2022年8月のテーマ

「おうちにいよう(第二弾)」

 

第一回は、

『親子で楽しいアニメ映画』

でおすすめしたいと思います。

 

まず一つ目はこれ。

 

「ミラベルと魔法だらけの家」

2021年公開

 

 

 

 

アメリカのミュージカル・ファンタジー映画です。

ディズニーのオリジナル・ミュージカル・アニメ。

 

舞台は南米コロンビア。

ジャングルの奥地にある集落に"カシータ"と呼ばれる魔法の力を持った家があります。

"カシータ"は一言でいえば魔法の力で生きている家という感じ。

住人であるマドリガル家の人たちは、五歳の誕生日になると魔法の力を授かる魔法使いの一族です。

メンバー一人ずつ、授かる力は違っていて多種多様。

そんな中で一族に生まれたのに魔法を使えない少女が、主人公のミラベルです。

自分だけが家族と違うという劣等感を持ちながらも、自分にしかできないことをやればいい、やりたい、でも自分にしかできないことって何??と葛藤しつつ生きるミラベル。

そんな彼女が"カシータ"に起きている異変に気付き、その原因を探っていくというストーリーです。

 

「みにくいアヒルの子」をはじめとして、"家族の中で自分だけ違う"という劣等感を抱く主人公の物語は多いです。

そういった物語は、他者との比較をせず自分らしさを追求する中で主人公が成長し、独自の才能が花開くという展開がポピュラーなものかと思います。

そういうありきたりなストーリーをどんな風にアレンジしてあるか、という視点が少なからず入った状態で観たのですが、この作品はアレンジだけで終わっていませんでした。

 

私の感想としては当初予想していた"自分探し・自己実現"の物語ではなく、"栄枯盛衰・再構築"の物語のように感じました。

主人公はミラベルなんだけど、他の家族の葛藤なんかも垣間見られて、最終的には『家族』の物語になっています。

 

また、主人公がいい具合に積極的で、家族にたしなめられても"自分のやるべきことはこれ"と決めたことはやめずに行動します。その一方で"自分のやっていることは余計なことではないか"という怖れもあり、その表現のバランスが絶妙だと思います。よくこういう主題のアニメで見かけるのは、主人公がものすごく積極的で突っ走ったかと思うと大失敗してがくっと落ち込んで、励まされてまた突っ走って…みたいなジェットコースターのような展開の印象があります。

ですが、この作品ではそのジェットコースターの山が低い。

葛藤しつつ行動して、大失敗に至ってしまったときは急降下…というのはちょっと共感しやすい気がします。

 

付き合いで見始めたのに、最後の方は目が離せなくなっていた。そういう映画でした。

 

もう一つは

「KUBO クボ 日本の弦の秘密」

2016年公開

 

 

です。

 

この作品は、ストップモーションアニメの映画で、人形や小物を少しずつ動かして撮影を繰り返すというとても時間のかかる手法で撮影された映画です。

英国アカデミー賞 アニメ映画賞を受賞し、アメリカのアカデミー賞 アニメ映画賞と視覚効果賞にノミネートされました。

 

舞台は日本。

少年クボは三味線を奏でて折り紙を動かす不思議な力を持っています。三味線と折り紙を使って物語を語ることで生計を立てて病気の母を養っています。母の言いつけでクボは日暮れまでにうちに帰らねばならず、夜に出歩くことを禁止されていましたが、ある夜言いつけを破ってしまったために母を亡くして一人で生きていかなければならなくなります。

やがて母が言い残した三つの秘宝を求めてメスのサルと共に旅立ち、冒険の旅の中で自らの出自の秘密や父母の物語を知ることになります。

 

この作品は冒険活劇なので、アクションシーンもたくさんありますし、宝を求めて冒険するというストーリーも子供たちの興味をそそる内容だと思います。映像も美しく、日本の自然の描写も丁寧です。

でも何より、大人が観てもストーリーがいい。

むしろ大人が観た方が感動するかもしれません。

出生の秘密、という謎が明らかになることだけが感動ポイントなのではなくて、いろんな場面で切なさを感じ、美しさを感じ、日本人が感じる美学みたいなものがなんとなく感じ取れる気がするのです。

うまく説明できなくてすみません。

 

かといって、子供が観ても飽きないで楽しく観れる内容になっています。

必ずしも大人向けではない。むしろ子供向けの映画なんです。

ぜひおすすめしたい映画です。

 

第七波のピークはもう超えたのかもしれませんが、おうち生活を余儀なくされている方、お子さんとともに、または大人たちだけでも、少しでも楽しく過ごせるよう一助となれたならと思います。

おすすめいたします。(*^▽^*)