https://sportiva.shueisha.co.jp/clm/football/jfootball/2024/02/05/post_40/


近代サッカーでは、選手は与えられたポジションでの専門的な働きが要求される。

もちろん、チームとして連動や相互間の距離感等、専門的な技術以外に周囲との関係も重要である。

代表チームの場合、普段は別のチームで活動する選手達なので、監督等の指揮によりチームとして固定される上、実際の試合の中では中心的な選手によってまとめられる。

今の日本代表であれば、遠藤選手がその中心的な選手に当たるだろう。

ただ、

今の日本代表が選手の個性を十分発揮するように、ベンチサイドからの細かな指示は少なく、選手の自主性を重視するスタイルであり、試合の中でチームをまとめる働きをすべき遠藤選手も強い指示を出す選手ではない。

プロのサッカーチームでは、ディフェンスから丁寧に前線にボールが運ばれるので、その中間でボールを奪えば攻撃をおさえられ、そのボールを奪うのにかけていたのが遠藤選手だ。

しかし、

イランはそこでのボールの損失を嫌い、ロングボールを多用してそのリスクを避けた。

日本チームの中心的な選手である遠藤選手の働きを殺した結果、日本チームは自分達の本来のプレーが出来なくなった。


本来であれば、ベンチの指示により対策するのだが、日頃選手の自主性に任せていたベンチにその改善策が無かったのが敗因だろう。

戦う選手にも問題があったが、今回の敗因はベンチ側であり、試合中にチームが混乱した場合に速やかにそれを修正出来る手法を学ぶべきだろう。

世界で戦う為には、選手の実力が上がるのと共に、ベンチサイドの技術力の向上も必要だろう。

選手の自主性に任せたチームも悪くないが、それでは監督の必要性は無い。

機能している時には良いが、今回の様に機能しなくなった場合に、選手が迷わずに戦える基本スタイルも必要だと思う。