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暗くなるまで待って

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ずっと仲良くしてもらっているガーナx日本のハーフちゃんがいる。

私にとっては娘世代の女の子。

 

彼女は高校生くらいまでは髪をストレートにしていたりもしたのだが

今はアフロのロング一択になった。

黒人としての誇り?魅力?を大切にするためだそうだ。

彼女がそう考えるようになったのは、アメリカへの留学と

ガーナで知り合った先進国で過ごしているガーナ人との出会いが

きっかけなのだろうな、と思っている。

 

そんな彼女と文化盗用の話題になって、彼女からこんなことを聞いた。

 

かつてアメリカで黒人の地位が低く差別を受けていた時

白人は黒人の縮れ毛を汚いとバカにしていた。

なのに今その黒人のヘアスタイルを真似るなんて

どれだけ厚顔なのだ、と。

これがアメリカで巻き起こっている文化盗用の背景である。

 

この話の裏付けが取れたわけではないので真偽は不確かだが

私としてはなるほどなあ、と納得してしまった。

あの頃を舞台にした映画の黒人女性がみなストレートに近い

ヘアスタイルなのは、それに憧れていたというよりも

半ば強制だったのだな、と。

そんな過程があったのなら文化についての線引きがあれこれ

言われるのも仕方ないだろうし、逆に言うと日本とは全く関係のない

話になる。

外国人が着物を着たからといって日本人が怒らないのも

それをバカにされた歴史がないからだ。

 

「髪の毛ってアフロとストレートだと違うもの?」と彼女に聞くと

「そりゃストレートの方が何倍も楽に決まってるよ」と言う。

しかし彼女は上記の理由でアフロを選ぶのである。

 

ガーナで生まれ育ち、そのまま暮らす女性はこのようなこだわりを

持つ人は少数なのではないかと思う。

彼女達は素直にストレートヘアに憧れてウィッグを愛用する。

別に黒人としての自分を卑下しているわけではない。

単におしゃれを楽しみたい、ただそれだけが動機で

スパイラルパーマやブレイズに憧れる日本人と変わらない。

 

民族の誇りうんぬんに文句をつけるつもりは毛頭ない。

毛頭ない、が、私はガーナ人女性達の考え方の方が

自由で健康的であると感じる。

 

これだけ世界がボーダーレスになると色んな考えが

多方面に流動するのは当たり前のことだ。

だけど流れてきたからといってまやかしの恨みまで

受け入れる必要はどこにもないと思っている。