で世界最大の対外純資産国といったことも根拠になっているはずだが、それらが何らかの理由で全て失われる可能性があると言っているのかもしれない。

それが何なのかということを考えると、ウクライナやイスラエルの戦費を日本が負担するということぐらいしか思い浮かばないが、自民党(特に岸田政権)であればそれぐらい平気でやってしまうのかもしれない。(勿論、与太話だが。)

 

【参考】
日経平均が2年で7万円を突破するシナリオCは、ハイパーインフレによる通貨下落をともなう株価急騰です。コロナ禍後の世界の株式市場では高水準のインフレと金融引き締めによる景気悪化懸念が重石となり、一部を除きパッとしない相場展開が続いています。そんな世界経済に吹き付ける逆風をものともせず抜群のパフォーマンスをたたき出しているのが、厳しい経済環境に苦しむアルゼンチンとトルコの株価指数です。

こういった議論になると、「日本を一緒くたにしてくれるな」という失礼なことを言う方が必ずあらわれます。しかし、そうしたことを言うのは「今日と変わらぬ明日がきっとくる」と信じて疑わない、一部の日本人だけではないでしょうか。例えば、近年のトルコの政府債務は対GDP比で約30~40%で推移しており、プライマリーバランス(様々な行政サービスを提供する経費を税収などでカバーできているかを示す指標)は2022年に黒字転換しています。
翻って日本に目を転じると、政府債務の対GDP比は200%を超え、少子高齢化による社会保障費の増加から、プライマリーバランスの黒字化はなかなか見通せない状況にあります。そんな日本がこれまで財政破綻を免れて借金に借金を重ねてこられたのは、デフレ下でゼロ金利が続いてきたことが主因と言っても過言ではないでしょう。

実は恐ろしい「日経平均7万円シナリオ」 | 三井住友DSアセットマネジメント (smd-am.co.jp)

 

【参考】
米国がリセッション(景気後退)に陥らない限り、円が「意味ある形で上昇に転じる」可能性は低いと、ドイツ銀行が9日の顧客向けリポートで指摘した。外国の債券や株式への資金流出規模が大きいことや、利上げに対する日本銀行の「漸進主義的」なアプローチを理由に挙げた。
日本政府と富裕層は円で資金を借り入れ、S&P500種株価指数や米国債などの国外資産に投資しており、20兆ドル(約3000兆円)規模のキャリー取引をしていると、リポートでは指摘。
インフレ期待が2%近辺で安定している限り、利益性が高いこのキャリー取引を混乱させないために、日銀が金融政策を急激に引き締めるインセンティブはほとんどないと続けた。
意味のある円上昇には「適切な」日銀の利上げサイクル、もしくはキャリートレードの巻き戻しが進んでいる証拠が必要だが、どちらも近い将来にはなさそうだと記した。

 

【参考】
ところで、先物は指数を基に算出した価格で清算されるが、株の現物を売買しているわけではない。にもかかわらず、先物が現物株の値動きに影響を及ぼすのはなぜだろうか。それは先物と現物株の双方を対象にした「裁定取引」と呼ばれる売買が行われるからである。
裁定取引は、先物の次のような仕組みに着目した取引だ。先物の価格は売買が膨らむと大きく動き、指数と乖離(かいり)する。しかし、取引の終了日には指数の始値を基に算出した価格で清算されるので、日経平均と先物の価格差はほぼなくなる。
そこで、日経平均と先物を比較して、先物の方が高ければ、先物を売り建て、日経平均の構成銘柄を全て買う。日経平均の方が高い場合は、日経平均の構成銘柄を全て空売りして、先物を買い建てる。これが裁定取引の具体的な内容だ。この取引では、先物の清算価格がいくらになっても、取引を始めた時点の差額が利益として手に入る。
例えば日経平均先物(12月物)の価格は、10月2日の取引開始時点では2万3320円。日経平均の始値は2万3294円で、先物の方が26円高かった。この時点で先物売り、現物買いの裁定取引を仕掛けたとしよう。下の表は3通りの試算結果だ。いずれもトータルの利益は2万6000円になっている。
この試算における取引の規模は、先物の売り建て2332万円と日経平均構成銘柄の買い持ち2329万4000円を足し合わせた4661万4000円。利益は2万6000円なので、利益率は2万6000円÷4661万4000円×100=約0.056%。確実に利益は出るものの、利幅は非常に小さい。
「手数料などの取引コストがかかれば消し飛んでしまう」(楽天証券経済研究所の窪田真之チーフ・ストラテジスト)。その上、日経平均の全構成銘柄の売買にも巨額の資金が必要になる。そのため、大半の投資家はこの取引には手が出ない。裁定取引を主に手掛けているのは、取引コストをかけずに巨額の資金を運用できる大手証券会社が中心だ。
システムによる売買で裁定取引のスピードも速くなっているので、先物と指数との乖離がすぐに縮まる。そのため、裁定取引の収益性は以前に比べてかなり小さくなっている」。大手証券会社の運用担当者はこう話す。
このように、海外投機筋などによる先物の売買は、証券会社が主に手掛ける裁定取引を介して間接的に日本の現物株の価格を動かしている。「現物株の空売りを禁止していて、裁定取引ができない国の株価指数先物は、指数と大きく乖離したままという状況が起きる。裁定取引によって指数と先物が大きく乖離せずに連動するのは、株式市場が効率的である証拠」(大手証券会社の運用担当者)