更新遅くて……すみません。
嵐粧堂始めます。
ではでは。
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広い会場にはたくさんの人がいて、俺の前を行く翔くんはいろんな人に声をかけられていた。
大体は社内の人間らしく、軽く会釈をして「また後で」と立ち止まる事はなかったがたまに取引先の人間がいるとそういうわけにもいかず、立ち止まって新年の挨拶をしていた。
そういう時はさすがの俺も挨拶をしないわけにはいかなくて、慣れない名刺交換をしながらとにかく笑顔だけは絶やさないようにしておいた。
やっぱ客商売だしね。
「慣れないことさせて悪いね。」
「慣れないことさせて悪いね。」
「別に翔ちゃんのせいじゃないじゃん(笑)でもやっぱ翔ちゃんはすげーわ。さっきの人なんて半年前に会ったっきりなんでしょ?よくあの人の好みなんて覚えてたね。俺だったら絶対無理だもん。」
「そりゃまぁ、営業ですから?」
ドヤ顔の翔ちゃんに笑いながら俺たちは1番会いたい人のところにやっとたどり着いた。
「じーさま。」
「じーちゃん。」
そう、俺たちが会いたかったのは大手百貨店「サクライ」の会長、翔くんのじーちゃん。
「あれっ?翔来てたの?うわーっ!智がいるっ‼︎オメカシしてるっ!明日雪降るんじゃない⁇智がこんな所にこんな格好してきてる~っ‼︎」
両手の人さし指で俺を差しながら明らかにテンション上げて小躍りするじーちゃん。
俺この人大好き。でっかい会社の1番上にいるクセに全然そんなの感じさせないの。
最初に会った時なんてホントに普通のじーちゃんに見えたし。
「んふふ、じーちゃんは相変わらずだね。おいら今日格好いい?」
ジャケットを両手で掴んでワンターン。キメポーズをしてみる。
「かっこいいよ~智!今日の列席者の中で1番かっこいいね♪」
親指を立ててウインクしてくる。これで70過ぎなんだから(笑)
「じーさま俺はぁ?」
「翔ももちろん格好いいよっ!2人でワンツーだね!」
俺たちを交互に見ながらはしゃぐじーちゃんに、さっきから無言でいたじーちゃんの秘書が、遂に見かねたのか
「会長、可愛らしいお2人に再会出来たのはとても喜ばしいのですが少し……声のトーンを抑えて下さい。見た目のトップはお二人でも、この新年会のトップは会長ですから。もう少し、会長らしい振る舞いをして頂かないと。」
と口を挟んだ。
「おっと、そりゃごめん。じゃ、会長らしく他の人とも会話してくるかな。2人ともたくさん食べて行きなさい。それから智、今日はじーちゃんはNGだよ、会長とお呼びなさい♪」
じーちゃんはウインクしながらそう言うと、仕事をする顔になって去っていった。さっきまでのはしゃいでた顔は何処へ行ったんだ。
「相変わらずだね。」
「だね、じーさま智くんのこと大好きだから、いっつも会うとテンション高いよね(笑)さて、何か食いますか?」
「おぅっ。」
……あー、お腹いっぱい。
元々そんなに食べる方じゃない俺は、すぐに腹いっぱいになった。
ただでさえ、喋る相手もいないから酒は進むし。でもそんなに飲む気にもなれないから結局食べて、で、お腹いっぱい。
一緒に食べてた翔ちゃんは会社の人間に呼ばれて行ってしまった。ちゃんと食べれてればいいけど。
……んー、どっかで寝転がりたいなぁ…。
会場を抜け、ドリンクを用意していたスタッフの人に休める場所はないか聞いてみた。
「それでしたら今日ご出席の皆様がそのまま休めるようにとお部屋がいくつか用意してございます。ルームキーをお持ち致しましょうか?」
「あ、お願いします。」
さすがサクライ、準備がいいわ。
翔ちゃんには言わなくていいかなー?でもそのまま寝ちゃったら困るしなぁ……寝そうだな俺。
自分の為にも翔ちゃんの為にも言っといた方が正解だなっ。
外からみる会場は人で溢れかえってて、こっから翔ちゃんを探さなきゃいけないのかと思うと嫌になってくるけど仕方ない。
大きく息を吸って「よしっ!」と会場に踏み込もうとした時だった。
「やっと見つけたっ‼︎」
誰かに思いっきり抱きつかれた。