するとその道場生は、長野県大会で一回戦負けながら
昇級した青帯の三本線を指さしながら私の前に並んだ。
その道場生は大道塾史上初の青帯で保留になった西出太郎という道場生だった。
その道場生は審査会で藤原アキラ先輩のハイキックで顎を骨折して病院送りにされて史上初の青帯で保留を喰らっていたそうだ。
犬殺しの藤原先輩や清川先輩が
『なんであんな奴が大道塾におるんや!! あんな駄目な奴は大道塾を辞めろ!!』と言われていた伝説の道場生だった(笑)
まさかその道場生が後に支部を開いて支部長になり、その自分の支部の女性生徒と不倫するとは、この頃は誰も思わなかった。
まさに継続は力なりだ
『なんでこんな奴が、俺の前に行こうとするんや??? 俺の方が入門は後やけど、先に七級なったてんけど、この列が変われば、今日のスパーで峯岸先輩よやらなくてエエから、このままコイツを先に並ばせよう』
と思い、『どうぞどうぞ』と、先に並ばせた(笑)
案の定この不倫太郎は峯岸先輩と当たる前に倒されてスパーリングを抜けるのだが、私が他の道場生をKOしたりして、峯岸先輩とはスパークリングせずにすんだ。
そしていよいよ秋!!
今年の北斗旗無差別には西先輩の復活と
そして春の体力別で復活した岩崎弥太郎先輩の参加も噂されていた
更に長田先輩が挑戦したムエタイの現役チャンピオンのラクチャートの参加
道場生がワクワクしながら、マスコミがザワザワしながら向かえた11月の1987年の北斗旗無差別が近づいていた。
次回・・・1995年の話62~北斗旗オールスター戦87年無差別その2の巻~