今現在は少し価格が下がったようだが、一時はキャベツが一個1000円で店頭並んだらしい。
気温が低い時期がありキャベツの成長が遅れているのが原因のようで、家のキャベツもこの時期には収穫を予定していたがそれらしい姿に育っていない。
これから先は虫の活動が盛んになる為、虫の食害が大きいアブラナ科作物の収穫は難しいので、このキャベツ達は商品に成らないかも知れない。
高値の今であれば、多少の虫食いがある程度であれば一個500円でも喜ばれるだろう。

それでなくても物価の上昇が続いているので、消費者には頭が痛い状態たが、たまには良いようにも思う。
あたかもキャベツが一個100円程度の価格が当たり前に思われるが、キャベツの苗がホームセンターで100円近くで販売されている事からも価値観がズレている。
農家はキャベツの苗も自家で育成するのでコストとしては100円の半分以下で済んではいるが、それでも一月近く手入れをして手間がかかっている。
その上、仕上がった苗を一つ一つ手作業での植えつけをする。
キャベツを専門に栽培する農家であれば、千本近い本数に成るだろう。
スクワットをするような形になるので、普段体を使わない人がすれば筋肉痛になるのは間違いがない。
それから3ヶ月ほどして収穫に成るが、その収穫も手作業だ。
日本での最低賃金を払って人を雇ったのでは利益が出ないので、研修制度と言われる特別な枠組みで安い海外の労働者を使って作業をしてもらう。
◇コストを下げる事が目的の制度なので、悪条件での労働になる事も多く問題を抱えている。

消費者は直接関わらないので解らないが、野菜の卸しが値下げ圧力を強めた結果であり、消費者にも間接的な責任がある。
円安が進み海外の安い労働力を頼れなくなれば、必然的に価格が上昇する。
もともとの一個100円程度の価格が安すぎるのであって、一個200円が最低価格だと思う。
現に、海外の安い労働力を使える規模の農家であれば利益もでるが、日本国内には人を雇えない農家も少なくない。
彼らは、安い海外の労働者と変わらない時間給しか稼げないはずだ。
農家は全て個人経営者なので最低賃金は関係ないが、全ての人が同じ条件で報酬がもらえる条件に立って居ない。

デフレ社会にあって、生産者側が極度に弱い立場に立たされていて、本来なら請求出来るまともな金額が出来ない状態が継続している。
これは農家に限った話しではなく、大企業に製品を収める中小企業も同じで、その社会構造が変わらなければ日本社会の立ち直りもない。
全ての消費者は、必ず生産者側でもある。
消費者と生産者の立場は平等であり、消費者側が過度に強い状態は不健康な社会である。
健康を取り戻すには、自身が病だと悟事が第一歩である。

気づけるだろうか?