2022年7月のテーマ
「興味が広がるかもな児童書」
第二回は、
「MAPS 新・世界図絵」
アレクサンドラ・ミジェリンスカ & ダニエル・ミジェリンスキ 著、
2014年発行、徳間書店
です。
「ポーランドで人気の絵本作家夫妻が、世界の国々についてすみずみまで調べ上げ、まる3年かけて地図とイラストをかきました。」
MAPSのカバー見返しのところに書いてある紹介文の冒頭です。
この本は、世界の42か国の地図を収録してある大判の絵本です。
地図の中には、歴史的建造物や国を代表する湖、川、山脈、大きな街などの情報がイラストで書きこんであります。
それに加えて地図の周りにもその国にまつわるもののイラストがどっさり。
例えば、クロアチアの地図のページには、
・シュトゥルクリやオラヒニャチャといった食べ物
・オオバン、キタカワカマスなどの生き物
・コロ(フォークダンス)
・ブニャ(古代の石づくりの家)
・モレシュカというコールチュラ(町の名前)で演じられる剣の舞
などのクロアチアにまつわるいろんなもののイラストが国の周りいっぱいに描きこまれています。
その他に、首都、言語、人口、面積、が基本情報として国名の下に書いてあり、国旗のイラストと、その国の男の子と女の子のイラストの横にポピュラーな?名前が添えてあります。
クロアチアの場合は、ペトラ(女の子)とルカ(男の子)。
この子供たちのイラストと名前が個人的にはツボで、色々な国のを見てしまうのですが、日本だと太郎と花子(古い!)かなーとか思いながら見てみると、あきら(男の子)とみさき(女の子)。あれ?
2014年時点で人気の名前ランキングでそんなに上位だったような記憶もないし、太郎や花子もしくは一郎みたいな昔の日本人のポピュラーな名前というイメージのものでもないし、私としては不思議な感じがしますが、ポーランドの方からみると多い名前と感じたのかなーなんて、面白いです。
自分の思い込みもあるので、ギャップを感じるのは新鮮。
イギリスだとジャック(男の子)とジェーン(女の子)というのが私のイメージ。MAPSだとジャック(当たった!)とオリビア。
とかね。
地図を絵として見るというのがそもそも楽しいんだと思います。
イラストがまたデフォルメしすぎずリアルすぎずニュートラルな感じで、見やすくてかわいらしい。
大判なので絵本というよりは地図って感じです。
小さな子供さんは図鑑みたいな感覚でめくっているうちに地理の知識が身につくかもしれません。
大人も一緒に見てみて新たな発見がたくさんあると思います。
さっき書いたクロアチアのページの記述にしたって、
・シュトゥルクリやオラヒニャチャといった食べ物
って、言葉だけではどんな食べ物か全く想像がつきませんが、イラストが付いていると、スープみたいな煮込み料理っぽいなとか、パンみたいだなとか、大皿の肉料理みたいだなという風にちょっと想像できる部分があります。
細かい情報はネットを検索すればもっと詳しくわかると思いますが、そこまでやろうと思う前の興味を持つという段階で、イラストがあるとないとでは大違いだと思います。
私が持っているのは2014年出版のものだけですが、現在はMAPS 愛蔵版というのも出ているようです。新たに国が加わって、62か国分の地図が載っているそう。
大きい本なのでお値段も普通の絵本に比べるとお高めにはなりますが、一度手に取ってみていただきたい本です。
おすすめいたします。(*^▽^*)