2018年7月のテーマ
夏休み間近!子どもと一緒に読みたい児童書(園児~低学年)
第一回は、
ちいさいモモちゃん 松谷みよこ著
1974年発行 講談社
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モモちゃんとアカネちゃんの本(1)ちいさいモモちゃん (児童文学創作シリーズ)
1,188円
Amazon |
ご存じの方も多いと思います。
なんといっても、半世紀もの間読み継がれている
ロングセラーの児童書ですから。
モモちゃんとアカネちゃんのシリーズ第1作で、主人公のモモちゃんが
生まれてから3歳になるまでのお話です。
絵本ではないので、お子さんが未就学児であれば
読み聞かせてあげる必要があります。
平成も終わりに近い今からすると、書かれたころの昭和的な日常風景は
ノスタルジックでぴんとこないと感じるかもしれません。
それでも、小さい子が自分で読むには厚いこの本をおすすめしたい訳が
もちろんあります。
この本は、モモちゃんが生まれた夜、おめでとうを言うためにいろんなお客さんが
ママと赤ちゃんのモモちゃんのもとを訪れるお話から始まります。
そして、短編のエピソード形式で、猫のプーが家族の一員になる話や、
トイレトレーニングの話、保育園に行く話、といった具合にモモちゃんの成長が
描かれていきます。
ちょっと大きくなった子供に、モモちゃんのお話と重ねてその子自身の
赤ちゃんの頃や成長してきたことを重ねて話してあげると、自身の成長過程に
興味を持ってくれるようになるのではないかと思います。
成長するにつれてモモちゃんの心の変化が丁寧に描かれているので、
子供心に共感できる部分もあると思います。
例えば、モモちゃんはお姉ちゃんになったんだから哺乳瓶とはサヨナラする、
というお話があるのですが、本当はサヨナラしたくないんです。
でも大きくなったからサヨナラしようねって言われると、
子どもなりのプライドもあって葛藤するわけです。
別のお話では、言いたいことがうまく説明できなくて「ママには私の気持ちはわからない」と
泣いてしまったりもします。
動物とおしゃべりしたりとメルヘンタッチに描かれてはいますが、
本質は小さいお子さんにはあるあるな気持ちが表現されているのです。
また、お子さんにとって共感できるかできないかというのとは別に、親の側が
子供の成長を振り返ったり、子どもの感じていることに寄り添ったりすることの
手助けをしてくれるとも感じます。
「ちいさいモモちゃん」のエピソードのいくつは絵本にもなっているので、
字ばっかりの本の読み聞かせはまだちょっと…と思われる方は、
そちらのほうが合うかもしれません。
私が読んだことがあるのは「あめこんこん」の絵本だけですが、
優しい色合いの絵柄でそれはそれで魅力的でした。
私個人としては、生まれてから3歳まで時系列に成長を追えるという点が
おすすめポイントなので、こちらをおすすめしています。
こんな感じで、これからもおすすめ本について書いていきたいと思います。(*^▽^*)