2020年6月のテーマ

おうちにいよう(第二弾)

 

第三回は、

<混沌の世界に希望を感じる!セレクション>

と題しまして、こちらの作品をおすすめしたいと思います。

 

アニメ 未来少年コナン(テレビシリーズ)

宮崎駿 監督、1978年、日本アニメーション

 

です。

 

実は現在進行形(2020年6月現在)で、家族でアマゾンプライムにて視聴中です。

もう終盤ですが。

私にとっては、今まできちんと見たことがないけれど、宮崎駿監督作品として概略は知っている…という作品でした。

子供のころにテレビで映画版の放送がされているのをところどころ見たことがありますが、記憶はあやふや。

今まで積極的に観ようと思ったことがなかったのですが、たまたまご縁がつながって今では話に引き込まれています。

 

まず、物語の背景として、2008年、核兵器以上の破壊兵器「超磁力兵器」を使用した最終戦争が勃発し、人類は絶滅の危機にさらされます。地球は破壊され地軸はねじ曲がり、5つある大陸はことごとく海に沈んでしまいます。

 

それから20年後、主人公コナンは「のこされ島」という島でおじいと二人で暮らしていました。そこに漂着した少女ラナを助けますが、彼女を追ってきた「インダストリア」(戦争前の技術が残る科学都市の島)の戦闘員によってラナは連れ去られ、おじいは亡くなってしまいます。

ラナは「ハイハーバー」という島で暮らしていたのですが、彼女のおじいさんが太陽エネルギーの研究者でインダストリアから逃げ出して行方知れずになっているため、「インダストリア」はおじいさんを探す手がかりとしてラナを連れ去ったのです。

ラナを助けるため、コナンは島を飛び出し「インダストリア」へ向かいます。

道中、同じ年ごろのジムシーという少年と出会い、友達になって二人は一緒に行動します。

 

コナンの目的は<ラナを救出する>ことですが、その過程で今まで知らなかった世界の現状を目にしていきます。

それはもちろん私たち視聴者も同じです。

例えば、「インダストリア」は科学都市ですが、科学技術を使用するためにはエネルギーが必要です。しかし、世界は壊滅状態です。そこで昔のごみの山の中から、プラスチック製品を掘り出して集め、(乗り物の燃料として?)石油資源として再生しています。島の動力は原子力エネルギーですが、それも過去の遺産で、潤沢ではありません。慢性的にエネルギー不足で、限られたエネルギーで都市を運営しているのです。そのため、太陽エネルギーは夢の技術。どうしてもラナのおじいさんを見つけたいわけです。

インダストリアの行政局長であるレプカは「エネルギーを制する者が世界を制する」と考え、太陽エネルギーを使って自らの野望を成し遂げたいと考えています。

 

そのほかにも、最終戦争を生き残ったわずかな人類の中で、大小様々な争いが繰り広げられます。

手を携えて生活を再建しようとする人々がいる一方で、少しでもいい暮らしをするために人を陥れてでものし上がろうとする者がいたり、他人が持っているものを奪おうとする者もいます。

子供向けアニメなので人間の醜い部分をある意味ソフトにわかりやすく描かれていますが、背景にある世界の厳しさが<悪い奴>の行動原理につながっているのかなと考えられるので、ただの<少年が少女を救う話>ではありませんでした。

テレビシリーズは映画よりも長い分、時間を使ってじっくりと一つの事件、一人の人物の背景を描けるのが魅力だと思います。

 

また、コナンとジムシーの身体能力がすごくて、現実には「ありえへんでしょ!」なアクション満載なところが痛快で、子供も楽しんでみています。混沌とした世界の中で、コナンとジムシーのはじけんばかりの活力がみていてスカッとした気分を味合わせてくれ、同時に笑わせてくれます。

ラナもただおとなしい女の子ではなくて芯がしっかりした子ですし、三人の活躍は未来への希望を掻き立ててくれます。

 

あと個人的には、コナンがイケメンすぎます…。

女の子に優しくて、どこまでも助けに来てくれる。

自分の信条に合わないことはやらない。

はたから見ていると無鉄砲に見えるが、最大限に努力してやり通す。

自分ができることはなにか、これからどうするか、きちんと考えることができる。

…大人でも難しいわー。すげーな、コナン!!

 

一方、ジムシーの方は、コナンと会うまでたった一人で生き抜いてきた野生児。

食いしん坊でいつも、「それ、食えるのか?」と聞きますが、彼がひとりで食料を確保してたくましく生きてきたことを考えると、生存本能から当然のことだと思います。

人付き合いをしたことがないためにちょっと世間知らずでシャイな一面もあり、マナーやルールといったものが呑み込めなくて失敗することもありますが、とってもピュアで、自分の心に素直ないい奴です。

うらやましいな、いいな、と思ったことを口に出して「いいな、コナンのやつ。」というところが、屈託がなくていいです。

好きなものは好き、嫌いなものは嫌い。

まっすぐに、正直に、そう言えるジムシーはコナンとは違う意味でイケメンです。

 

今世の中が落ち着かなくてモヤモヤ、ザワザワしてしまう気持ちが誰しもあると思います。

<未来少年コナン>で混沌の中の希望を感じてみてはいかがでしょうか。おすすめします。(*^▽^*)