国立音楽大学で特別講師を務めた一日でした。

国立音大では、開校以来初となる、現役ディスコDJによる講義でした。

構想2年。
有言実行の熱血教授をリスペクト!

振り返ること2年前。
今日の企画は産声を上げました。

国立音楽大学で、現在教授の友利修先生から
お声かけいただき、渋谷のレストランで企画構想を伺いました。

「うちの大学の授業で、是非ともDJならではの技法について講義をしてくれないか」
「DJの技術、伝えられていない技など、学生たちに伝えて欲しい」

という、星一徹ばりの熱いリクエストに愕然とした時間は忘れもしません。
大学で、しかも音大生相手に、予想もしていなかった構想に、この企画は夢物語と思い続けてきたわけですが、
本当に実現してしまったのです。

友利さんは、外見とは想像も出来ない、恐るべし熱い、クラシック専門の熱血教授です。
※ある意味、羽田空港初のディスコ企画を実現させた山崎さんと同じ匂いを感じます(笑)
公的機関がディスコカルチャーへの理解を示すまでには、とにかくとにかく、大変な労力と、
時間と、熱意を、長い期間継続して交渉しないと困難な事を私はよく知っています。
パイオニア。生みの苦しみまでの時間をよく理解しているつもりです。

2年前、当時、友利教授は、准教授のお立場でこの構想を企画し、
幾多の教授会、懸案事項の難関を突破して、今回の開講を導かれました。

今度是非、この2年間の紆余曲折ストーリーを講義して欲しいくらいです(笑)

1時間30分の講義は、「DJの耳」をテーマにした、「DJ技法」について。
DJとは。歴史と種類。ディスコの歴史。DJミックスの変遷。現場の技術。などなど。
ラジオやテレビ番組の動画スライドなども駆使しながら、
案の定、時間はあっという間に過ぎ、個人的には6割くらいの伝達。
まだ4割くらい伝えたいことがあったなぁ・・・・などと思いながら何とか終了。


自分にとって記念すべき今日の講義。
初めての体験、という事もあり、教授は優しくナビゲートして、サポートして
下さいました。緊張をほぐしてくれたり、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

終了後、「次は一人でお願いします」と言って下さったのが、最高に嬉しいお言葉でした(^^)/
※なにせ熱血教授は有言実行の人なので、本当に次もあるかもしれません・・・(◎_◎;)

そんな友利教授。私のリアルイベントには、ちょくちょくストレス発散に参加されています。
常連の方ならご存知の人も多いはず。
大学教授までが「元気と笑顔」を取り戻せるディスコの魔力。DJを続けてきて良かった、と
またまた心に染みた出来事でした。

さて、先生と呼ばれた今日の記念日を終え、明日からはまた「オサムちゃん×OSSHY」の呼び名に
戻ります(^^♪ オサムちゃん、ありがとうございました(^^)/(^^)/

本日の講義の一部。
【私なりのDJの定義】
①自分で選曲し
②自分で再生し
③多数のオーディエンスに向けて
④リコメンドする人 である。 
by DJ OSSHY













以下、友利教授のFB後記が掲載されていたのでご紹介します。

勤務校、国立音楽大学のかつては楽理科、音楽学専修を経て現在は音楽情報専修の伝統の総合ゼミ、いろいろ衣替えしながらも、修士から学部の学生そして全教員参加で、いろいろな分野の専門家のレクチャーを聴くというスタイルは続いていますが、今年と来年はコーディネータ役が回ってきた私の選んだ統一テーマは「耳」。もちろん「聴くこと」、「音楽を聴くこと」という広い意味での「耳」。

今年第1回目に導入を兼ねて私の発表したのが、Peter Szendy (ペーテル・ゼンディ)の 『Ecoute (聴く/聴け)』(2001,英訳2008,未邦訳)という著作の紹介。その基本テーマは、音楽を聴く行為の本質にあるのは、単に自分と音楽だけの関係ではなくて、自分の聴いたものを人と分かちあいたい — 聴いたよ、聴いて聴いて!— という欲望だというもので、それによって、作曲家や演奏家以外でも、多様な形で音楽に携る人間の行為を音楽行為として基礎づけるものです。

つまるところ、私も、音楽について研究し、語り、教えるのは「聴いて、聴いて」という素朴な欲望にほかならないのかなと思っています。

そして、そのSzendyの著作にも度々出てくるのですが、もともとは自分の作ったものではない音楽を人に聴かせることで新しい音楽の形を作り人と分け合う行為という意味での音楽家のあり方のどまんなかに現代位置するが DJの音楽活動/行為/職業です。

そして、この点に関し、生のそして一流のプロの話をしてくれる方が身近にいました。いつもはこちらフロアから見てDJブースの向こうにいるDJ Osshyさんが、超過密スケジュールの中から、、総合ゼミのゲスト講師を快く引き受けてくれました。講義の内容は私が、ゆるく提案した「DJの耳」。内容は、ゆるくなくて、現代のDJがどのようなテクニックで、どんなことを考えに入れながら選曲しミックスしプレイしているのかということを、ビデオや特別に作った実例(失敗ミックスの例含む)で講義してくれました(設備がないので残念ながら生Mixがなしで、これは次の課題)。今回はとりあえず私との対談形式で。

90分ではとても収まりきれない内容で、もっと時間が欲しところでしたが、その時間的制約の中で、ともかくもきれいなまとめの言葉(「楽曲に罪は無い。選曲と紹介の仕方によって罪が生まれる」)までとOsshyさんのサービス満点ぶりが炸裂。もっとディスカッションがしたかったのですが、ともかくプロのDJの活動のちょっとしたさわりだけは受講者に分かってもらったかなと思います。

講義の中で話をする余裕はなかったのですが、Osshyさんが用意したレジュメの中に次の言葉。

「○「聴く」→ 自分のフィルターを通じて → 人と共有したくなる
自分が「いい!」と思った音楽を、仲間と共有する喜び。知らせたくなる、拡散したくなる衝動。」

これ、こんなところまで特に打ち合せもしてなかったのですが、まさに私が焦点を当てたい「耳」にドンピシャじゃないですか。あと1時間あれば、このあたりの話もゆっくりできたのになとは思うところですが、あまり欲張りますまい。

Osshyさんの作ったレジュメは名言満載で、印象に残っているのは、また、

「(DJブースから客のほうを見て) どこに、誰がコソコソ隠れているか、私にはわかります!」

でした。
え? じゃあ、手を振っても、こっち見ないときは @@ …?

あと、もう一つ、Osshyさんは講義の中では、Mixと違って伏線を張るのが苦手てというのはちょっと意外でした。こちらが後にとっておこうと思ったネタがどんどん最初に出てくるのでちょっと焦りましたが、やっているうちにテンポつかめてきました。でも、ネたくさんありすぎるので、それが正解だったかも。次やるときはOsshyさん一人の自由なテンポでのお話が興味津々です。