今度は鉄道の安全に欠かせないものです。

 

   

 

タブレット閉塞 (スタフ)(キャリア)

 

単線(線路が1本のこと)の路線で列車の衝突を防ぐためには、駅間に一つの列車しか存在させないことを閉塞といい、その全体の区間を閉塞区間と言います。

 

この閉塞区間の通行手形に当たるものが通票(タブレット)閉塞です。

赤い箱の機械(写真右上) が通票閉塞機と呼ばれる機械で、閉塞区間の両端の駅に

1台ずつ設置され、それらは電気的につながっています。

赤い箱の中には通票(写真右下)が入っています。

 

両駅ではこれら2台の機械から合わせて1個の通票しか取り出せない仕組みになっています。

なので両駅を通行する列車は、この1個しかない通票を持っていなければならないので、一つの列車しか存在することができないわけです。

この機会から取り出された通票はキャリア(写真左上)の下部に入れ、運転士にわたされます。

この通票閉塞機は加悦鉄道が接続していた丹後山田駅(現与謝野駅)で使われていたものです。

 

また同じ方式で、棒みたいな閉塞装置でスタフ(写真5)閉塞もあります。

 

今でもタブレット閉塞は小湊鉄道・くま川鉄道・信楽高原鉄道・津軽鉄道・とさでん交通などで見られるほか、スタフ閉塞も津軽鉄道などで見られます。

 

今では大半の鉄道路線では自動的に列車を止める装置、ATSが活躍しています。

しかし、場合によってはこのようにタブレットやスタフが活躍しているところも

あるのです。

 

北近畿タンゴ鉄道(現京都丹後鉄道)も計画ではタブレット閉塞が採用される予定でしたが、開業時したときにはATSに変更されていました。

 

また信楽高原鉄道も当初はATSを使用していましたが、1991年5月に発生した信楽高原鉄道正面衝突事故の際に、事故を防げなかったため、スタフを経てタブレット閉塞を使用しています。