2018年11月のテーマ
元気が出るかも!?な(心理学、ハウツー、自己啓発の)本
第二回は、
「のうだま-やる気の秘密」
上大岡トメ & 池谷裕二 著、幻冬社 2008年発行
![]() |
のうだま―やる気の秘密
2,000円
Amazon |
です。
著者の上大岡トメさんは、イラストレーターで、エッセイ漫画家です。「キッパリ!」という単行本がミリオンセラーになったので、ご存知の方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。
もう一人の著者である、池谷裕二さんは脳研究者です。
この二人がタッグを組んで、脳に"やる気"を出させるにはどうすればいいか、ということを時には漫画もまじえてわかりやすく解説してあるのが、この本です。
まず、"脳はすぐに飽きるようにできている"ということを池谷先生が説明します。
三日坊主、という言葉がありますが、本当に脳は三日くらいで飽きてしまうそうです。
脳はたくさんの情報を処理しているため、新しいことにはエネルギーを投入して対応しようとしますが、一度経験したことに対してはなるべく省エネで対処しようとするため、やる気がなくなってしまうんだとか。
では、やる気を出すためにはどうすればよいか?
やる気が起きているときに活性化することがわかっている脳の部分、"淡蒼球"を活性化させるんだそうです。
例えば、やる気がなくても体を動かしているうちにやる気がわいてくる、というのは体を動かすことによってこの"淡蒼球"が活性化するから。他にもいろいろ活性化のための方法が載っています。
そして、一通り"淡蒼球"活性化のメカニズムがわかったところで、実際にやりたくて挫折してしまっていることや、続けたいと思っていることにトライしてみよう、とうながし、続けるために効果的な方法が具体的にいくつも挙げてあります。
この本をおすすめしたいと思った理由は、この「やってみよう編」です。
やる気について書かれている本はたくさんありますし、やる気を出すメカニズムを解説した本も(脳科学的にかどうかは別として)、多分たくさんあるでしょう。
たいてい最後は、「皆さんやってみてください。(おわり)」という感じで、実際にやるかどうかは読者に託されます。
「のうだま」の「やってみよう編」も、やるかどうかは読者次第であることに変わりはありませんが、まずは20回続けてみよう!とはじまり、実際に「スタート!」と宣言してしまいます。そのあと、やる気がなくなりそうになった時に再びスイッチを入れる方法がいくつも書かれていて、三日坊主にならないよう助けてくれます。
そして最後は「ゴール!」。皆さんゴールできましたか?と続きます。
まるで一緒にスタートからゴールまで付き合ってくれているみたいな構成になっていて、楽しいのです。
実際、私はこの本のおかげで筋トレを三か月ほど続けられました。
現在は体調の関係で、筋トレのような運動を控えているので中断していますが、元気になったら再開します。
ちなみに、私が続けられたのは、この本のアドバイス、"ご褒美作戦"のおかげ。
20回続ける間のところどころに、到達したらゲットできるご褒美を設定する、というやり方です。
ゴールしたら、さらにご褒美ゲット。次の20回からは筋トレの負荷を増やす、という方法でやっていました。
なかなか楽しいですよ。
わかりやすい解説と、上大岡トメさんのかわいいイラストが、ハウツー本というよりはコミックエッセイを読んでいるような感覚でさっと読めてしまうのもおすすめしたいポイントの一つです。
飽きっぽくて何事も続かない、とあきらめかけている方にぜひおすすめの一冊です。
人間だれしも飽きっぽいんですって。あきらめることないですよー。(*^▽^*)
![]() |
のうだま1 やる気の秘密 (幻冬舎文庫)
540円
Amazon |

