さて、二月の閑話休題です。

 

2021年2月のテーマ

「名作!海外文学」

でおすすめしてまいりました。

 

昔は、THE文学作品!って感じの小説は敬遠しがちだったんですが、いつ頃からか食わず嫌いが治ったようで、今では海外文学に興味があります。

 

学生の頃、少し明治大正の文豪の作品を読みふけっていた時期がありますが、主人公の苦悩を描いたものが多いように感じられて、私にとっては『心地よい読書』ではありませんでした。

一方で人間の苦悩を描いた作品から得られるものは多くて、若い頃はそれはそれで達成感や満足感を得られていたのですが、年を取るにつれて自らの苦悩に加えて読書でも苦悩を感じることが負担になってきたので、だんだんと私小説の文学作品を読まなくなっていました。

 

それに代わって、というわけではないですが、海外文学を多く読むようになっていきました。

海外のものが主人公の苦悩と無縁のお話ばかりだというわけではないですが、基本的に舞台となっている世界が自分の知らない時代や場所なので、その世界のディテールを感じることが楽しみの一つだったりします。

その分、日本の作品を読むよりもプラスワン楽しみがあるわけで、ついつい海外の作品に走ってしまうのかもしれません。

 

今月おすすめした作品はどれも読書中や読後感にちょっとした成長や希望が感じられる作品です。

前向きな気持ち、やるせない寂しさ、自由への解放感…それぞれの作品で感じる気持ちは違うのだけれど、どれも私の中では「後味が悪くない本」という点で共通している本たちなのです。

あくまで私の感想なので、人によっては違うと思われる方もいらっしゃるでしょうが…。

 

そこから、少々強引ではありますが、今回のタイトル「気分が本選びに影響します」について書きたいと思います。

現在私には、基本的に「読まなくてはいけない本」「仕事に役に立つから読んでおいた方がいい本」というものが存在しません。

だから、「自分が読みたい本」を読むわけです。

 

「自分が読みたい本」を探す際には、『今の気分』がめちゃくちゃ影響してきます。

例えば、落ち込み気味のときには、暗い本は勘弁、気分が上がる本もしくは癒される本を求む!となります。

比較的やる気のある時には、かねてから読みたかった分厚い文学作品にガチで挑んでみたくなったりもします。

ちょっと叱咤激励が欲しい時は、ハウツー本や自己啓発本を軽く流し読み。

新しいことに挑戦したいときは、いつも手に取らないジャンルの本でピンとくるものを探したりします。

 

昔は手当たり次第に読んでみたりもしていましたが、今や時間が限られているので、そんな効率の悪いことはしたくないという気持ちが強いです。

気分で選ぶ、というのは一見良いようにも思えるのですが、デメリットもあります。

先月の閑話休題でも書いたのですが、どうしても選び方に偏りが出てしまって、興味のないことに目がいかなくなってしまっていると感じます。

また、そのせいで、「かねてから読みたいと思っているのにとんとご縁がない本」というものがあります。

要するに、読みたい本リストには長年名を連ねているのに、読みたい気分の時に探しても見つからないのでまた今度、を繰り返している本たちです。

読みたいと思ったときに買って読めばいいのですが、今の私はほとんど本を買いません。図書館で借りて読むのが基本です。

単純にお金がかかってしまうからなのですが、買ってまで急いで読みたい本、というのがあまりないというのもあります。

常に読みたい本が複数あるので。

つまり、読みたい気分の時に図書館で探しても借りられていて、ない。

を繰り返していて、なかなかご縁がないわけです。

一例をあげると、メルヴィルの「白鯨」。長編探偵小説の草分けとされる「月長石」などがそうです。

「月長石」の方は、近所の図書館には置いていないようなので、大きな図書館に行ったときにしか探せていないのですが、「白鯨」は読もうと思って探すと上中下の上巻だけなかったりする。

 

かといって、気分に合わない時に読もうとしても楽しくないので、ご縁のない本にはいつかタイミングの合う時が来ると信じて過ごしています。

楽しみのための読書は、無理にするものではないですよね。

やっぱり今の気分を大事に、選書したいと思います。

 

さて、来月は、

2021年3月のテーマ

「和製ファンタジー」(第二弾)

でおすすめしていきたいと思います。

 

ファンタジーの海もまた広いのです。

懐かしの漫画なんかも書きたいなーと思っています。

ご興味ありましたら、のぞいて行っていただけると幸いです。(*^▽^*)