勝ちも負けもない世界 | 一条の光~ダブルストーマ(人工肛門・人口膀胱)と日常と

一条の光~ダブルストーマ(人工肛門・人口膀胱)と日常と

大腸がん治療のため骨盤内臓全摘術を受け、人工肛門と人口膀胱(ダブルストーマ)を持つことになった41男が、ストーマや日々のことをつづります。17年11月に局所再発が見つかり、現在そいつと向き合っています。

こんな夜を病院で過ごしています。またか、という感じです。
今回は1週間前に入院して、検査とドレーンの処置と膿み出しと経過観察を目的としていたので、その目的は達したので明日には退院の予定です。
結局、ドレーンから造影剤を流してそれが腸に行き着くか、といった検査もしたのですが、明らかに穴が空いていることを検出できませんでした。ただ現象としては腸液が廃液として出ているそうなので、どこかにやはりピンポールのような穴が開いているのだろうという診断です。
今後の方針は、ドレーンによって膿を出す → 脂肪や筋肉が空洞を埋めて腸管を塞ぐことを待つ →何かの注射?をして塞がるのを手助けする → それでもダメなら手術、という感じです。もう手術は勘弁なので、お尻やお腹に手を当てながら、塞がってくれー、と祈る毎日です。

一昨日は、緑色の、腐った卵よりもまだキツイ臭いのする膿が出ました。どうか膿の親玉であってくれー、と、これもまた祈り。

痛みは日によって違うし、時間によっても違います。原因となる場所も数カ所ある時もあって、もういちいち、どこが痛いとかどのくらい痛いとか考えるのも感じるのも面倒になりました。

一方で、これから先、続けて苦しいことがあっても、耐えていけるような気もしてきました。どんなに叩かれても叩かれても決して壊れない。あの世へ行ってしまったその先も決して壊れない。

人間はいずれは病に倒れたり命を落としたりするという意味で、勝ちというものはありませんが、心を澄ませてあるがままで居れば、負けというものもない。

こんな病気が何だ!好きなだけ俺のことを苦しめればいい。
どんなに痛めつけられてもその度に立ち上がり、より強く、より柔軟になってやる。
命が尽きるその先までも。