先月、パリティ・イノベーションズという「空中ディスプレイ」を開発している会社が、その量産化を始めたという日経のニュースを見ました。空中ディスプレイである「パリティミラー」はVRなどとは違い、ゴーグルが不要で、液晶ディスプレイなどの上に置くだけで映像を浮かび上がらせることができるという技術。それ自体は鏡のようなものなので、かなり応用範囲が広いと思います。「パリティミラー」自体は消費電力がゼロなので、元々の画像や映像を表示するディスプレイ側だけが電気を消耗することになります。そして音が出るわけでもなく、どんな物でも映すことができるので常時表示するタイプの用途に向いていると思います。常時表示するものとして向いているのはリアルタイムに必要になる情報でしょう。

個人的に思いついた使用例を書いてみようと思います。

 

・その1 スマホでの使用例
23cm四方、あるいは1cm x 5cmぐらいの小さい空中ディスプレイをメインのディスプレイとは別に配置し、全体を浮かび上がらせるのではなく、空中用のディスプレイも備えたスマホにするという使い方の方が実用性があるしコストも抑えられる。全体がただ浮かび上がってもしょうがない。
スマホに使うのだとしたら再生中の曲のタイトル、グラフィックイコライザー、ビジュアライゼーション、あるいは時刻、温湿度計、天気予報、株価、ニュースの表示としての利用法が現実的。恐らく横長にした方がやりやすい。その部分だけを表示しておく分にはそれほど消費電力もかからない。

 

・その2 ライトセーバー?
この技術は正面から見た時に平面として見えるらしい。これを4つほど配置して回転させることで立体に見せるということも、もしかしたら可能なのかもしれない。それができればスターウォーズのライトセーバーが可能になる。(長方形の紙を垂直に立て、上から見て十字状になるように配置し、回転させれば円柱になる。(しかし、回転させたとしても、どの角度から見てもそれが可能というわけではないのかもしれない。)
ライトセーバーが可能になれば剣道やフェンシングのような競技として応用できる。それらと違って剣が相手にぶつかるわけではないから誰にでもできるスポーツとして広まる可能性がある。この技術には当たり判定があるようだが、ライトセーバーでもそれが可能なのであれば実用化できるはず。ただし、これは実体が無いのだから当たってもすり抜けてしまう。そのため、当たった時に派手なエフェクトが発生したりセーバー自体が大きく変化したりしなければかっこ悪く見えてしまう。これを競技として使うならライトセーバー風の別の物として扱った方がいいのかもしれない。実際はただすり抜けているだけでも、視覚効果があることで当たったかのように錯覚させることができればそれでいい。音、グラフィックの変化、振動機能の3つがあればそれなりに使えるはず。

 

・その3 スノーグローブ(スノードーム)等の飾りもの

低消費電力で音も出ないのであれば飾りものにも向いている。

飾りであれば綺麗だと思ってもらえるものを表示しなければならない。スノーグローブ以外にも宇宙などを表示することも考えられる。複雑な機械時計のようなものや、からくり時計のような演出付きの時計としても実用性があって需要が見込める。画面切り替えボタンがあれば、1台で何種類も表示可能。

 

・その4 コンサート会場の演出

もし光の強さや焦点距離などによって浮かび上がる映像が奥に伸びるといったことが可能であればその場でしか体験できない表現を提供できる。(バックトゥザフューチャーpart2に出てくるサメが飛び出すような映像。)

コンサート会場は映画館のように観客の配置があらかじめ決まっていて正面からしか見ない状況であるので使えそうに思える。

これはホログラムである必要はない。