2019年4月のテーマ

「動物が好きになるかもな本」

第二回は、

「動物のお医者さん」(花とゆめコミックス全12巻、白泉社文庫版全8巻、愛蔵版全6巻)

佐々木倫子 作、白泉社、1989年(花とゆめコミックス第1巻)発行

 

 

です。

 

札幌市にあるH大学獣医学部を舞台に、獣医師を目指す学生の日常をコメディタッチで描いた漫画作品です。私が読み始めたのはまだ学生の頃で進路をどうするか悩んでいた時期でもありまして、この本を読んで獣医師を志し、実際に北海道の大学の獣医学科に進学してしまった人がいるという話を聞いたこともあります。

 

作者の佐々木倫子さんが北海道出身の漫画家さんであり、北海道に暮らす主人公たちの日常がリアルに描かれているなあと感じます。また、佐々木さんの絵は非常に細かいところまで描かれていて、動物の絵もかなりリアルだと思います。

 

主人公の大学生、西根公輝(にしねまさき、通称:ハムテル)は、自宅でシベリアンハスキー犬と三毛猫とニワトリを飼っています。この動物たちがどれも個性豊かで、面白エピソードに思わず笑ってしまううえに、獣医学部の個性的な面々がさらなる笑いを誘います。

 

ネズミが嫌いで触れないハムテルの親友、二階堂。

アフリカかぶれの変わり者で超マイペースな漆原教授。

スローペースがマイペース。ちょっと変わった感覚の持ち主で先輩の、菱沼さん。

大学関係者ではないけれど、ハムテルのおばあさんもツワモノです。

 

2003年にドラマ化もされるほど大人気でした。

 

昭和から平成初期にかけて青春時代を過ごした方には、ご存知の方が多い作品だと思います。

しかし平成から令和に元号が変わろうという現在、この作品を知る方の割合は減っていることでしょう。

若い方や、今まで縁がなかったという方にはぜひ読んでいただきたいシリーズです。

 

コメディタッチでありながら、たくさんの情報が詰まった作品を描かれるのが、佐々木倫子さんです。

笑いながらも感心する…そんな作品であると思います。

かわいい動物たちが主役のこの漫画シリーズ。ぜひおすすめいたします。(*^▽^*)