2019年2月のテーマ

育児の参考になるかもな本

第四回は、

「やすらぎ子育てアドバイス」

佐々木正美 作、三笠書房 2007年発行

 

です。

 

著者の佐々木正美さんは、児童精神科医です。子供の発達について、理解が深まるような著作をたくさん残された方であり、発達障害の一つとされる自閉症を持つ方々への支援プログラムTEACH(ティーチ)をアメリカから日本へ紹介した方でもあります。

育児書「子どもへのまなざし」(1998)は、保育や幼児教育にたずさわる方をはじめ、育児中のお母さんたちの間でもバイブルとして有名なので、タイトルをきいたことあるという方もいらっしゃるのではないかと思います。

 

佐々木正美さんの本の中で、その名作ではなく、この本をおすすめしたい理由は、第一に"読みやすさ"です。文庫本でコンパクトですし、行間もほどほどに空いていて(あくまで主観ですが…)、手軽に読めます。

 

第二に、"やすらぎ"子育てを推奨している点です。佐々木さんは基本的に「子供にとっていいこと、とは何か?」ということを育児する側の大人に伝えていらっしゃると思います。ですので、一見、「大人の願いを子供に押し付けてはいけません」とたしなめるばかりの内容に見えてしまうかもしれません。しかし、よく読むと、大人は一歩引いて見守ることも大事だということや、子供を信じてやらせてあげましょう、ということは、裏を返せば"そんなに一生懸命頑張らなくても、子供に任せればいいこともあるんだよ"ということだと分かります。

 

かりかりしないで、ゆったり子育てを楽しみましょう。ツボを押さえて関わっていけば大丈夫ですよ。と行ってくださってるんだなと思います。

 

かりかりした気持ちで読めば、「あれもできてない、これもできてない、あーー、私って駄目な親ーーー。」と思ってしまうかもしれませんが、冷静に読めば、著者の優しいまなざしが育児をする側の親にも注がれていることに気づくと思います。

 

最終章の『親も子も「幸せな人生」を送るために』では、現代の忙しい両親の状況も理解してその労をねぎらってもいらっしゃいます。

 

私自身、心配性で、育児で悩むことが多く、「あれもできてない、これもできてない」と考えがちなタイプなのですが、佐々木さんのこの本を読むと癒されるというか、「そうだよね、できるだけのことはやってる」という思いが芽生えました。また、数々のアドバイスの中から、「これまで育児はこうであらねばならない」と思っていたことに、発想の転換が起こったものもいくつかありました。

 

前回紹介した「子育てハッピーアドバイス」の明橋大二さんもそうですが、佐々木正美さんの本は、読者にやさしい、と感じます。

何が子供のために大事なのか???迷宮に入り込んでしまった方も、そうでない方にも、おすすめいたします。(*^▽^*)