ゆるい話が続いていますが、お許し下さい。
一気に載せようと思ったんですが、ちょっと長いので半分に分けます。
ではでは。
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「何でも出来るんだろ⁈ホラ‼︎ここにいらっしゃってる人達を楽しませてみろよ!」
ふー…
声に出さないため息をつく。やっぱり厄介な事になった。
俺の目の前で息を荒くして大声を上げる奴、斉藤克也。俺の同期。
まだ俺が本社にいた頃に、こいつの企画を手伝ってやったら目立ちすぎて俺がお株を奪ってしまった。周りは大成功と言ってくれたけど、俺がいなかったらポシャってたなという話もあちこちで出てしまって。こいつにしてみたら面白くない。
で、それから事あるごとにネチネチと嫌がらせをしてくるようになってたんだけど。
嵐粧堂に行ってから会わなくなったから、もう俺に興味なんか無くなったと思ったんだけどねぇ…
宥めようにもそばに寄れば俺を威圧して近づけようともしない。
「斎藤、飲みすぎなんじゃないか?」
何とか周りの人達に嫌悪感を与えないようにやり過ごしたいのに
「ピアノか⁈ダンスか⁈それともスピーチでもするかぁ⁇櫻井翔に出来ない事は無いもんなぁ?あぁ?」
と大声でまくしたてる。
会社のトップもいるのに、こいつ…新年早々クビになりたいのかよ……。
何とか作ってた笑顔も消えそうになった時、俺の正面に智くんが見えた。すこし肩が上がって息を切らしてるみたいだけど、俺と斎藤を交互に見て、目がーー据わる、、、。
あ、大丈夫…か?キレてない…か?
隣に居たキレイ目の男と何か話をすると、下を向いてしまった。
智くん?
目の前の斎藤よりも、俺たちから弧を描いて遠巻きに見ている群衆の1番前にいる智くんから目を離せない。
少しすると、ゆっくりと智くんが顔を上げた。
ーーーっ‼︎…極上スマイル!
男も女も虜に出来る、あれは絶対に解っててやってる、極上スマイルだ……。智くん、何をするつもり?
その笑顔のまま、ゆっくりと俺たちの方に歩いてくる。
「下手な芝居だなぁ。」
そう言うと斎藤の肩を掴んでフリーズさせる。周りから見たら、ただ肩を組んでるだけ。
「遅れるから時間稼いでって言ったけど、これじや他のお客様がびっくりしちゃうだろ?」
周りにいるギャラリーに背を向けるように斎藤と向かい合わせになると
「でもありがとう、こっからは俺と翔くんに任せて♪」
と斎藤を抱き締めた。
ギャラリー側からは、よくわかんないけど時間稼ぎのために一芝居打ったらしい男と、時間稼ぎをお願いした男の抱擁に見えただろうけど、俺側から見るとーー
抱き締めながら斎藤の右腕の関節キメて、痛みに出しそうになる声を肩で塞いで、トドメは今まで喋ってた声とは比べものにならない、刺さるような低音ボイスで
「話は後で聞いてやるから大人しくしてろよ。」
と耳元で囁く智くんの光景が広がっていた。
離した斎藤をさっきまで一緒にいた男に預けると、俺の所まで歩いてくる。
俺はどっちなんだっ⁈天使の智くんか、悪魔の智くんかっ⁈