京都市電(きょうとしでん)とは、かつて京都市交通局が運営していた、路面電車です。
1895年、日本初の電車運転を始めた最初の事例です。
「概要」
1895年に民間企業京都電気鉄道として、第1期路線が開通し、区間は伏見から京都駅前付近まででした。
その後北上し二条まで、さらに岡崎まで延伸されました。
これは岡崎で開催予定の内国勧業博覧会(1895.4月1日~7月31日まで) へのアクセスのためで、大阪から淀川を船で客が来ると見込んだためと言われています。
しかし開業当初は京都駅前付近まで繋がっておらず、乗客は踏切を渡って乗り換えなければいけないのでした。
また開業当初は事故防止のため、告知人と呼ばれる先導役の少年が電車の前を走りながら 「電車、来まっせ。電車、来まっせ。危のおっせ」
と声を張り上げていました、しかし時には、先導役の少年が急加速してきた電車にはねられる痛ましい事件もあったそうです。
また夜には白熱灯を持って走るなど、危険なうえに過酷なので、数年後に廃止されます。
その後、京都市によっても4路線7.7キロの独自建設が行なわれ、それと競合する京都電気鉄道は運賃制への移行もあって
1918年に市へ買収されました。
路線は戦後まで延長がなされ、最終的に総距離は76.8キロで、在籍車両は351両を数えました。
しかしモータリゼーションの波には勝てず、それに加えて地下鉄建設もあり、1978年に廃止されました。
また廃線後に、愛媛県の伊予鉄道や広島県の広島電鉄で、京都市電の車両が
現役で走っています。
今も各地で、京都市電の車両が保存されています。
「現存する保存車両」動態車両
狭軌1形
8号・15号 博物館明治村
19号 アメリカ カルフォルニア州
27号 梅小路公園
1800形
1869号 アメリカ アリゾナ州ツーソン
1870号 阪堺電気軌道 我孫子車庫
(静態保存)
(狭軌1形)
1号 ハピネスパーク交野霊園 大阪府交野市
2号 平安神宮神苑(へいあんじんぐうしんえん)
国の重要文化財
5号 明治大阪工場
9号 奄美アイランド
17号 フロンティアビレッジ交通博物館 アメリカ
21号 京都カトリック信愛幼稚園
23号 ハピネスパーク交野霊園(元加悦SL広場で展示されていた)
25号 甲賀カントリー倶楽部甲賀ファミリーランド跡
(放置状態・立ち入り禁止)
28号 北坂ビル 京都市下京区烏丸五条上ル
(広軌1形)
29号 梅小路公園
(200形)
253号 西福寺幼稚園 京都府伏見区
(300形)
301号 柴明幼稚園 京都市北区
車番不明 京都市伏見区
(500形)
505号 梅小路公園
520号 甲賀カントリー倶楽部甲賀ファミリーランド跡
527号 甲賀カントリー俱楽部甲賀ファミリーランド跡
(700形)
703号 梅小路公園
705号 精華聖マリア幼稚園 京都府相楽郡精華町
720号 塚本児童公園 京都市左京区
726号 安詳(あんしょう)小学校 京都府亀岡市
(800形)
890号 梅小路公園
(900形)
935号 梅小路公園
(1600形)
1605号 梅小路公園
(1800形)
1801号 京都コンピュータ学院 京都市左京区
1802号 端山保育園 京都市伏見区
1803号 住吉保育園 京都市伏見区
1820号 巌商店 京都府八幡市
1821号 京都教育大学付属桃山小学校
1829号 柴田屋敷町公園
1831号 民間所有 滋賀県東近江市
1833号 一般家庭 大阪府東大阪市
1849号 樫原児童公園 京都市西京区
1860号 ハピネスパーク交野霊園
(2000形)
2001号 梅小路公園
(2600形)
2603号 京都コンピュータ学院
これらはすべて保存されている車両です。
京都市のみならず、各地で保存されています。
中には日本を飛び出して、世界にて保存されているものも
伺えます。
しかし、中には放置や個人で保存されているものもあり、
いつ撤去されるかわかりません!