空前のバイクブーム時代に先を走り過ぎた店主。
1980年代の日本4大バイクメーカーは、世界中のバイク
メーカーをレースでも人気でも販売実績でも圧倒。ハーレー
やBMWなどの外車は一部マニアの金持ちが買う程度でした。
※草刈正雄氏は中学校の先輩。もちろん相手はそれを知らないww
二輪レースも盛んに行われ、草刈正雄主演の映画「汚れた英雄」
なども大ヒットし、バイクもレーサーレプリカと言われるフル
カウル付き高性能マシンが一般大衆によく売れた時代。
※元祖レーサーレプリカとも言われる初代ガンマ。
そんな1986年。私が3年落ち新古車の初代RG-250Γ
を買った店のベテラン整備士さんの話。契約も終わりバイク屋
さんに引き取りに行き、簡単な説明をしてくれたベテラン整備
士さんは知識も豊富で、人当たりも良く、会話も弾む人でした。
引き渡しが終わった最後に・・・
「私は今度、ここを辞めて独立して専門店を出します。」
と、そっと教えてくれました。
「へぇ~~~!で、なんの専門店なの?」
面白そうだから遊びに行こうかな?
「トライアンフ専門店です」
「え!(; ・`д・´) ナ、ナンダッテー!!」
イギリスのレトロバイクじゃないか・・・
日本のバイクが世界を圧倒し、しかもレーサーレプリカ全盛期時代
に、1950年代の英国でならかろうじてお店が生き残れるかも?
みたいな、かなりレアなクラシックバイク専門店を開業?
※その後トライアンフは一度潰れて再建してます。
戦前か大戦中に走っていた様な、古臭く武骨で正直ダサい
バイク専門店って、こりゃ潰れるな!とクソガキ(24歳)
の私でも判ったが、敢えて言葉にはしませんでした。
その後、独立開業した整備さんのお店の前を数回通りまし
たが、お店が繁盛している様子もなく、いつしかテナント
募集看板がかかってました。うーん!やっぱり潰れたか・・・
現代なら色んな海外メーカーもある一定の需要があるし、
せめてハーレーとかなら、まだ生き残れる可能性も1%ほど
あったかも知れないけど、あの時代に英国面に落ちるとは・・
今の時代で例えるなら、私が乗っている不人気ネタバイクの
アクロス専門ショップを開くみたいなものです。オーナーが
日本全体で100人いるか?いないか?みたいなバイクのお
店って商売として成り立たんわね。一体あの方はどこに需要
を見つけて独立しようと思ったのかな?トライアンフ好きで
趣味と実益を兼ねようとしたのかな?
余談です。
当時友人が乗っていたCB-R400F。今ならプレミアム価格が付いて
程度が良ければ300~500万します。(当時の新車価格54万)
よく一緒に走りに行ったが、私のガンマは2ストでオイルを飛ばし
ながら走るので、「お前は後ろに行け~!」とよく怒られました。