2019年7月のテーマ
「夏休み突入!子どもと一緒に読みたい児童書」
第四回は、
「トッキーさんのボタン」
かとうまふみ 著
こどもプレス 2010年発行
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トッキーさんのボタン (こどもプレス)
1,296円
Amazon |
です。
幼稚園児~小学校低学年向けの絵本です。
作者のかとうまふみさんについては恥ずかしながらあまり知識がなく、うまくご紹介することができません。
すみません。
図書館で偶然手に取り、読んだ絵本。
わりと字が多め、つまりお話として読む部分が長い作品なんですが、幼稚園に上がるか上がらないかの子供が気に入って、何度も読まされました。
絵がシンプルにかわいらしくて、色づかいがあったかいのも、お気に入りポイントの一つだったと思います。
お話は、「トッキーさん」とはぐれてしまったボタンがトッキーさんを探すというもの。
出会ったひと(?)たちに尋ねながら、「トッキーさぁん、どこにいるのぉー。」と呼びかける様子が一生懸命でかわいらしいんです。
でもこのボタンはかわいいだけじゃなくて、くじけない。
一生懸命という言葉では物足りない、不屈の闘志でトッキーさんを探します。
この闘志が、ボタンが主人公の物語としてはめずらしいというか、一歩ぬきんでてキャラが立っている気がします。
妙に印象に残るんですよね。
それが今回のおすすめの理由です。
小さい子向けの絵本では、動物だけではなく身近な物(命を持たない物質)が人間のように生きておしゃべりしている作品がたくさんあります。
小さい子に身近なもの、例えばくつだったり、コップだったり、スプーンだったり…。
ボタンが主人公の作品も割とある気がします。
洋服を脱いだり着たりするときに必要なボタン。
ひとりで着替えができるようになるためには越えなくてはならないハードルの一つといえましょう。
そして超えてしまったハードルは、もはや意識されることはなくなります。
そのせいか、絵本の主人公として出てくるボタンは、けなげな印象のキャラクターが多いように感じます。
そんな中で、「トッキーさんのボタン」の主人公は、けなげでありながら、ものすごく勢いがあります。
元気と言い換えてもいいかもしれません。
小さいお子さんに、『勇気を分けてくれる絵本』ではないかと、私は思います。
大人のみなさまも、小さなボタンの不屈の闘志に何か感じるところがあるはずだと思います。
おすすめです。(*^▽^*)
