5人の眼には大野が具現化した食品会社から依頼されたディスプレイ商品が映し出されていた。
「き……れーー」
上手く表現できず、でも何か言いたくて相葉が呟く。
それだけで大野は満足したらしく、
「ふふ、いいっしょ?」
と嬉しそうにふにゃりと笑いながら言った。
光に透けそうな白い折り鶴が何羽も飛んでいる。
その中心に1メートルはありそうな大きな羽根で金糸に光る色鮮やかな鞠を大事そうに包もうとする折り鶴。
目を張るのは小さな折り鶴が本当に飛んでいるかのように揺れている事だ。
「これはーー和紙?」
櫻井がやっと口を開いた。納品時に客先に少なからず説明しなければならないからだ。
「ううん、トレーシングペーパー。和紙っぽく見せる為にシリコンハンマーで凹凸を付けたんだよ。和紙だと光の加減がいい感じにならなくて」
「1枚でここまで折れるもんなの?」
今度は松本が口を開く。折り鶴はよく見かけるものとは違い、沢山の羽が重なって出来た大きな羽根になっているからだ。
「あ、それはね~!羽1枚に2m角のペーパーを3枚使ってるの。繋ぎ目見えないようにするの大変だったんだよぉ~」
苦労した場所に気づいてもらって本当に嬉しそうに大野は話した。
「何で全部浮いてるの?何で揺れてるの?ニノのマジック⁇」
雅紀が突拍子もない質問をしてきた。
「いや、マジックって(笑)」
二宮が突っ込む。
「ふふふ、間違ってはないかなぁ。透明なワイヤー使って、振り幅の大きい振動をさせてるんだよ」
そんな雅紀にも大野は優しく対応した。
横幅3メートル高さ2メートルのショーウインドゥに飾られるであろう光に透けた折り鶴達はやさしく揺れて中央の折り鶴を見守っているかのようだ。中央の折り鶴は色鮮やかな鞠の色に染まって羽の内側が七色に輝いている。
母親や家族の愛情を大きな鶴に例え、鞠は未来輝く子供。周りを飛ぶ小さな鶴が『食品を通して家族を支えたい』という思いのミウラFOODS
そう櫻井に想いを伝える大野を見ながら
「どう?今回も越えられた?」
とニノが松本に聞いてきた。
「悔しいけどね。」
そういう割には松本は笑顔だ。
「あの人には敵わないよ。普段ボーっとしてるのにさ」
「寝癖のまま1日いるしね」
「相葉くんいないと多分餓死するよね」
「喋んないから営業出来ないしさ」
「おぉ、俺らがいないとあの人の才能発揮できないんじゃん」
「そうそう、俺らがいないと宝の持ち腐れですよ」
「聞こえとるわっ‼︎」
毒付く2人に大野が割り入ってきた。2人を交互に見た後
「でも当たってるからなんも言えない(笑)」
とやっぱりふにゃりと笑った。