東日本大震災と令和6年能登半島地震は断層が連動したことで巨大地震になったと言われている。

つまり、巨大なエネルギーが発生したから連動したのではなく、連動したから巨大なエネルギーが発生したということらしい。(実際のところどうなのかは自分には分からないし、そもそもなぜ連動したのかについては説明されていない。)
今回の能登半島地震は流体が原因で起きたと一部で言われているが、「能登半島を壊滅させた『流体地震』次は茨城、福島、京都が危ない! 」というタイトルの記事がある。

この記事では全国の地下100カ所以上にそのような場所があると専門家が言っているが、なぜ「次は茨城、福島、京都」などと具体的に3つだけ名前を挙げて特に注意喚起しているのかは不明。


また、誘発地震というものがあるが、これは資源の採掘、ダムの建設、トンネルの掘進、地下への注水などで引き起こされることが多い。

近年、人為的な地震は増えていると言われているが、これは世界中で起きていることであり、日本だけは人為的な地震が一度もなかったとは言えないのかもしれない。
 

(豪雨によって地震が誘発されることもあるらしいが、豪雨で洪水が起き、その後で地震が起き、その地震によって火山活動が活発になるといった最悪の連鎖があるのかもしれない。)

 

 

【参考】
この地中の流体が地震を引き起こすケースは、今後も発生する可能性が十分ある。
「具体的には、茨城県と福島県の県境付近でも流体が地中に存在しており、東日本大震災以来、小さな揺れがずっと続いていますし、危険な活断層がその近くにあります。
京都府亀岡市付近も似たような状況ですね。しかしこれ以外にも、全国の地下100カ所以上に流体が溜まっていると推測されます。どこでも発生しうると考えるべきでしょう」

 

 

【参考】
東北大災害科学国際研究所の今村文彦所長は16日深夜、仙台市内で揺れに見舞われた。「下から、直下型の地震でかなり強かった。(11年前の)3月11日に匹敵するくらいの強さで、非常に長かった。かなり家の中が散乱している」と驚いていた。
政府の地震調査委員会の平田直委員長は、状況を確認しようとしたところで東京都内の自宅が停電した。「東京でも相当揺れた。かなり離れた地域でも、高層ビルは揺れたかも知れない」と語った。
京都大防災研究所の片尾浩准教授は「2分ほど前に発生したM6・1(震度5弱)の地震が、次の地震を誘発した可能性がある。今後、さらに大きな地震が連鎖する恐れがあり、揺れや津波に十分気をつけて欲しい」と注意を呼びかけた。

 


【参考】
東日本巨大地震についても隣接する震源域が連動して過去に例のない規模になったとの分析がある。
国の地震調査委員会は宮城県沖や宮城県沖東部、福島県沖、茨城県沖の4つの想定震源域が連動して巨大地震につながったとの見解を明らかにしている
同委員会によると、宮城県から茨城県沖にかけては最大M8.2を想定していた。宮城県沖地震が単独で起きればM7.5で、宮城県沖の東側と連動してもM8.0としていた。一方、福島県沖はM7.4、茨城県沖はM6.7~M7.2と予測。東日本巨大地震はそれよりもはるかに規模が大きく、いくつかの震源域が連動したと考える方が説明が付く。

 


【参考】
石川県能登地方で発生したマグニチュード(M)7・6の地震について、東北大の遠田晋次教授(地震学)は9日、能登半島北側の活断層帯が連動し、強い地震を引き起こしたとの見方を示した。今回の地震の規模は、この地域で3000~4000年の間隔で発生するものだったという。仙台市の東北大で開かれた報告会で概要を発表した。

 


【参考】

誘発地震
1 大規模な地震によって周辺の断層に負荷が加わることにより、最初の震源域とは離れた場所で発生する大規模な地震。広い意味では余震に含まれる。→双子地震
2 人間の活動によって引き起こされる地震。ダムの建設、トンネルの掘進、石油・天然ガス・鉱石の採掘、地下への注水などによって、岩盤や地下水に加わる圧力が変化することによって起こることがある。

出典 小学館

 

誘発地震

自然におきる自然地震と違って他の原因でおきる地震。世界各地で行っている開発や生産活動に伴っておきる地震や、巨大地震に誘発されて他の地域でおきる地震を、誘発地震という。巨大地震に誘発されておきる地震は余震との区別がつきにくい。ここではおもに人間の行為が引き金となって発生する誘発地震について述べる。
 誘発地震が最初に認識されたのは1962年、アメリカのコロラド州の米軍兵器工場で放射性廃液の始末のために約4000メートルもの井戸を掘って捨てたときだった。それまで地震がまったくなかったところに地震がおき始めた。多くはマグニチュード(M)4以下の小さな地震だったが、なかにはM5を超える地震もおきて地元では大きな騒ぎになった。その後、廃棄を止めると地震が減り、注入を再開したら地震が再発した。このため注入は中止されたが、それまでに注入した廃液は60万トンだった。震源は井戸から半径10キロメートルの範囲に広がり、震源の深さは10~20キロメートルに及んだ。これは井戸の深さの数倍であり、地下に入れた廃液が岩盤の割れ目を伝わって深いところにまで達し、そこで地震を引き起こしたのだと考えられている。
 このほか、インド、ザンビア、エジプトなど世界各地で新設されたダムの湛水(たんすい)後に地震がおきた例が知られている。1967年にインド西部でM6.5の地震がおきて、少なくとも180人が犠牲になった。これはコイナダムという巨大なダムをつくったことで引き起こされたと考えられている。ダムで貯水が始まったのは1962年で、それ以後、M4クラスの小さな地震がおき始めた。震源はダムの25キロメートル四方だけに限られ、周囲100キロメートル以内で地震がおきているのはここだけだった。またエジプトのアスワン・ハイ・ダムでは、貯水後20年近くたってからM5.6の地震がおきた。
 シェールガス採掘も地震を誘発している。2011年にアメリカのアーカンソー州で大規模な群発地震が発生したほか、2012年にはオハイオ州でも地震がおき、それぞれ採掘を一時中止する騒ぎになった。このほか天然ガス採掘が盛んなアメリカ内陸部のアーカンソー州、コロラド州、オクラホマ州、ニュー・メキシコ州、テキサス州で、2011年にはM3以上の地震が20世紀の平均の6倍にも増えた。こうした地震の増加は採掘の影響だと考えられている。
[島村英紀]
『島村英紀著『巨大地震はなぜ起きる――これだけは知っておこう』(2011・花伝社)』

 

誘発地震

ダムの貯水,深井戸への大量の水の注入,地下核実験など人間の行為が引金となって発生する地震。地殻の構造や応力などが地震が起こりうる状態に近くなっているとき,これら人為的作用がその発生を促進するため起こるものと考えられる。誘発地震は人工地震ではなく自然地震であり,その発生の時刻,場所などを制御することはできない。

 ダムによる誘発地震の例は少なくない。大きなダムを作って貯水を始めると,その付近に地震が多発し,まれにはマグニチュード6をこえる地震も起こり被害を生じることもある。地震が起こるのは貯水の初期から最高水位になるまでの間が多いが,満水後何年も続く例もある。この現象が最初に注目され,組織的な観測が行われたのは,アメリカのネバダ,アリゾナ州境に近いフーバー・ダムで,1936年から数年間にわたり年間数十ないし100回近くの地震が記録された。大きな被害を伴った例としては,インドのコイナ・ダムで67年12月10日のマグニチュード6.3の地震で180人の死者がでている。ギリシアのクレマスタ・ダム,中国広東省の新豊江ダムでも被害地震が起こっている。著名なダムとしては,タジキスタンのヌレーク・ダム,アフリカのローデシア,ザンビア国境のカリバ・ダム,エジプトのアスワン・ハイ・ダムなども多数の誘発地震を発生している。日本のダムでも近くに地震が発生した例はあるが,もともと地震の多い国なので,ダムの影響かどうか判定がむずかしい。

 水の注入による誘発地震としては,アメリカ,コロラド州デンバーの例が有名である。1962年に工場の廃液を処理するため3800mの深さの井戸に注入したところ,小地震が多発し,その後数年間,地震活動が断続した。ダムの貯水や水の注入による誘発地震は,地下の岩盤に浸入した水の圧力で岩の破壊強度(断層面の摩擦)が低下するためと考えられる。

 地下核実験はそれ自身が強い地震波を発生する人工地震であるが,同時に付近の断層が動いて地震となることがある。また核爆発の後,多数の余震が発生するが,これらはもちろん自然地震であり,核実験により誘発されたとみるべきものである。
執筆者:宇津 徳治

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」

 


【参考】
論文によると、世界中で最も多い人為的地震の原因は資源の採掘だ(271カ所の採掘現場周辺に多くの地震が集中している)。地中から資源を取り出すことによって安定性が失われ、あるとき突然に崩壊して地震が引き起こされる。
ダムの建設も167カ所で地震を引き起こしていた。しかもその規模は、数ある原因の中でも群を抜いて大きい。
2008年、中国四川省でマグニチュード7.9の地震によっておよそ8万人の死者・行方不明者が出た。研究者らは、この四川大地震は紫坪埔ダムに貯えられた3億2000万トンの水の重量が引き金になったと考えている。紫坪埔ダムの下には断層線が通っているのだ
米国の場合、人為的な地震は主に、近年多くの州で導入されている「水圧破砕法(フラッキング)」という石油・天然ガスの採掘が原因と言われている。米地質調査所(USGS)によると、水圧破砕法が引き起こす地震には、直接的なものと、作業の過程で排出される廃水によるものがある。この廃水は再び地中に高圧で戻されるので、さらに奥深くにある岩盤の断層を滑りやすくしてしまう。
「長期的には、人為的な地震は世界中で増加していくでしょう。地球に影響を及ぼす事業の数と規模は増えていますから」とウィルソン氏は言う。実際のところ、2020年1月の時点でデータベースに登録された件数は1174にまで増えている。
地面を掘り返したり、廃水を地中に注入したりすることをすぐにやめることはできないだろう。それでも、2008年の四川大地震のような大災害に対する備えを充実させることはできるとウィルソン氏は言う。
「フラッキングブーム」以前は、オクラホマの地震危険度は低かったことから、住民や環境保護団体はシェールガスやシェールオイルを産出する事業者の責任を追及するべく動き始めている。

資源採掘、ダムなどの人為的な地震は150年間で728件発生 – 八ッ場(やんば)あしたの会 (yamba-net.org)

 

 

 

【参考】

少し前まで、米国オクラホマ州で地震はまれだった。今やそうではない。2009年にはマグニチュード3以上の地震が20回あった。2008年以来、同州の地震活動は40倍に増えている。その原因は? Scienceに報告された研究によると、人間だ。この研究は地質学者がかねて疑ってきたことを確証した。つまり石油・ガス掘削企業による地下への水の廃棄が地震を引き起こすのである。
オクラホマ州では、地下から石油や天然ガスを抽出するのに伴って毎月何千tもの廃水が生じる。各社はこの廃水を井戸に注入して地下に捨てており、これが地下水圧を上げて断層にストレスを加える可能性がある。
「通常、地震はプレート運動によって自然に起こる」とコーネル大学(米国ニューヨーク州イサカ)の地球物理学者でこの研究論文の筆頭著者であるKatie Keranenは言う。「だが大量の水を地下に注入すると地震のサイクルに影響が生じ得ます」。
Keranenらは水文地質学モデルと地震活動データを組み合わせて解析し、オクラホマシティーの南東にある4つの廃水井戸が「ジョーンズ群発地震」の原因らしいと結論付けた。この群発地震は2008〜2013年に米国の中部と東部で発生した地震の20%を占める。研究チームはまた、廃水注入が井戸から30kmも離れた地点で地震を誘発したことを見いだした。その影響は従来の想定をはるかに超えていたのだ。
「誘発地震」という術語は採鉱やダム、地下核実験、廃水注入などによって引き起こされる地震を示すのに使われてきた。石油・天然ガスの採掘技術が広がり、廃水注入と地震を結び付ける研究結果が増えるにつれ、この用語は目を離せないものになりそうだ。

誘発地震 | Nature ダイジェスト | Nature Portfolio (natureasia.com)

 

 

【参考】

【ワシントン=共同】昨年5月にスペイン南東部の地方都市ロルカを中心に大きな被害が出たマグニチュード(M)5.1の地震は、長年の地下水くみ上げに伴う地盤沈下が引き起こした可能性が高いとする研究結果を、カナダやスペインのチームが22日付の英科学誌に発表した

この地震は深さ2~4キロと非常に浅い場所で断層が動いて被害が拡大した。チームはコンピューター解析で、局地的な地盤沈下によって地殻に異常なゆがみが生じていたことを確かめた。

高圧の水を地中に送り込む新型天然ガス「シェールガス」の採掘や二酸化炭素(CO2)を地中に貯留する手法など、新たな技術にも警鐘を鳴らす内容。チームは「地震が発生しやすい場所で地中に人為的な変化を与えると予想外の影響が出る」と指摘している

チームは、ロルカ南方の盆地の下にある帯水層を中心に、地下水位が1960年代から約250メートルも低下したことに着目。南側の地盤が沈下することで年々ゆがみがたまり、北側の地盤が乗り上がる逆断層型の地震が浅い場所で起きたとみられると結論づけた。

地震は2011年5月11日に発生。チームによると、建物が倒壊して100人以上が負傷したほか、9人が死亡した。スペインでは1956年以来の被害規模とされる。

 

 

【参考】

 豪雨が地震の引き金を引く可能性がある。こうした事例を、フロリダ州にあるマイアミ大学のシモン・ウドウィンスキ(Shimon Wdowinski)氏は「災害の引き金を引く災害」と呼んでいる。 ウドウィンスキ氏が最初に暴風雨と地震の関連に気付いたのは昨年のことだ。2010年初頭にハイチに壊滅的被害をもたらしたマグニチュード7.0の地震は、この地域が複数のハリケーンや熱帯暴風雨による豪雨被害を受けたわずか18カ月後のことだった。
 また別の例を挙げると、2009年にマグニチュード6.4の地震が台湾を襲ったが、それもこの地域が台風8号「モーラコット」により5日間で2.9メートルという降雨の被害を受けた7カ月後の出来事だ。
 分かりやすく例えるなら、「サンフランシスコの(年間の)平均降雨量の約5倍の雨が5日間で降ったことになる」と、ウドウィンスキ氏は12月9日、サンフランシスコで開催されたアメリカ地球物理学連合の秋季大会で説明した。

◆降雨による侵食が地震を誘発
 降雨と地震の関連を確認するため、ウドウィンスキ氏は台湾の過去50年分の地震と気象の記録を調べた。この地域は過去に何度も、深刻な暴風雨と地震の被害を受けている。
 すると、1999年に台湾で起きたマグニチュード7.6の地震の3年前にも、台風9号「ハーブ」によって2メートルという豪雨がもたらされていたことが分かった。
 ウドウィンスキ氏の分析によって、台湾の大地震(ここではマグニチュード6以上のものを指している)の大部分は、このような暴風雨から4年以内に起こっており、暴風雨の影響がなかった場合に比べて5倍の確率だということが明らかになった。
 降雨の重量が直接、地震の引き金を引いたというわけではない。直接の引き金は、その後に起こる侵食だ。これは、地滑りが後続の暴風雨によって少しずつ海へ押し流されて起こるものだ。
 その結果、下にある岩石の層の「負荷が少なくなり、断層が動きやすくなる。これは小さな変化だが、地震の引き金を引くには十分なようだ」
とウドウィンスキ氏は言う。
 ただし、本来ならば地震が起きないはずの地域で、台風のせいで地震が引き起こされるようなことはないとウドウィンスキ氏は付け加える。
「台風はただ(地震の)時期を決定するだけだ」とウドウィンスキ氏は言う。地震を引き起こす最大の要因は、プレートの緩やかな変動である。

◆ヒマラヤ山脈一帯のモンスーンも地震に関連

 別の研究グループが、ヒマラヤ山脈一帯でも同様の効果を確認している。ヒマラヤ山脈のインド側では、夏のモンスーンによって多量の降雨がある。
 ヒマラヤ山脈は、インドプレートが北側のユーラシアプレートに衝突して形成された巨大な断層帯だ。モンスーンが訪れると、インドの低地には大量の水が流れ込む、とカリフォルニア州パサデナのカリフォルニア工科大学の大学院生トーマス・アダー(Thomas Ader)氏は言う。
 この水分の非常な重さによって、インドプレートは圧力を受けてわずかにたわみ、その結果、プレートの端の部分がわずかに動くのだという。「大型の本を持って、真ん中のところで曲げたとしよう。端では、ページが1枚ごとに少しずつずれていこうとする」とアダー氏は言う。
 アジアの雨季には、プレートがたわむことで、プレートテクトニクスによる断層の負担の蓄積が相殺され、短期的に見て地震のリスクは低減する。だが冬にはこれが逆転する。低地が乾燥し、プレートのたわみが元に戻る。これによって、地震の発生率が上昇する。 今のところ、この研究を地震の予測に役立てるすべはない。
 それでもウドウィンスキ氏は電子メールによる補足説明の中で、「次に台湾中部にきわめて降雨量の多い台風が到来したら、その後は地震のリスクが高まるという一般的な予報を出すことは有益だろう」と書いている。