技術士 上下水道部門 平成28年度 専門試験 Ⅱ-1-4 解答例 | おっさんが働きながら独学で技術系資格を目指すブログ

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【問題】(平成28年度 Ⅱ-1-4)

 直結式給水の形式について説明せよ。また、中高層建築物に直結式給水を導入する場合の効果及び留意点について述べよ。

 

【解答】

1.直結式給水の形式

 直結式給水は、直圧式と増圧式に分けられる。

 直結直圧式は、配水管の動水圧により直接給水する方式である。一般的には3階程度までの給水が可能であるが、水道事業体によっては5階程度まで対応しているところもある。

 直結増圧式は、給水管の途中に増圧給水設備を設置し、圧力を増して直結給水する方式である。この方式は、給水管に直接増圧給水設備を連結し、配水管の水圧に影響を与えることなく、水圧を加圧して直接給水するものである。

 

2.中高層建築物に直結式給水を導入する場合の効果及び留意点

 中高層建築物の場合は、直結増圧式が一般的であることから、直結増圧式の場合の効果及び留意点について考えると、以下の事項が挙げられる。

(1)受水槽の清掃などの衛生管理がなくなる。

(2)受水槽の設置費用がかからない。

(3)受水槽の設置スペ-スが有効に利用できる。

(4)エネルギーを有効利用できる。

(5)建物内部の給水管を、管種や経過年数に応じて布設替え等の対策を講じる。

(6)事故や災害時等に貯留機能がないため、断水することがある。

(7)給水管の口径を増径する必要がある場合もある。

(8)増圧式の場合、ポンプを使用しているため、停電により給水不能になる。合わせて、ポンプの騒音対策や電気代を考慮する必要がある。

 

【講評】

 直結直圧式と直結増圧式があるが、中高層建築物の場合には後者を用いるのが一般的であると考えられます。その為、留意点についても、その前提で書いてあります。