財務省の事務次官、もし相手が記者じゃなくて安倍総理の娘だったらあんなこと言うか?麻生大臣、もし被害者が記者じゃなくて安倍総理の娘でも次官の肩を持つか?安倍総理に娘はいない?そんなことたぁ知ってるよ!それともナニか?仮定の質問にはお答えできねぇか?どうも、おっさんレンタルで大阪にて活動中のタバコが大の苦手なおっさんです。


※今回の記事は、前回のブログ記事(→こちら)の続きです。

↓↓お客様「タルトさん」のブログ記事↓↓
『最近、お母さんが毒親だと思ったこと』


【○○○女性相談センターにて】
(※○○○は地方自治体名)

女性相談センターとは、DV(ドメスティックバイオレンス、家族やパートナー等の親密な関係の中で起こる暴力)、いわゆる「JKビジネス」やAV出演強要といったものの被害に遭った女性のための、駆け込み寺的な公的機関です。

今回タルトさんは相談ではなく、母親の追っ手から逃れ身の安全を確保するための「ある公的な手続き」に必要とされる「第三者機関による証明」をお願いしに、女性相談センターへ私とともに出向きました。

行ってみるとそこは開放的な窓口ではなく、インターホンで中の人にカギを開けてもらってから中に入れるシステム。そして残念ながら男性入室禁止とのこと。タルトさん不安そうなお顔されてるが、男性の深刻な暴力から命からがら逃れてやって来る女性だっているかもしれない、ここはそういう場所でもあります。仕方ありません。

外で待ってるあいだずっと人目が気になり、悪いヤツにでもなった気分になる…。よくよく考えれば、女性相談センターにおっさんが同行するなんて、おかしいといえばおかしい。

しばらくして、浮かないお顔したタルトさんが出て来られました。
お顔を見るまでもなく、タルトさんが事前に電話で問い合わせしたときのお話を聞いてたので、ある程度結末は予想してました。タルトさんのようなケース(→タルトさんのブログ記事参照)では、ご希望の「公的な手続き」を進めることはできないとのこと。

ここに至るまで私も即席ではありますが、それなりに事前勉強をしてきました。タルトさんが希望されてる「公的な手続き」は、かつては非常にハードルが高いものでした。5年ほど前に、総務省から地方自治体向けに「手続きの運用範囲拡大」の通達が出されました。これを根拠に、タルトさんのケースだって適用されるはず!という主張をしたかったのですが、一緒に中に入れなかったので…。

「上手く伝えられなかった…」
と落ち込んでるタルトさん。そういう時のためのおっさんレンタルですが、今回はお役目果たせずか?
いやいや、中に入れないなら電話で話そう!ということで電話かけると、職員さんが外に出て来てくださった。

相手は、公的手続きを進める権限を持つ、れっきとした行政機関です。今回適用ができない法的根拠と責任の所在を明確にしていただくべく、出て来られた女性の職員さんにいろいろ質問を投げかける。(面倒臭そうなおっさんが来たな、という顔された…ように感じた。)

総務省からの通達について尋ねると、一応ご存知だそうだが、何か心もとない。オマエ、ホントニシッテルノカ?

タルトさんの場合は、「暴力を振るわれてないから適用外」という。

「言葉の暴力」は?
→「死ね!」などと言われればそれに該当するが、今回のタルトさんのケースくらいでは言葉の暴力とまでは言えない。

ネット情報であるが、似たようなケースで適用された前例が調べると見受けられるが?
そんなものはネット情報に過ぎない

…思わず耳を疑いました。
この人、いつもこんな調子で女性からの相談を受けてるのか?

私に対してなら、そういう言い方してもまあいいだろう。しかし、私の隣にはタルトさんがいる。ここに至るまで散々悩み、苦しみ、傷ついてきた女性を前に、「あんたの悩みなんか大したことない」みたいな言葉を言い放つ神経が理解できない。挙げ句の果て、「私たちは感情でなく法に基づいてやってる」とか言い出す…。オマエ、イイカゲンニシロヨ!

・我が国における殺人事件の半数以上は、親族間で起こる。
・言葉の暴力は時には人を殺す。
・何か起きてからでは遅い!
・タルトさんに何か起きたら、あなた責任取れるのか?
・ついでに言うと、あなたのその言葉も人を殺しかねない。

こういったことを矢継ぎ早に問いかけると、困った顔して「上の者に聞いてみます」と言って、一旦中に戻っていった。

そして、上司と思われるさっきのヤツよりだいぶマシな感じの女性の職員さんを伴って出てこられる。

先ほどの職員さんは、ばつの悪そうな様子で黙って上司の横に立ったまま。タルトさんもまた、先ほどからほぼ無言で私の隣におられる。そんなシュールな雰囲気の中、私と上司の方との話し合いが始まる。幸い、今度は冷静にお話できそうな感じ。

私が乗り込んだところで、その場で結果が翻るなんて期待はしてません。適用できないなら、できない理由を明確にしてほしい。根拠があいまいなまま「できません」だけでは、こちらも次のステップに進みようがない。仮にも「女性相談センター」を名乗るのであれば、ご本人の立場に立ってできることをして差し上げてほしい。タルトさんは別に、おっさん連れて喧嘩しに来たのではない。

適用できない理由は、あくまでも法に基づいて、とのこと。
では、条文として明文化された根拠があるのか?それとも、あなたがた職員さんの法の解釈に依るものか?

これについては後者、「私ども○○○(※とある地方自治体)の女性相談センターとしての解釈に基づいて」とのこと。

「総務省から運用範囲拡大の通達が出てる、ネット情報とはいえ前例らしきものが世の中に存在する可能性はある。にもかかわらずあなたがたの解釈、つまり責任においてタルトさんの要望を却下するということですね?」

「前例」「責任」という公務員がビビりそうな単語わざわざまじえて、私のほうから最後にこう言い放ちお話は終了しました。

却下の理由は条文として明文化されたものではなく、あくまでも解釈であるという言質を取れたので、とりあえず今回の目標はクリア、次の手を考えましょう。


【女性相談センター同行を終えて】
「私ひとりではとても言えないことも言ってもらえた」と、タルトさんは喜んでくださったのですが…。私はどちらかというと自己肯定感は高めですが、今回の件に関して自己採点は30点くらいですね…。まあ私は弁護士じゃないただのおっさんだから…、と言ってしまえば、それまでですけど。

ああ言えばよかったこう言えばよかった…、後からいろいろ浮かんできます。

身体的暴力はある意味分かりやすくて、怪我させられることは多いが(もちろんこれだけでも重大である)、死に至るまでには意外にハードルがある気がする(死に至る事件が起きたら大ニュースになる)。

言葉の暴力は「外から見て分かりにくい」がゆえに、何かの拍子で「一気に」最悪の結末に行き着くリスクが大きく、本人の立場に立ってより慎重に対応すべきである。

身体的な危害がないからと言って、言葉の暴力を軽視するような姿勢は非常にまずい。

これは、イジメやセクハラなどの対応にも通じると思います。

今まで相談ごとで私をレンタルしてくださった方で、「顔じゅう身体じゅう傷だらけ」なんて人はひとりもいません。誰にも分かってもらえない、悪いのは自分では?といった思いを抱きつつ、縁あって私をレンタルしてくださった。いろんな葛藤を乗り越え、皆さん大変な勇気を振り絞って私のところにやって来た。

そんな人たちを少なからず見てきた私には、女性相談センターの対応は疑問だらけでした。

今回、女性相談センターの具体的な所在地はあえて伏せました。あの女性職員を一方的に責めたところで、たぶん何の解決にもならない。タルトさんにああいう対応せざるを得ない事情が、彼女にもあるのかもしれない。
(それにしたって、もうちょっと言い方ってもんがあると思うけどな!)

あれから、私なりに落ち着いて考えてみました。

「公務員は全体の奉仕者」と、憲法で定められてます。公務員が一部の人の利益のために働くことは、憲法上許されない。公務員という人たちは、そういう縛りの下で活動せざるを得ない。個々の人や物事に向き合うより前に、全体像を把握しないと動くことができない。つまり、えこひいきができない。

行政機関のいち職員である彼女に、ひとりの相談者にきめ細かな対応を求めること自体、無理な要求だったのかもしれない。
(それにしたって、もうちょっと言い方ってもんがあると思うけどな!)

だから震災等の被災地では、民間のボランティアの人たちが大いに力を発揮するわけです。公務員の皆さんだって当然、ものすごく頑張っておられるはずですが、立場上「えこひいき」ができない。とりあえず「今すぐに」「目の前の人に」寄り添う必要のある活動では、やはり「えこひいき」が許される民間人のほうが力を発揮しやすい。

お役所や公務員の皆さんには、もっと積極的に民間のNPO団体等と連携していただきたいと思います。女性相談センターも、最終的な駆け込み寺という位置付けではなく、いっそのこと「具体的な支援に繋げるための支援」に徹するべきではないでしょうか。

これは私自身も心掛けてることです。

今までいろんな相談されましたが所詮ただのおっさんですから、私ひとりで何もかも解決できるわけがない。私に悩みを打ち明けてくださったお客様に、新たな相談先の情報提供をすることもあります。この約3年にわたるおっさんレンタルの活動を通して、そういう知識はいつの間にか増えてきました。


【タルトさんのその後】
「お役所同行レンタル」の後にも何度かレンタル利用、お話しさせていただいてます。あれから少し元気になられたようで、新しくお仕事を始めたとのこと。

結局私は何もして差し上げられなかったのですが、「あなたはひとりぼっちではない」「世の中には必ず味方がいる」ということは、お伝えできたのではないかと思ってます。

その後も両親やその周辺の人たちから、タルトさんの望まない連絡が来ることもあるが、以前よりは落ち着いて対処(無視)できるようになったという。当初望んでおられた「公的な手続き」のための「次の手」を打つところには、今のところいってません。手前味噌な言い方ではありますが、おっさんが目の前で役所の職員と本気でやり合ってる姿を見て、何かを得ていただけたのなら嬉しく思います。

毒親専門のカウンセラーの言ってた通り(→前回ブログ記事参照)、結局は「自分で決めるしかない」のですが、自身が納得できるまで行動するのはとても大事。何が正解かは分かりません。正直これからも、いろんな意味で心が揺らぐことはあると思います。どうかそんな時はおひとりで抱え込まずに、いろんな人の力や助けを借りながら乗り越えていただきたいと思います。

私でよろしければ、いつでもお力添えさせていただきます。


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