【問題】(平成20年度 Ⅰ-1-2)
水道施設における機械・電気設備のシステム機能評価の効用と診断技術について述べよ。
【解答】
1.システム機能評価の効用
設備の寿命は、使用条件、保全内容、保全周期等の管理状態によって大きな影響を受け、経年化に伴い着実に老朽化し寿命に達する。これらの老朽化の経年的変化を、絶縁抵抗などの電気的特性や摩耗量、振動幅等の機械的特性により、定量的に追跡できる計測データを利用し、機能評価を行うことが可能であれば、管理限界に近い段階での補修や部品交換など、精度の高い効率的・経済的な管理を行うことができる。
2.診断技術
設備の診断技術とは、一般的に「設備の状態、すなわち設備にかかるストレス、故障や劣化、強度、性能等を定量的に把握して信頼性や性能を診断予測する。異常があれば、その原因、位置、危険度等を識別評価し、その修正方法を決定する技術」と解されていて、簡易診断技術と精密診断技術に区分される。
簡易診断技術は、設備の状態を迅速に効率よく把握するものである。電気設備ではケーブルや電動機などの絶縁抵抗測定、機械設備ではポンプ軸受などの振動測定が該当する。
精密診断技術は、簡易診断により異常の兆候があると判断された設備を、専門的かつ精密に診断し、対応策を決める為に実施する技術である。電気設備では高圧ケーブルや高圧電動機の絶縁診断、機械設備ではポンプ軸受などの周波数特性による診断が該当する。
【講評】
アバウトな聞き方の問題なので、解答に苦慮すると思います。維持管理指針についてまとめる方が解答として無難だと思います。ただ、解答の幅が広いので、これ以外の内容でも十分に合格点がもらえる解答もあると思います。