とんとんとん。

誰かが僕の背中を叩いてくる。

あいつだ、あいつに違いない。

(まだ朝には早いぞ)

薄目を開けて見える外は、まだ真っ暗。

(とりあえず寝たふりしよう)

と思ったのを見透かされたかのような

絶妙なタイミングで

「とーたーん、お茶飲みたーい」

耳元でささやきかけてくる。

(もう一人いるのになー、なんで僕なの?)

こんな時は絶対に奥さんではなく

僕に言ってくる。

理由は明白。僕が息子に甘いからだ。

しかし3歳にして頼む相手を選ぶとは

賢い息子だ。(親バカ)




また寝たふりでやり過ごそうかとも思ったけど

(さっさとお茶飲ませて寝た方が絶対早い)

そう踏んだ僕は

眠い体をゆっくりと動かしてベッドの端に座ると

いつものように息子がおんぶされに来る。



背中で感じる息子の柔らかさ、温かさに幸せと

夜中に起こされた気だるさも

やっぱり感じつつ台所に。



息子を背中から降ろし

冷蔵庫から取り出したさんぴん茶をついだ

マグカップを渡そうとすると

「もっといっぱいついで」

と。



言われるままにお茶を少しつぎ足して

また渡そうとすると

今度は少々語気を強めて

「もっと!」と。


(やれやれ、どうせそんなに飲まんのじゃないの?ま、早く寝たいし、めいっぱいつごう)

今度はカップのふちぎりぎりまで

さんぴん茶を注ぐ。

「これでよかろー?」

息子はうなずき、やっとカップを受け取る。

(また寝れる)安堵する僕。



そして息子がお茶を飲み始める






なんと




ほんの一口しか飲まない。。





明らかに最初ついだ分すら
飲んでないやんけ!!





これにはさすがに僕も唖然として

「これだけしか飲まんならこんなに注がんでよかったやん」

という言葉が声帯付近まで到達した

と・こ・ろ・で

(待てよ!!)

頭に衝撃が走った。

言葉が空気の振動となることはなかった。



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(頭の中の独言開始)

「いっぱいついで」とは言ったけど、
「全部飲む」とは言ってないな。

もし僕が「本当にそんなに飲むと?」と
事前に確認してもどうせ「うん」と言うだろう。

だって息子は
「いっぱいついでほしかった」んだから。

息子はただ「たくさんついでほしかった」だけで
「その分飲みたかった」わけではなかったのだ。

いや仮に注いでもらっている時は「飲みた」かったとしても、飲んでみたらそんなにいらんかったのかもしれん。

とりあえずただただ「いっぱいついで」だったんだ。。

僕が勝手に
「いっぱいつぐなら、その分飲まんといかん」
と思い込んでただけだ!!

なんてこったい!!

(頭の中の独言終了)



暗い台所でそんなわけのわからんことを

考えている僕には目もくれず

目的を達した息子はさっさと

ベッドに向かっていた。




そして僕も

師匠にレクチャーを受けて

「お前はまだまだ頭が固いのう」

と言われたような

なんだかさわやかな気分を胸に

一人ベッドに向かったのだった。




しかし師匠、できれば夜中は

やめてくれませんかね。。



*残ったお茶は僕が美味しく頂きました。



おしまい。







こんな地味な修行を日々重ねている

僕のオープンカウンセリングが

明日那覇であります。

一緒に思い込みに気づいて

なんてこったい!!

ってなりましょう!




◆おすなりのオープンカウンセリング

日時:8月18日金曜日 14時から16時

場所:沖縄県男女共同参画センター

          てぃるる3F 研修室2



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