こんにちは、カツキです♪
この後新年会の話になるんですが、ちょっとブレイクしてなんでもないお話を。


ではでは。




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〈side M〉

アトリエに入って資料を探してるとリーダーに呼ばれた。

「何?」

Chocolateの来週のパッケージなんだけどさ。」

チョコレート専門店その名も『Chocolate』のウィンドウは年明けからバレンタインまでの間、毎週少しずつ手を加えて変えていくというストーリー仕立てになっている。

「うん。最初が男の子と女の子がパッケージの端と端で背を向けあってるやつ。次が女の子が家の窓から夜空見上げてるやつ。で、今回が朝になったら雪が積もってたってやつだったよね?」

「そー。で、その雪を綿雪にしたかったんだけどこの間見てきたら何かイメージと違ってさ。考え直して、メレンゲみたいな感じにしよかなって。もったりしっとりツヤツヤな感じ?」

「うん、いいんじゃない?」

「だからメレンゲ作ってくんない?」

「はぁ?あ、ホンモノを見たいと。いいけどあなたが作るのは雪であってメレンゲじゃないんだから、別にメレンゲ見る必要なくない?」

「うん、でも見たい。だってさ、白身があんなんになるんだよ?すごくない?透明のちゅるんちゅるんが真っ白の泡になるんだよ?」

最早ただの好奇心じゃねーか……。
俺そんなに暇そうに見えるかなぁ…結構今度の案件、アタマ悩ませてるんだけど。

そんな時間ねーわっ!って言っても良かったけど、正直煮詰まってる俺には気分転換もアリかと思って

「はいはい。じゃあ作る過程も見たいわけね。準備してきてあげるよ。」

そう言ってリビングへ向かった。



メレンゲ作る過程に大野さんは始終食い入るように見てて、だんだんそれっぽくなってくるとおぉー!とか興奮し始め、終いにはハンドミキサーを自分で動かして喜んでいた(笑)
この人ほんとに35歳?

子供みたいに目を輝かせて、メレンゲ作りってそんな楽しいものだったっけ?隣にいるこっちまでなんだか楽しくなってくる。
カチカチに固まってた俺の頭がほぐれていく。肩の力もどうやら入ってたみたいで、全身のチカラが程よく抜けていく。

「おっ、いい顔してるじゃん。松潤はやっぱそういう顔の方がいいな。」

いつの間にか俺の顔を覗き込んでいた大野さんがにっこり笑って言った。

え?

驚いてる俺に

「次の仕事難しいんだろ?いっつも眉間にシワ寄ってるもん(笑)」

なんて。

何だよ。気づいててわざとかよ。
メレンゲ入りのボウルを逆さにして、すげー落ちね~!って笑ってるけど、ホントに楽しんでるけど、これをやったのは俺がカチカチになってるからだったのかよ。

は~~っ。

敵わねえ。この人にはホントに敵わねぇ。

「……いつもはボケっとしてるクセに……。」

「ん?何か言った?」

「何でもねーよ!……ありがと。」

「んふふ。おいらがありがと。これで雪作れそうだわ。」

ふにゃんって笑いながら俺にボウルを渡す。
嘘つき。
こんなんしなくても作れるじゃん。
俺らの事を、ホントによく見てる。凹んでる時にいつの間にか側にいてマイナスイオン全開で笑ってくれるんだ。押し付けがましい事は一切しない。俺らなら出来るからって信頼してくれて、ただ寄り添ってくれる。


「…折角メレンゲ出来たから、なんか作ろかな。責任持って食えよ?」

そう言って返事は聞かずにアトリエを出た。