2018年7月のテーマ

夏休み間近!子どもと一緒に読みたい児童書(園児~低学年)

 

第二回は、

スイミー ちいさなかしこいさかなのはなし  レオ=レオニ 著、谷川俊太郎 訳

     1986年発行 好学社

 

 

とっても有名な本ですよね。

私が子供のころ、小学2年生の教科書に載っていました。

今でも載せている教科書があるかもしれません。

 

この本のおすすめポイントは、美しい絵とリズムの良い文章のハーモニーが絶妙だということです。

 

詩人である谷川俊太郎さんの日本語訳は簡潔でありながらとてもテンポがよく、子供にもすっと入っていきます。

美しい日本語だと思います。

また、淡い水彩の絵が、海の中の生き物や風景を描写する様は見事というほかありません。

 

子供のころに教科書で読んだとき、もちろんカラーの絵などついてはいませんでした。

その時の担任の先生が、「気に入った場面を絵にかいてみましょう」と言って生徒に描かせたように記憶しています。

私は食いしん坊だったので(今もですが)、

 

"ドロップみたいな いわから はえてる,  こんぶや わかめの はやし・・・・"

(本文からの引用)

 

という場面を想像して描きました。ただドロップみたいにピンクや黄色の岩を描いてみたかったのです。

で、そのあと、先生は「スイミー」の絵本をみんなに読み聞かせてくれました。

絵本の挿絵は、想像をはるかに超えたもので、私は子供心に衝撃を受けました。

「スイミー」の文章は美しい。

でも絵があるのとないのとでは大違いなのです。

そして、逆もまたしかり、だと思います。

ここではつっこんで書きませんが、物語のテーマも深いものです。

レオ=レオニさんという作家さんの作品はほかにもいくつか読んだことがありますが、一貫して哲学的なテーマを感じます。

小さいころに心に残った本は、大人になってからも機会があれば手に取る方が多いと思います。

「スイミー」は大人になってからもいろんなことを感じさせてくれる作品です。

 

ここで少し本から離れますが、「スイミー」で海の世界をのぞいたら、子供たちと水族館に行くことをおすすめします。

絵本の中に出てきた生き物を一緒に探してみると楽しいですよ。

絵本では"おおきなさかな"とか、"うなぎ"、"イソギンチャク"など大雑把にかかれているので、

ウツボを見て、これが絵本で言ってた"うなぎ"かなあ、"おおきなさかな"ってまぐろかな?ぶりかな?と一緒に想像してみると海の世界への興味がわくかもしれません。

 

「スイミー」は夏にぴったりの絵本です。

ぜひおすすめします。(*^▽^*)