現在、日本に於ける農業従事者の平均年齢は65才を越えている。
なので農業を止める人も多いが、新たな参入者が望めない事から更に平均年齢は高くなるだろう。

身の回りでも稼働していた田んぼが使われなくなり、耕作放棄地が増えている。
農地の持ち主も作付けする気力もなく、周囲の関係から管理するのに苦慮している。

「田んぼ、使ってくれない?」
私か所にも、知人から以来がきた。
向こうからの頼みなので、借地に関して高額な費用はかからないと思う。
農地は作物の生産の場であるので、使用出来る農地が拡大すればそれだけ利益が増えるはずだ。
しかし、
それにも関わらず畑を使って作物栽培をする人も出てこない。
現実に私も、管理する畑の拡張には足踏みしている。
農作業の多くが農地の管理をする為のものであり、その作業による利益はほとんど望めない。
管理する農地を広げれば、しなければ成らない農作業が増えるが、それに見合う収益が望めないのが現状である。

ただ、
それはこれまでの状況にあってであり、円安により輸入農作物が高騰すれば国内の農産物が高く売れるようになるだけでなく、逆に日本の農作物を海外に輸出する事が出来るかも知れない。
1人の生産では効率が悪くて作業に見合わないだろうが、数人が集まって行えば時間に自由が作れるだけでなく効率的に作業が出来て採算が取りやすくなるはずだ。
つまり、
将来的には、成功する確率が高い。
法人にして立ち上げれば銀行等からの借り入れも可能になり、更に効率的な最新の機械を設備出来る可能性がある。

・・・・

農業関係者が若ければ、このチャンスに期待してチャレンジする人も出てくるのだろうが、農業従事者の多くが今のスタイルの維持しか望んでいない。
頭では理解していても、体がついて行かない状況に有るのが今の農業界だ。

そんな日本に於ける農業の置かれた状況は、食料自給率として良く報道にも取り上げられている他冷静に考えれば誰でも理解出来る事だ。
しかし、
消費者の多くは、現状が変わらないかのような認識を変えない。

日本のさくらんぼは高額な果物のイメージだが、アメリカのダークチェリーと価格が逆転する事が起きている。
アメリカやオーストラリアの牛肉と、国内の牛肉の価格が変わらない状況で、スーパーでは国産牛肉の販売スペースが広がっている。
少し前であれば、
肉は高額なのであまり食べる事が出来ず、魚で我慢する事が多かったが、今では魚は高額で購入出来ない物に成っている。

今は時代が大きく変わる転換期だと思え、これまでの常識が非常識になるような時代になろうとしている。
誰にも正確に未来を言い当てれないが、時代が変わろうとしている事は誰もが認めるところだ。
本当に必要な物と、不必要な物の判別を正確に行い、それらを守る順位度を理解する事が必要だろう。
人の腕は2本で、持てる物は限られる。
平地を歩く事が出来ても、坂道を登るのは不可能だ。