京アニの第一スタジオは主力スタッフが働いていて、資料、過去の作画等が保管されている「会社の核となる場所」。
去年から脅迫メールが届いていて第一スタジオには防犯カメラ4台、催涙スプレー、さすまたを置いて警戒していました。
それなのに読売新聞の2019年7月25日付の33面には「同社側は当初、玄関には専用のカードで出入りするシステムがあり、事件当日は会議のため朝から解除していた、と説明していたが、システム自体がなかったと訂正した。」という新たな情報が出ています。
「会社の核となる場所」が脅迫を受けていて、防犯カメラや催涙スプレーやさすまたなどで警戒していたのに昼間の出入りは誰でも自由にできていたというのではあまりにも不自然でしょう。
https://ja.wikipedia.org/wiki/京都アニメーション放火事件
https://togetter.com/li/1380476
読売新聞の記事には「第1スタジオの玄関は自動ドアで、昼間の業務時間帯は無施錠だったと明らかにした」とあります。
確かに、第1スタジオを正面から見ると自動ドアになっているように見えますが、「会社の核となる場所」の正面玄関が脅迫後の警戒状態になってからも無施錠だったというのは非常に考えにくいことです。
そして、正面玄関前にはポールとチェーンが設置してあり、その点からもいつでも出入り可能である状態には見えません。少なくとも、出入りがしづらい状態のように思います。
2015年5月5日撮影 Wikipediaより
この第1スタジオには正面玄関以外にも建物正面から向かって左側に従業員用と思われるもう一つの出入り口があることが分かります。推測の域を出ませんが、恐らく従業員は普段、この左側の出入り口を勝手口のように利用し、専用カードで出入りしていたのではないかと思います。
そしてよく見ると、出入り口の右側に専用カードを通せそうなセキュリティらしき物が映っているのが分かります。
実際には、やはり京アニの社長が当初説明していたように、普段は専用カードによるセキュリティが採られていて、正面玄関は恐らく通常は施錠されていたのではないかと思います。
事件当日はNHKの取材が午前11時に予定されていたので正面玄関は解除されていたのでしょう。
そして事件はそのNHKの取材の直前である午前10時30分頃に発生してしまいました。
もし本当に通常は正面玄関が施錠されていたのであれば、NHKの取材のせいで犯人が中に入れる状況を作ってしまったことになります。しかも、犯人が犯行に及んだのはなぜかその直前というタイミングでした。そのタイミングについては偶然だったのか情報が漏れていたのかは定かではありませんが、今回の事件はあまりにもNHK側に不審な点が多く、当事者としての十分な説明責任を果たしていないように思います。
吉田達裕ディレクターに関する記事の削除についても、何かしら不都合があったために削除したのでしょうから、これについても説明が必要ではないかと思います。
吉田達裕ディレクターが偶然、容疑者とみられる男を確保した様子を撮影したタイミングは事件直後であったのですが、このディレクターはこの比較的狭い路地で倒れている青葉真司をどの時点で犯人であることを知ったのかも気になるところです。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190718/k10011997311000.html
https://web.archive.org/web/20190718101344/https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20190718/2000017778.html
また、NHK 関西 NEWS WEBには遺留品と思われる物を何者が回収している場面が出ているのですが、この回収している人物が警察関係者のようにはとても見えません。これも含めて、さすがに今回の事件はNHK側が何の落ち度もなかったとシラを切ることはできないのではないでしょうか。
https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20190719/2000017823.html(既に削除されている)
上の場面が映っている映像
※追記
「スタジオ2階から命からがら逃げ出し、助かった京アニの社員の一人はこう話す。」
「会社は避難訓練もきちんとしており、防火態勢にも問題がなかったと思う。当日、テレビ撮影のクルーが来るとかで、普段は閉じられているシャッターが開いていたのは、事実。」
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190730-00000096-sasahi-soci&p=3
まず、この話は読売新聞に出ている記事と食い違いがあります。読売新聞ではシャッターは「昼間は常に開けていた」とあります。
この第1スタジオの2階から飛び降りて助かったという京アニの社員とされる人の証言ではシャッターは普段は閉じていたということですが、wikipediaの画像やストリートビューの画像などでは正面玄関のシャッターは開いています。
それらはたまたま来客があって開いていたのか、それとも普段から昼間の時間帯はシャッターは開いていて自動ドアの方の施錠がされていたのか、あるいは普段からシャッターも自動ドアの鍵もどちらも開いていたのか、その3つの内のいずれかということになると思います。
2018年2月撮影
通常、自動ドアの方にも鍵があり、シャッターが開いていたとしても自動ドアの鍵が閉まっていれば出入りはできないことになります。
ナブテスコ株式会社より
やはり推測ではあるのですが、昼間の時間帯はシャッターは開いていて自動ドアの方は施錠がされていたのではないかと思ってしまいます。
「いつもドアの前に鎖がしてあった記憶…」
そして「響け!ユーフォニアム2 聖地巡礼ポタリング」(2016年12月24日)というブログにはこのような記事があります。
「住宅街の真ん中にアパートのようにそびえる黄色い建物。過酷なアニメ制作の現場と言えど、ホワイト企業らしく日曜早朝は流石に人の気配はしませんでした。」
このブログに載っている第1スタジオの正面玄関と窓はシャッターが下りていますが、ブログ主によるとこの日は日曜日だったようです。
京アニのホームページを見ても土・日、年末年始は休日となっています。
https://minkara.carview.co.jp/userid/1650401/blog/39054927/ より転載
画像を見ての通り、正面玄関のシャッターが下りている時は窓の方もシャッターが下りています。
したがって、週刊朝日オンラインに出ている社員とされる人の話には非常に違和感があります。
つまり、正面玄関のシャッターが下りているのに窓のシャッターは開いているというのは通常やらないことだと思うのですが、この「社員」とされる人の話では普段からそういう状態になっていたかのように聞こえてしまいます。
就業時間中に窓のシャッターを閉めていたということは恐らくなかったはずです。
やはり、普段、シャッターは開いていたが自動ドアの施錠はされていた、という話になると不都合になる何者かが何らかの影響を及ぼして話が歪んでいるのかもしれません。
土・日や就業時間外のような、中に人がいない時にだけシャッターが下りていて、人がいる時はシャッターは開けていたのでしょう。
来客があった時、すぐに対応できるようにシャッターは開けてあるが自動ドアの鍵は閉まっていたと考えるのが最も自然なはずです。
犯人とされる青葉真司が京都入りしたのは事件の3日前の7月15日だと言われていますが、犯行に及んだのはNHKの取材がある18日でした。
しかも犯人はNHK取材予定時間の30分前というタイミングで第一スタジオに到着したために京アニのスタッフは犯人をNHKの取材と勘違いし、施錠してあった正面玄関の自動ドアの鍵を開けてしまったのかもしれません。
普通なら予定通りに来客があれば「あ、~が来ました」と言って施錠してある扉をその時に開けるということをやっているはずです。
どうもこの部分を関係者らは歪めているような気がします。
常識的に考えて、脅迫を受けていて警戒状態にあった最重要スタジオに「自動のガラス扉から誰でも出入りすることができた」とする産経の記事には無理があるはずです。
https://www.sankei.com/west/news/190731/wst1907310030-n1.html
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190730-00000096-sasahi-soci&p=1
普段、従業員はセキュリティのある従業員用の玄関から出入りしていたのであれば正面玄関が無施錠で誰でも出入りできるようになっていては従業員用の出入り口のセキュリティの意味がなくなってしまいます。
そこで後になってから「システム自体がなかった」という話に歪めたり、「玄関にはシャッターがついているが、昼間は常に開けていた」という話も桶田弁護士が「シャッターは常に開けていたとは言ったが自動ドアの鍵を常に開けていたとは言っていない。『無施錠』というのはシャッターが開いているという意味で言った」という言い訳ができるような話の仕方をしていると思います。
京アニは土・日、年末年始は休日。
京都アニメーションホームページより http://www.kyotoanimation.co.jp/recruit/guideline/2019/professional/