2018年7月のテーマ
夏休み間近!子どもと一緒に読みたい児童書(園児~低学年)
第三回は、
「あかたろうの1・2・3の3・4・5」
きたやまようこ著 1977年発行 偕成社
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あかたろうの1・2・3の3・4・5 (おにのこあかたろうのほん 1)
756円
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"おにの子あかたろうのほん"シリーズの1冊目です。
ちいさい子向けの本で、対象年齢が3~4才からと書いてあります。
シリーズは全部で三冊あるのですが、私はこの一冊目が一番好きです。
おすすめポイントは、細部まで描きこまれた絵と、電話をかけたりお店屋さんと話したりする場面で出てくる数字が、実に自然なシュチュエーションで使用されているということです。
まず、絵のほうですが、家の中の描写が細かく描かれています。
発行年数からもわかるように昭和の真っただ中に描かれているので、タイル張りのお風呂やおおきな二層式洗濯機、ごろんとしたおおきな受話器の電話、ガスを使う炊飯器・・・・と昭和テイスト満載の家の中です。
あかたろう君がお母さんを探して家中の部屋をのぞくので、リビングだけではなくお風呂やトイレなども見れて面白いです。
最近は平成生まれのお母さんやお父さんが多いと思います。
正直、懐かしいなーと感じる方は少ないんじゃないかと思いますが、かえって新鮮な気持ちで見られるのではないかと思います。
つぎに、数字を使うシュチュエーションですが、あかたろう君はいろんなところに電話をかけてお母さんを探します。
絵本の中で、電話を使うという場面はときどき見かけますが、電話番号を数字で書いているものを私はあまり見たことがありません。(ひょっとしたらほかにもたくさんあるかもしれませんが(;^_^A))
ちいさい子に数字に興味を持ってもらうというねらいがあるんだろうな~と読んでいる大人にはわかるのですが、実に自然にお話に数字が組み込まれているので、わざとらしさがないのです。
"電話番号を回して電話をかける"ということを最近ではあまりしなくなってきました。
先日テレビで公衆電話の使い方を知らない子供がたくさんいるということが放送されていました。
知らなくてもさして困らないから、知らない子が増えているのは自然なことです。でも普段使っている携帯電話やスマートフォンが使えない状況になってしまったとき、どうすればいいかわからないというのは不安ですよね。
小さいお子さんと違ってもうある程度の数字をマスターしている年齢のお子さんにも、電話でお母さんを探すあかたろう君の姿は何らかの形で頭のどこかに残るのではないかなと個人的には期待したいです。
そしてお話の結末は・・・とても楽しいとだけお伝えしておきます。(*^▽^*)
"おにの子あかたろうのほん"シリーズセット
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おにの子あかたろうのほん(3冊セット)
2,268円
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