2020年7月のテーマ

ちょっと古典文学

第一回は、

「ルパン対ホームズ」

モーリス・ルブラン 作、平岡敦 訳

ハヤカワ・ミステリ文庫 発行年未確認

 

です。

 

ご存じ、怪盗アルセーヌ・ルパンシリーズの作者、モーリス・ルブランが有名な名探偵ホームズとルパンを共演させてしまった作品で、1908年に単行本が発売されました。

「金髪の美女」、「ユダヤのランプ」の中編を二つ合わせた作品集で、「ユダヤのランプ」はもともとは連載されていた作品でした。

シャーロック・ホームズといえばコナン・ドイルが生んだイギリスの名探偵。

ドイルと同時代人のルブランは、ドイルに無断で自分の作品にホームズを登場させ、それを知ったドイルから抗議を受けたそうです。

結果、初めはシャーロック・ホームズの名で登場したイギリスの名探偵はエルロック・ショルムスと名前が変更されました。

実はこの名前、英語のシャーロック・ホームズのつづりを並べ替えたアナグラム。

誰が読んでもホームズってバレバレ。ワトソンも別名で登場しますしね。

 

そこで現在ではもともとの作者の意図を反映した「ルパン対ホームズ」という作品として世に知られているというわけです。

生粋のホームズファンからすると、本家ドイルの描いたホームズとの違和感みたいなものを感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、世紀の怪盗と世界に名だたる名探偵の知恵比べはやっぱりワクワクします。

 

この作品の中で、ルパンの年齢は大体20代後半くらい?で、ホームズの方は探偵として脂の乗り切った40代くらい?と推測されます。

ルパンのほうは若いが故の大胆さが感じられますし、ホームズの方は熟練の探偵といった落ち着きが見られます。

 

今、日本国民ならだれでも名前を知っている名探偵コナンは、シャーロック・ホームズをリスペクトした作品としても知られていると思いますが、コナンの中での怪盗キッドとコナンの知恵比べに胸躍る方も多いのではないかと思います。

その源流が、この作品。

 

というわけで、一度読んでみることをおすすめします。

 

ちなみに私が初めて読んだ「ルパン対ホームズ」は、こちら。

 

 
 

 

ルパンのシリーズを読んでいて、初めてドイル作品ではないシャーロック・ホームズ登場作があることを知りました。

今回冒頭でご紹介したのは、わりと最近読んだ「ルパン対ホームズ」です。

初読の本は読んだのが昔過ぎたのと、全集の中の一冊でハードカバーなので、文庫のほうがみつけやすいと思います。

でも、ルパンに興味がある方は、ぜひこちらの全集を、どうぞ。

 

どちらもおすすめですよ。(*^▽^*)