世界の平和
「子どもの権利」について世界史を紐解きはじめています。
戦後、日本でも憲法に取り入れられた「基本的人権」。それは、欧米諸国の人たちが何百年という長い長い時を経て導き出した、世界が平和になるために必須な、ひとりひとりの人を尊重する、大切な存在であることを認めあうための哲学です。
そして、「基本的人権」をより確かなものにするためには、「子どもの権利」が大事であることを、欧米諸国の人たちを中心に、世界に浸透していっています。
これが、広く深く浸透していったとき、人間は大きな飛躍をとげ、世界の真の平和に近づいていくと願い、「子どもの人権」という意識が生まれるまでの、ヨーロッパにおける世界史について調べています。
今日は、世界の人々の子どもへの「愛」「愛情」の世界史もみていきたいと思いました。
子どもを愛する気もち、愛し方の世界史
子どもへの愛のカタチ
「子どもを愛する心」は、古代からどの文明にも、社会にもありました。
考古学・人類学の研究からも、「子どもの埋葬に副葬品を入れる」「骨折した子を長期間介護した痕跡」「玩具のような遺物」が、古代から世界中に見つかっています。
しかし、「子どもへの愛」は文化によって形を変え、ときに子どもを支配することが愛になり、ときに子どもを犠牲にすることを正当化し、ときに子どもに沈黙を強いたといいます。
「何を愛と考えるか」
「どう愛するのが正しいと信じられてきたか」
愛のカタチ、愛の型をどうすればよいのか、人類は人を育てる中で模索し、親たちはいつの時代も葛藤したと思います。
子をもつ親たち、子どもを育てる役割のある先生たちは、子どもと真剣に向き合い培い、失敗も成功も含め積み上げてきました。
「子どもを愛する」「子どもを可愛いと思う感情」は、古代から人類普遍のものでした。ただ同時に、
・高い乳幼児死亡率
・労働力としての必要性
・家制度・身分制度
の中で、
「愛」と「厳しさ」「支配」が常に混ざり合っていたそうです。
子どもに対し、支配的になる社会
「中世には子ども愛がなかった」と言われるそうですが、これは半分誤解とも言います。確かに、乳幼児死亡率が高いことで、早くから働かせる、大人と同じ服装にする支配することが正当とされた文化がありました。
しかし、子どもを失って嘆く記録、子守歌・祈り、聖母マリアと幼子イエスの崇敬が大量に残っています。
愛はあったが、「子ども期」という概念が弱かった時代だったようです。
その愛の形を、
「神に委ねる愛」
「生き残ったら育てる愛」
だったとも言います。
そして、近代に起きた最大の革命は、
「子どもを愛する」から
「子どもの権利を認める」へ
という転換であったと、ヨーロッパの世界史は伝えてくれています。
これは、
愛だけでは足りないことを、人類が学んだ結果なのだそうですが、子どもへの愛の意味のなかに、子どもの権利という思い方、も入ってきたのかな、とも思います。
近代ヨーロッパから「子ども」を尊重する思い方が生まれる
近代ヨーロッパの産業革命以後、さまざまな物が社会にいきわたるようになり、印刷の技術が発展したことで、物だけでなく、古代から存在する哲学や思想が民衆にも広がるようになりました。
産業が発達することで、自然が少しずつ破壊されていったという事実もありますが、ヨーロッパの人々の「思い方」「考え方」を変えていくことにもなったのですね。
子どもへの思い方、愛について、決定的な転換が起きたのは、17〜18世紀といいます。
ここで初めて、ルソーをはじめ、さまざまなヨーロッパでの革命の中で、
「子どもは、大人とは違う存在」
「子ども期には固有の価値がある」
という思想が登場します。そこで、浮上したのが、
・体罰への批判
・子どもへの教育の重要視
でした。
「感情としての子どもへの愛」+「教育」が結びつき、
愛のカタチが、「育てる愛」から「尊重する愛」へと転換がおきました。
さらに、さらに、ヨーロッパでは「権利の主張」の流れがありましたよね。
・最初は、民の平等、民の権利の主張
でも、最初は、「民」は男性が主でした。
・その後、男女平等という考え方。女性の権利が芽生えます。
・その後、「子どもの権利」と社会が動いていきました。
それは、20世紀、特に戦後に起きた欧米で起きた、最大の変化だったといいます。
それまで世界中で、「子どもは愛される存在」でしたが、「子どもは権利を持つ存在ではなかった」。
権利を持つ とはどういうこと?
と思われる方もいるかもしれません。
・児童労働の禁止
・人身売買
・体罰の否定
・意見表明権
・最善の利益
などが、法律、条約で掲げられている内容です。なぜかというと、
愛だけでは守れない現実があり、「愛を制度に変える」必要が出てきたからだそうです。
たしかに日本でも、世界でもニュースをみると、子どもをめぐる、さまざまな事件が後をたちません。
男女平等についても何百年とかかっていて、女性の首相が世界に現れるのは、近年ですよね。
平和に向かい、人類が歩んできた、長い長い世界史。
平和と口にするのは、すぐ出来ても、実現に向けて、私たちの魂たちが、何世代、何十世代とかけて、協力しあって積みあげているんだよな、と思いました。











