※一部訂正・追記
アメリカによるイランのカーグ島への空爆は、さらなる原油価格の高騰に繋がる可能性が高く、イランの報復で湾岸諸国のエネルギー施設が大規模な攻撃を受けることになるのかもしれない。(既に一部で発生)
UAEフジャイラで石油積載一部停止、無人機攻撃受け 主要輸出拠点 | ロイター
「イランのエネルギー施設が攻撃された場合、同国軍は中東に所在する米国関連の石油目標を攻撃すると警告した」と「革命防衛隊と関係のある組織」がメディアに語ったと報じられており、原油価格の高騰どころか、供給途絶に拍車がかかるおそれがある。
「カーグ島はイランの石油輸出の約90%を処理できるよう整備」されていると言われており、イランの生命線だという認識になっているが、実際は、イラン南部のオマーン湾に面するジャスク港(Bandar-e Jask)からホルムズ海峡を通過せずに石油を輸出することができ、ジャスクはイラン第二の重要な石油輸出拠点としての地位を確立しつつあると言われている。
イランにはカーグ島とジャスク港以外にも、バンダル・アッバース港やイマーム・ホメイニー港といった重要な港湾があるが、カーグ島やジャスク港でなければ超大型のタンカーを接岸できないため、これまでのところ、原油輸出の9割がカーグ島から出航しているらしい。
一部を除き、イラン本土の港は海の深さが十分ではなく、比較的小型の船舶でなければ利用できないようだ。
イランの石油輸出急所のハールク島を米軍が爆撃 佐世保基地配備の強襲揚陸艦が沖縄駐留の海兵隊を乗せてアラビア海に向け航行中【石川雅一のシュタインバッハ国際問題研究所】
現時点では紅海の封鎖には至っていないが、このままエスカレーションが続くと、いずれそうなるのではないかと言われている。
(しかし、紅海は「今も現地の交通は正常化していない」と言われており、燃料供給業者が契約を解除したり、紅海を避けるように助言されたりしている状況となっている。)
【参考】2026年3月15日の記事(一部抜粋)
攻撃によるリスクは
現時点でエネルギーインフラへの大きな被害は確認されていないものの、攻撃があれば原油市場の緊張を一段と高める。現時点でも生産に影響が生じ、ホルムズ海峡が事実上封鎖されている中で、原油価格はすでに40%余り急騰している。
カーグ島への空爆はイラン産原油の輸出を数週間から数カ月にわたり著しく寸断する。同国経済は戦争前から深刻な危機にあった。
カーグ島から輸出される石油の多くは中国向けだが、輸出が滞れば世界の原油価格がさらに跳ね上がり、米国を含む主要先進国でインフレを押し上げる恐れがある。中間選挙を控えたトランプ政権にとって、望ましくない状況だ。
さらにこの攻撃はイランの反撃対象を中東全域のエネルギーインフラに拡大させる可能性もある。革命防衛隊と関係のある組織が地元メディアに語ったとして、AFP通信が14日、報じたところによると、イランのエネルギー施設が攻撃された場合、同国軍は中東に所在する米国関連の石油目標を攻撃すると警告した。
https://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2026-03-14/TBWPFPT96OSH00
【参考】(一部抜粋)
イラン港湾海事局発行『2018年間報告書』によれば、現在、イランの海上輸送はバンダル・アッバース港(全海上輸送貨物に占める取扱比率53.87%)、及び、イマーム・ホメイニー港(同29.78%)に大きく依存している。その中で、ジャースク港の海上輸送貨物の取扱いは全体の1%に満たず、イラン国内でも小さな港である。しかし、ジャースク港は、ホルムズ海峡の外側に位置しており、仮にペルシャ湾内の軍事的緊張が高まった有事にも影響を受けずに輸出入することができる利点がある。イランが将来を見据えた上で、「ホルムズ和平案」(詳細は『中東かわら版』No.101)を提唱しつつも、ホルムズ海峡回避とも受け取れる手を同時に打っていることは、リスク分散を念頭に置いたイランの安全保障政策の多面性を示すようでもある。
https://www.meij.or.jp/kawara/2019_110.html
【参考】2026年3月12日の記事(一部抜粋)
まさにこうした事態に備えて建設された2本のパイプラインーーサウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)にそれぞれ1本ずつーーは、ホルムズ海峡を迂回(うかい)し、ペルシャ湾から世界市場へ大量の石油を輸送する唯一の手段となっている。
この2本のパイプラインはタンカーによる輸送量を代替することはできないが、さらに深刻な危機の発生を防いでいるほぼ唯一の存在だ。特にサウジは、1980年代初めにイラン・イラク戦争でペルシャ湾の海上輸送が脅かされた際に建設された、紅海のヤンブー港へのパイプラインを通じて、可能な限り多くの原油を輸送している。
(中略)
東西パイプラインは、ペルシャ湾を迂回し、サウジの輸出原油を欧米市場に近づける手段として考案された。
現在、サウジの石油輸出の大半はアジア向けとなっている。
もう1本のパイプラインが地域紛争に巻き込まれていなければ、もっと多くの石油が紅海経由で輸出できたかもしれない。1990年初め、イラクとサウジはイラクの原油をヤンブーまで輸送する大規模なパイプラインを開通させた。しかし7カ月後、イラクのサダム・フセイン大統領(当時)がクウェートに侵攻し、パイプラインは稼働しなかった。
マッコーリーのグローバルエネルギーストラテジスト、ビカス・ドゥイベディ氏によると、ヤンブーからの輸出量はこの1週間で日量200万バレル増加した。同氏は、9日時点でパイプラインの稼働率は50~60%だったと推定している。
UAEのパイプラインは、中国国有の中国石油天然気集団(CNPC)の子会社が一部建設し、アブダビのハブシャンからオマーン湾のフジャイラまで敷設されている。IEAによれば、輸送量は日量最大180万バレルで、開戦前にはすでに約110万バレルを輸送していたという。
ヤンブーとフジャイラの両港で原油の積み出しが急増している。ブラジルの国営石油会社ペトロブラスは、サウジがパイプライン経由で契約上の義務を果たしたと発表した。同社のCEOによれば、今の唯一の問題は輸送コストの増加だという。
分析会社スパルタ・コモディティーズによると、大まかな計算では、パイプライン経由の輸送量を加味しても、ペルシャ湾にはなお約1000万バレルが滞留すると見込まれる。スパルタのニール・クロスビー氏は「解決したのは問題の半分程度だ」と語った。
紅海とフジャイラでの原油積み出しは、ペルシャ湾よりは安全とはいえ、リスクがないわけではない。フジャイラ港は先週、ドローン(無人機)攻撃の試みで損傷を受け、これにより現地の一部の燃料供給業者が契約を解除した。
イエメンの親イラン武装勢力フーシ派は2024年に商船に対して数十回攻撃を仕掛けた。今回の戦争では攻撃していないが、英アンブリーの海上安全保障アナリストは、米国やイスラエルに関係する船舶に紅海を避けるよう助言している。
イラン自身も、ペルシャ湾を迂回してオマーン湾のジャスク港に至るパイプラインを建設した。ケプラーによると、週末に積載能力200万バレルの超大型タンカーが同港で原油を積み込んだ。21年以降、ジャスクから出航したタンカーはこれでようやく3隻目だ。
-0-
Copyright (c) 2026 Dow Jones & Co. Inc. All Rights Reserved.
【参考】2026年3月12日の記事(一部抜粋)
各海運会社はホルムズ海峡の長期封鎖に備えているが、紛争が終結した後も交通の回復には長い時間がかかる可能性がある。
アテネを拠点とし、液化天然ガス(LNG)を輸送するキャピタル・クリーン・エナジー・キャリアーズのジェリー・カロギラトス最高経営責任者(CEO)は、「時間がかかるだろう。われわれとしては敵対行為が止まるだけでなく、船舶への危険性が大幅に低減したと船主や乗組員が判断できなければならない」と説明。「紅海を考えてみてほしい。イランが支援するイエメンの武装勢力であるフーシ派は、6カ月前に攻撃を停止したが、今も現地の交通は正常化していない。全ては安全性を認識できるかにかかっており、われわれはまだそこからは程遠い」状況だと語った。
供給が打撃を受けたことにより、原油価格は一時的に1バレル=100ドルを超え、ガソリンの小売価格も上昇している。今も石油収入に大きく依存している湾岸地域の産油国は逆風を受け、行き場のない原油が積み上がる中で油田を閉鎖する困難な決断を迫られている。
サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコのアミン・ナセルCEOは10日、ホルムズ海峡の長期封鎖は「世界の石油市場に壊滅的な結果をもたらす」と述べ、世界経済を深刻に混乱させると警告した。
米国とイスラエルの爆撃作戦開始から2週目となる中、軍事面での対応に苦慮しているイランにとって、そうした結果は狙い通りだ。イランのアッバス・アラグチ外相は9日のソーシャルメディアへの投稿で、「史上最大の過ち作戦から9日が経過し、石油価格は2倍になり、全ての商品が急騰している」と指摘した。
IRGCの情報部門は国内の携帯電話利用者に一斉メッセージを送り、ホルムズ海峡の支配によって、イランが世界経済を動かす能力を得たと伝えている。事情に詳しい複数の関係者によると、その中でサウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、クウェート、イラク、そしてバーレーンは、日量約700万バレルの減産に踏み切っている。
国連の貿易機関によれば、戦争が始まる前の週には、ホルムズ海峡が世界の海上原油貿易の38%を扱っていた。サウジアラビアとUAEは、海峡を迂回(うかい)する代替パイプラインを通じた輸出を増やす取り組みに着手。だがサウジアラビアの場合、これは製油所向けの原油が転換されることを意味しており、その過程で精製燃料市場が逼迫(ひっぱく)している。
(中略)
ある当局者は、船舶が通過を試み始めれば、ホルムズ海峡はイランにとって「キルボックス(敵を一掃できる袋小路)」になる可能性があると述べた。
イランはホルムズ海峡の東側に位置し、航空や海上ドローン、対艦巡航ミサイル、そして機雷などの兵器で通過する船舶を脅かすことができる。また対艦ミサイルは移動式発射装置に搭載され、極めて近い距離から発射できるため、防御システムが手遅れになるまで検知できないことがあると当局者は述べている。
1980年代のイランとのいわゆるタンカー戦争以来、米国はペルシャ湾を出入りするタンカーを護衛してきた。だがイランは高速攻撃艇や無人の航空機および水上艇の兵器を強化しており、現在はこれらを使用してタンカーを遠隔で襲撃できるようになっている。
米軍は現在の紛争中にイラン海軍の60隻以上の艦艇を攻撃したと述べているが、軍事アナリストたちはイランが小型の有人および無人艇からなる「蚊の艦隊」の一部を保持できていると述べている。
米国やその同盟国は紅海において、イエメンの親イラン武装勢力フーシ派から船舶を保護した経験がある。だがホルムズ海峡で護衛作戦を実施する場合、その内容はこれまでの同様の作戦よりもはるかに困難となる。フーシ派は米軍やその空母に大きな圧力をかけ、米駆逐艦が米軍機を撃墜させた事例を含む多数の事故を引き起こした。
軍事および海運業界のアナリストによると、ペルシャ湾での軍事護衛は困難かつ危険であることに加え、一度にごく少数の船舶しか通過させることができない。ハドソン研究所のシニアフェローで、米海軍を監督する複数の役職を務めた元国防総省当局者のブライアン・クラーク氏は、ホルムズ海峡が非常に狭い点に言及。米国や他の軍関係者は攻撃を受けた場合、対応する時間がほとんどないとした。
ホルムズ海峡ではイランの海岸や近くの小さな島からの脅威に対応するため、各タンカーは2隻の軍艦による護衛が必要になることも考えられる。クラーク氏は「海岸線に非常に近いため、これらのドローンがすぐ頭上に来るまで数秒しかない」とし、「これによって、必要となる船の数が増える」と述べた。
ダン・ケイン米統合参謀本部議長は10日、任務を与えられれば軍は護衛を実施するための部隊を配置するとしている。
-0-
Copyright (c) 2026 Dow Jones & Co. Inc. All Rights Reserved.
イランに派遣された第31海兵遠征部隊は「上陸作戦や船舶臨検、限定的地上作戦にも対応可能」とのことであり、もしかしたら状況によっては地上部隊として投入されるのかもしれない。
一部では第31海兵遠征部隊の派遣は、カーグ島を掌握する狙いがあるとも言われている。
【参考】2026年3月14日の記事(一部抜粋)
カーグ島ではエネルギー施設ではなく軍事拠点のみが攻撃された。これはイランに対する警告射撃の意味合いがあり、米国が将来的に同国のエネルギーインフラの一部を標的にする可能性を示唆するものだ。トランプ氏はこれまでエネルギーインフラへの攻撃は避けてきた。
カーグ島はイラン本土沖、ペルシャ湾の奥深くに位置する。同島に接続する石油パイプラインはイランのエネルギー輸出の大部分を扱っており、同国経済にとって極めて重要だ。
海洋戦略センターのスティーブン・ウィルズ氏は、カーグ島はイランの石油輸出の約90%を処理できるよう整備されており、同島が占拠または破壊されれば「理論上、イランの石油輸出能力の大部分を奪いかねない。これがイランの生命線だ」と述べた。
ただし、カーグ島への攻撃は賭けでもある。エネルギーアナリストは、島の民間インフラを攻撃したり占拠したりすれば、原油価格がさらに急騰する恐れがあると警告している。
トランプ政権や各国政府がエネルギー価格の高騰を抑えようとする取り組みは、これまでのところ大きな効果を上げていない。アジアでは調理用ガスや自動車燃料の不足が深刻化している。米国ではガソリン価格がすでに約2年ぶりの高水準に達している。
北海ブレント原油は2営業日連続で1バレル=100ドルを上回り、3年超ぶりの高値で引けた。一方、米ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)原油先物も2022年7月以来の高値圏で終了した。ホルムズ海峡は事実上封鎖され、数百万バレルの原油がペルシャ湾に滞留している。
米国はまた、日本から第31海兵遠征部隊を中東へ派遣している。到着まで少なくとも1週間かかる見通しだ。同部隊は最大2400人の兵力を持ち、強襲揚陸艦「トリポリ」には戦闘機F35、輸送機V22オスプレイ、ヘリコプターから成る航空部隊が搭載されている。
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は米当局者2人の話として、国防総省が海兵隊と軍艦を中東に追加派遣していると報じた。
https://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2026-03-13/TBUIDKKIUPVM00
【参考】2026年3月14日の記事
米国防総省は、イラン情勢の緊迫化を受け、長崎・佐世保を母港とする強襲揚陸艦「トリポリ」と海兵隊約2500人を中東へ追加派遣する。沖縄キャンプ・ハンセンを拠点とする「第31海兵遠征部隊(31MEU)」が中心となり、上陸作戦や船舶臨検、限定的地上作戦にも対応可能だ。ホルムズ海峡の緊張が高まる中、日本のエネルギー安全保障への影響は極めて大きい。同時に、日本に駐留する米軍はインド太平洋だけでなく中東など別の戦域にも迅速に展開できる「グローバル即応部隊」として機能している。この現実は十分に理解されているだろうか。
米メディアによると、米軍は日本を拠点とする水陸両用即応群と海兵隊部隊を中東に派遣する。中心は佐世保基地配備の強襲揚陸艦「トリポリ」で、揚陸輸送ドック艦「ニューオーリンズ」「サンディエゴ」とともに展開する。トリポリは垂直離着陸が可能なステルス戦闘機F35Bを運用する。第31海兵遠征部隊は沖縄拠点の即応部隊で、上陸作戦や船舶臨検、限定的地上作戦にも対応できる。トリポリとニューオーリンズは9日までフィリピン海で活動し、日米共同演習「アイアン・フィスト」に参加していた。
背景には、イランによる船舶攻撃で緊張が高まるホルムズ海峡がある。日本が輸入する原油の大半が通過するため、航行リスクの高まりは日本経済にも直結する。同時に、米国は韓国から地上配備型迎撃ミサイル「THAAD」の一部を中東に移転する動きを見せている。
これらの展開は、日本に配備された米軍が東アジア防衛だけでなく、世界の別の戦域にも迅速に展開する「前方展開戦力」として機能している現実を浮き彫りにする。中東情勢の悪化は遠方の問題に見えるが、日本のエネルギー安全保障と在日米軍基地の役割が密接に結びつくことを示しており、国内外での準備と情報収集が急務となっている。
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/cb324d23d6e99c118636f7e49db497f6bea6feba
【参考】2026年3月15日の記事
米軍による攻撃の標的となったペルシャ湾の石油積み出し拠点カーグ島は、イラン経済が長年依存してきた「石油輸出の蛇口」(国営企業関係者)だ。トランプ米大統領は「イランの至宝」と表現。戦略的要衝を掌握する選択肢も視野に入れているとの見方もある。
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1795279
以下の記事によれば、「イラン産原油はほぼ通常通りのペースで同海峡を通過し続けている」とのことだが、今回のカーグ島への空爆と第31海兵遠征部隊などの派遣によって、それは困難になるのかもしれない。
アメリカはベネズエラに対しては海上封鎖措置によってタンカーを拿捕していたが、イランにはそのような軍事作戦を行っていない。
もしそのようなことをすれば、イランは「ホルムズ海峡を通過する船舶への攻撃激化を招く可能性がある」ため、ベネズエラの時とは全く事情が異なっているようだ。
(仮にイランがホルムズ海峡に5,000~6,000発もの機雷を敷設し、完全に封鎖したとしても、イランには「ペルシャ湾を迂回してオマーン湾のジャスク港に至るパイプライン」があるため、ホルムズ海峡を通過せずとも、ある程度は原油を輸出することができる。)
【参考】2026年3月12日の記事
イラン産原油のホルムズ海峡通過、ほぼ通常通り 周辺国の輸出停止でも
[ニューヨーク/ロンドン/ヒューストン 11日 ロイター] - エネルギー輸送の要衝、ホルムズ海峡における船舶への攻撃によって湾岸諸国の原油輸出が打撃を受ける中、イラン産原油はほぼ通常通りのペースで同海峡を通過し続けていることが、ロイターが分析したタンカー追跡データで分かった。
欧米の制裁対象国から石油・ガスを輸送する「シャドーフリート(影の船団)」を追跡するタンカートラッカーズ・ドットコムの分析によると、イランはイスラエルと米国による攻撃が2月28日に始まって以降、約1370万バレルの原油を輸出している。
また、船舶追跡サービスKplerは、3月1─11日のイランの輸出量をさらに高い約1650万バレルと推定している。
両社のデータによると、2月28日─3月11日の輸出は日量110万─150万バレル。Kplerによると、昨年の輸出は平均で日量169万バレルだったことから、ほぼ同程度のペースとなっている。
イランが輸出を継続できている状況は、米軍がベネズエラで展開した軍事作戦時と対照的だ。米国は当時、ベネズエラに海上封鎖措置を講じ、同国に出入港するタンカーを拿捕していた。
コンサルティング会社ブラックストーン・コンプライアンス・サービスのデービッド・タネンバウム取締役は「ベネズエラ関連船舶の拿捕に成功した実績があるにもかかわらず、米国が今回の紛争開始前に同様の作戦を開始せず、現時点で実施していないことに驚いている」と述べた。
しかし、ネクスト・バレルの石油・海運アナリスト、マティアス・トグニ氏は、米国がイラン関連タンカーの航行を阻止すれば、ホルムズ海峡を通過する船舶への攻撃激化を招く可能性があると指摘した。
https://jp.reuters.com/markets/commodities/6ZB4IZXHGFMSRD2YCPLTPUGBKA-2026-03-11/
【参考】2026年3月12日の記事
【イスタンブール時事】イランは米イスラエルの激しい攻撃への対抗手段として、シーレーン(海上交通路)の要衝ホルムズ海峡で、原油や液化天然ガス(LNG)輸送の妨害を強めている。原油価格の高騰を通じて世界経済への悪影響を招き、米国などへの停戦圧力を強める狙いだ。エネルギー輸送の阻害を「武器」にして徹底抗戦するイランの戦略に世界が翻弄(ほんろう)され、混乱は日増しに深刻化している。
「1バレル=200ドルになるのを覚悟せよ。原油価格は地域の安定が前提だが、おまえらがそれを不安定化させた」。イランのメディアによれば、イラン軍報道官は11日、米国を強くけん制した。原油高騰に敏感なトランプ政権を揺さぶり、厭戦(えんせん)機運を高めたい思惑が透ける。
イランはホルムズ海峡を事実上封鎖し、11、12両日もペルシャ湾内に残る船舶に対して精鋭軍事組織「革命防衛隊」によるとみられる攻撃が続いた。海峡の通航にはイランの許可が必要とした上で、「米イスラエルの攻撃が続く限り原油1リットルたりとも中東から輸出させない」と強気だ。現在は、制裁下でイラン産原油の主要購入元となっていた中国向けなど一部しか通過できていないもようだ。
ロイター通信は、イランがホルムズ海峡で既に十数発の機雷を敷設したと伝えた。米国防総省の国防情報局(DIA)の報告書によると、イランは2025年時点の推計で、船体に磁力で吸着させる型などの機雷約6000発を保有。国際的な批判を無視して大規模な機雷敷設に踏み切れば、石油タンカーなどの航行は一段と困難になる恐れがある。
イランは周辺諸国の原油・天然ガス関連施設も巻き込む形で報復を続けてきたが、米イスラエルとの軍事力の差で劣勢は否めない。ミサイル関連施設などが打撃を受ける中、米イスラエルに限らず世界的に影響が甚大なエネルギー輸送に反撃対象の重点を移している可能性もある。(了)
[時事通信社]
【参考】2026年3月5日の記事
[4日 ロイター] - 情報機関筋や軍事アナリストによると、イランの無人機(ドローン)攻撃はホルムズ海峡を通過する航行を数カ月間混乱させる可能性があるだろうが、イランがミサイルの集中砲火をどのくらいの期間持続できるかは判断しにくいという。
米国とイスラエルが2月28日にイランへの攻撃を開始して以降、イランは米国の同盟国の湾岸諸国に数百発のミサイルと1000機以上のドローンを発射した。その大半は防空システムによって迎撃されたが一部の住宅、商業ビル、インフラ、米軍基地に被害が出ている。
<巨大なドローン製造国>
英外務省が資金提供する民間非営利団体(NPO)の研究グループ「情報レジリエンス・センター(CIR)」によると、イランは主要なドローン製造国で、1カ月当たり約1万機の生産能力がある。
ミサイルの在庫規模は不明で、イスラエル軍の2500発から他のアナリストによる約6000発まで推定値に幅がある。イランの武器庫にどれだけ在庫が残っているかが戦争の行方を決定づける重要な要因となり得るだろう。
イランとオマーンの間の狭い要衝であり、世界の原油・液化天然ガス(LNG)輸送のうち5分の1が通過するホルムズ海峡の封鎖はイランの主要目標の一つとなっており、イランが6隻の船舶を攻撃したことで航行はほぼ停止状態にある。
ラピダン・エネルギー・グループのボブ・マクナリー社長は「米国はホルムズ海峡を脅かすイランの弾薬庫、軍事基地、軍事施設に対する攻撃を優先している。しかし、イランは数隻のタンカーを攻撃しさえすればいいだけで、後は懸念がひとりでに広がり、人々は(ホルムズ海峡を)通過しようとしなくなる」と述べた。
<ミサイル供給が弱点>
英秘密情報局(MI6)のある元局長によると、戦略ミサイルの供給がイランの弱点となっているという。
この元局長はバーレーン、クウェート、サウジアラビア、カタール、オマーン、アラブ首長国連邦(UAE)で構成する湾岸協力会議(GCC)の加盟国に言及しつつ「ロシアは補充できる余裕がなく中国も極めて慎重になるだろう。もしも中国がイランに本格的な軍事装備をいくらかでも実際に提供していると明らかになれば、GCC加盟国との関係が極めて悪化することになるからだ」と指摘した。
別の欧米情報筋によると、イランはこれまでにレバノンの親イラン民兵組織ヒズボラやイエメンの親イラン武装組織フーシ派にミサイルを供給してきたため、国内の在庫が低下しているかもしれないという。
イスラエル軍情報部によると、イランの在庫はまた昨年6月の「12日間戦争」でも減少しているが、その後一部が補充されたという。
さらに重大な制約となっているのはミサイルの発射台の不足だろう。CIRの調査によると、発射台の数は米国とイスラエルの空爆のためにこの1年間で少なくとも半分に減り、この5日間の攻撃でさらに減少したという。
しかし、こうした事情にもかかわらず、イランはドローンを用いて戦闘を継続できる可能性が高い。ワシントン近東政策研究所の上級研究員のファルジン・ナディミ氏によると、イラン製の最新世代ドローン「シャヘド136」は航続距離が700―1000キロに達し、イラン本土や艦船から発射すればペルシャ湾南岸のどこにでも十分に到達できるという。
CIRのあるアナリストは、イラン製ドローンの多くが軍民両用の工場で生産されており、増産のために他の施設を転用できるだろうと述べた。
こうしたドローンは湾岸諸国の防空システムに侵入できており、今回の紛争が始まってから65機のドローンがUAEに侵入しアマゾンのデータセンター、ドバイ国際空港、フェアモント・ホテルを攻撃した。
バーレーンはインフラ、米海軍基地、ホテルやマンションが入る高層ビルがドローンのために物理的被害を受けた。
<機雷が混乱を長期化させる可能性>
ホルムズ海峡の混乱がいつまで続くかが数日以内にはっきりすれば、原油価格は一段と急騰するのではないかとトレーダーは身構えている。
世界的な商品取引会社ビトルのある幹部は「非常に懸念している。原油市場は現在このリスクを過小評価している」と述べた。「有力な説によると、イランはまず旧式のミサイルやドローンを活用して(敵側の)防空網を消耗させている。もしもその通りならば、イランの反撃は実際にまだ始まっていないのだ」
もしもミサイルやドローンの在庫が尽き始めたとしても、イランは機雷を配備できるだろう。海上リスク情報企業ドライアド・グローバルによると、イランは5000個から6000個の機雷の在庫を保有している。
こうした機雷は海底係留型、ロケット推進型、海中漂流型があり、船舶が接触すると爆発する。アナリストは機雷がホルムズ海峡に敷設された兆候は現時点でないと述べた。
海上情報・安全保障業務を専門とするコンロール・リスクスのディレクター、コーマック・マッカリー氏は「もしも機雷が敷設されれば処理に長時間かかる。その時こそ、われわれは数カ月間の物流の停止を目の当たりにするだろう」と話した。
https://jp.reuters.com/markets/global-markets/ZTSCEQRVHZLT5DJJ4ZTGSGUJNE-2026-03-05/
AI による概要
イラン南部、オマーン湾に面するジャスク港(Bandar-e Jask)は、ホルムズ海峡を通過せずに石油を輸出する戦略的要衝です Weblio辞書,。2019年頃より、ペルシャ湾のGorehから同港まで約1,000kmに及ぶ原油パイプラインの敷設と、大規模な石油輸出ターミナル建設プロジェクトが進められています。
主なポイント
-
場所: イラン南東部のオマーン湾沿岸に位置する小港。
-
戦略的意味: ホルムズ海峡のボトルネックを回避し、インド洋側から直接原油を積み出せるため、安全保障上の重要性が非常に高い。
-
インフラ整備: 2019年より、ブーシェフル州のゴレー(Goreh)からジャスク港へ原油を運ぶパイプライン敷設プロジェクトが始動。
-
目的: 米国の制裁下においても安定した石油輸出経路を確保し、ペルシャ湾封鎖リスクに備える。
このプロジェクトにより、ジャスクはイラン第二の重要な石油輸出拠点としての地位を確立しつつあります。
※AIによればジャスク港からの輸出可能な原油量は日量100万バレルとのことだが、「ケプラーによると、週末に積載能力200万バレルの超大型タンカーが同港で原油を積み込んだ」という報道もあるため、実際のところジャスク港は、かなりの輸出が可能なのかもしれない。
AI(Gemini)の回答
イランがホルムズ海峡を完全に封鎖したと仮定した場合、ジャスク港から輸出可能な原油量は、現在の設備能力に基づくと日量約100万バレルが上限となります。
この港と、そこへ繋がる「ゴレ・ジャスク・パイプライン(全長約1,000km)」は、まさにホルムズ海峡の地政学的リスクを回避するために建設されたものです。
現状のポイントは以下の通りです:
-
輸出能力: パイプラインと港の設計上の最大能力は日量100万バレルです。
-
現状: 2021年に運用を開始しましたが、現時点ではまだフル稼働の状態ではなく、設備の一部(貯蔵タンクや追加の係留施設など)が完全に完成しているかについては議論があります。
-
イラン全体の輸出量との比較: イランの近年の原油輸出量は日量150万〜200万バレル程度と推定されているため、仮にジャスク港がフル稼働したとしても、現在の輸出量の半分から3分の2程度しかカバーできない計算になります。
結論として、5,000〜6,000発の機雷で海峡を封鎖した場合、イランは壊滅的な打撃は避けられるものの、輸出能力は平時の半分程度に制限される可能性が高いといえます。
※トランプ大統領はモジタバ・ハメネイ師が「生きていないとも聞いた」と述べており、姿を現さないのは顔を負傷したためだとしているヘグセス国防長官との認識と異なっている点がある。
【参考】2026年3月15日の記事
対イラン軍事作戦については「イランは合意を望んでいるが条件が十分ではない」として早期の終結を否定した。具体的な条件について言及を避けたが、イランの完全な核開発の放棄が含まれるべきだとの考えを示した。また新たな最高指導者モジタバ・ハメネイ師について「彼は生きていないとも聞いた」と主張する一方、「もしも生きているならば降伏すべきだ」と訴えた。
https://mainichi.jp/articles/20260315/k00/00m/030/011000c
・追記(2026/03/16)
【参考】2026年3月16日の記事
【カイロ時事】アラブ首長国連邦(UAE)東部フジャイラで14日、船舶への燃料積載作業の一部が停止した。ロイター通信が情報筋の話として伝えた。フジャイラでは同日、イランの無人機を迎撃した際に落下した破片の影響で火災が発生。現地からの映像では、大きな黒煙が2本立ち上っていた。
フジャイラはオマーン湾に面し、ホルムズ海峡を通過せずに燃料を輸出できる立地から、海峡封鎖の際の「迂回(うかい)ルート」としての役割もある。海峡を事実上封鎖しているイランには、フジャイラを標的にすることで「抜け道」を奪う狙いがあるとみられる。(了)
[時事通信社]
【参考】
https://journal.jogmec.go.jp/content/300521906.pdf
・追記(2026/03/22)
【参考】2026年3月21日の動画
イラン情勢対応のため、日本から出発したと見られる艦艇と海兵隊
長崎県佐世保に前方展開するアメリカ海軍の強襲揚陸艦トリポリ
沖縄を拠点とする第31海兵遠征部隊、31st MEU
日本にいるアメリカ軍の艦艇と海兵隊が、なぜ遠く離れた中東へ向かうのか
そもそも強襲揚陸艦とは何なのか
そしてトリポリと31st MEUは、どんな任務を担う部隊なのかについて解説したいと思います
https://www.youtube.com/watch?v=LX5hRKnwnzM


