「番台別概説」
0番台
1994年の関西国際空港開港にあわせて、1994年に6両編成9本と2両編成7本の68両が導入されました。
223系では初めに登場したグループで、ライトは左右に1つずつあり、計器類もデジタル式※となっています。
※リニューアル後はアナログ式。
最高時速は120キロで制御方式はGTOVVVFインバーターとなっています。
車内は空港利用者に合わせ。2+1列とし、スーツケースの持ち込みにも配慮した配置です。
トイレは和式(リニューアル車は洋式)です。
しかし221系譲りの車内を持つため、バリアフリーには対応していません!
後から編成替えで、5両と3両編成を経て、今は全編成4両編成となっています。
また中間車の一部に2500番台を組み込んだ編成や、2500番台に0番台の中間車が組み込まれてい
ます。
かつては2両編成のクモハ223形に荷物室が設置されていた時期がありましたが、短期間でした。
2018年より体質改善工事が施行されています。
1000番台
1995年1月17日の阪神淡路大震災後の輸送力増強と被災車両の代替用として、同年の夏に誕生したマイナーチェンジ車
です。
最高時速が130キロに引き上げられて、制御方式もIGBT VVVFインバーターに変更されています。
車体・座席のデザインは221系とおそろいのものが使われています。
座席は2+2列で、後部は和式トイレと4人掛けボックスシートと同じですが、同車ではボックスシートが折り畳み式で、車椅子スペース
として使えるようになっています。
また乗降口に折り畳み式補助シートを新設されています。
またこの折り畳み式補助シートには告知ランプが付いています。
同車は平成7年8両編成4本と4両編成4本と、平成9年の8両編成5本と4両編成1本の2回に分けて、14編成92両が製造されています。
一時期は221系との併結運転もありました。
2019年から体質改善工事及びAシート車に改造がなされています。
2000番台
東海道・山陽線の113・117・221系の置き換え用として、1999年から製造されたマイナーチェンジ車です。
このグループでは、1000番台よりもコストダウンとバリアフリー対策が強化されています。
車内は1000番台と同じですが、後部に車椅子スペースや車いす対応トイレが付き、戸袋窓の廃止やそのかわ
りに窓が大きくなり、補助シートの1000番台で使用の告知ランプを廃止し、(混雑の時間帯により、使用できません。)と
書かれたプレートに変更されました。
さらの車体は、ビームがなくなったこと、また将来の改造を想定し、構体妻壁は別扱いで組み立てられ、本体にボルトで後付け
方法が採用され、これにより先頭車から中間車、中間車から先頭車への改造が車端部の交換のみで簡単に行えるように
するなど車体構造の見直しが行われました。
また2000番台でも製造時期により、1~5次車として分類されています。
1次車
1999年から2000年までに、236両が製造されました。
この系列の登場で新快速が223系で一本化されました。
1次車では、米原寄り先頭車のみ3000番(3個モーター)で、他は2000番台(4個モーター)という組み合わせでした。
また2000番台から中間車モハ223形に加えて中間電動車モハ222形と区分しました。
2次車
2003年度に、さらなる輸送改善と残る113系の置き換え用として、8両編成5本と4両編成7本に新たに6両編成2本の80両が製造されました。
1次車では、雨天の時に空転が多発し、この対策として3個モーター車が廃止され、すべて4個モーターの2000番台に固定
されました。
改良点は貫通路に段差をなくすためのスロープが設置され、冷房装置が小改良されたほか、ブレーキ装置の改良・EB・TE装置の搭載
そしてモハ223形が2100番とし、窓ガラスもUⅤカットガラスに変更など、若干違いがあります。
3次車
京都・神戸線の高速化と朝ラッシュ時の快速に同系列の導入を見込んで、2004年から翌年にかけて、8両編成6本と4両編成17本
と6両編成8本の計172両を製造しました。
改良点は、スカートが大きくなり、パンタグラフとパンタ台の形状が変更されているほか、追加分増備となる4両編成2本は321系
と同じ計器を採用しています。
追加分増備は、2005年4月の福知山線脱線事故でATS-P型未搭載の117系を置き換えに221系4両編成2本が転属したこ
とにより、この補充する目的です。
4次車
2006年の新快速敦賀延伸に対応するため、新たに8両編成1本と6両編成2本と4両編成3本の計32両が増備されました。
改良点は、2003年に韓国で発生した大邱地下鉄放火事件を受けて、新火災法が施行されたことで、車内の蛍光灯カバーに
ガラス繊維を使用したものと形状変更が行われ、貫通路のドアストッパーの廃止、消火器や非常通報装置の表記デザインが変
更され、車内標記類が一部プレートからステッカーとなりました。
5次車
2007年以降に増備されたマイナーチェンジ車で、6両編成2本と4両編成14本が導入され、8両編成はありません。
改良点は、開閉窓や窓周りの配色が1000番台のものに戻され、前面貫通扉の窓が若干小さくなっているほか、床材の変更
ドアチャイムも低めの音が採用されています。
また付随台車の形式も変更されました。
2500番台
1999年より0番台の運用線区に、2000番台をベースとした車両を導入し、番台区分を2500番としたマイナーチェンジ車
です。
0番台の編成替えの時に、先頭車4両が不足したため、当初は先頭車のみ増備されました。
計72両が製造されました。
1次車
各部の配色は0番台と共通するも、形状や経年により、若干違うところがあります。
車体の基本は2000番台としますが、2000番台が茶色と青色の帯が巻いているのに対し、同車は0番台と同じ白と青の
グラデーションとなっていて、車内は2000番台と同じ車椅子スペースや車いす対応トイレを配置しています。
最高時速は120キロです。
また0番台とは異なるVVVFインバーター制御装置が採用されました。
なお0番台との混結のための補助電源部バックアップ機能は準備工事となっていました。
2次車
2007年3月のダイヤ改正で223系の運用を増加させるため、2006年度より2500番台の固定編成として増備されたグルー
プです。
全編成が新製車のため、中間車が新たに製造され、当初は5両編成と3両編成を組みました。
基本は1次車と同じですが、2000番台での改良が取り入れられ、蛍光灯カバーの形状変更や窓ガラス色の変更、そして1次車で
準備工事であった補助電源部バックアップ機能を 2次車から本搭載されました。
3次車
2008年3月のダイヤ改正でに合わせ、5両と3両編成を全4両編成化するため、新たに60両が増備されました。
投入の目的上、4両編成で製造された車両はごくわずかに留まり、在籍車両と新製車両を混結して、3両編成に無理やり1両を足すか
たちで4両編成を組むというヘンテコ編成が特徴です。
また2次車から更なる改良がおこなわれ、2000番台5次車と同様の仕様となり、よって窓周りの帯が細くなるなど、変化があります。
5000番台
2003年に快速マリンライナー用の213系の置き換え用として、2両編成7本が製造されました。
置き換えにあったては、JR四国もマリンライナー用車両を開発し、5000系として導入。
結果、当車と連結し5両編成で運用するかたちとなっており、2社の共同開発車となっています。
また同番台はATS-Pが整備されていない区間を走るため、唯一準備工事の施行となっています。
基本的には2000番台がベースで、これに5000系と合った設計変更と改良がなされました。
先頭部は連結運転時に常時乗客が通行できるよう貫通式としたため、デザインが変更され、前面ガラスが直立した形となって
います。
側窓は1000番台と同じデザインで、下降式窓を採用し、窓周りの茶色の部分は上下方向に縮小されているため、
ほぼ1000番台と変わらないデザインとなりました。
ただ1000番台では帯が丸み帯びた配置に対し、同番台は角ばった配置となっています。
室内の変化は、LED式案内装置の下に広告スペース従来より大きくなり、乗務員室横が開放スペースがあり、いたずら防止のため
スイッチ類にカバーが付いています。
5000系と同番台との違いはJRマークの色違いとスカートの形状です。
5500番台
福知山電車区の113系3800番台と115系の置き換え用として、2008年に2両編成16本が増備されました。
5000番台を基本に、2000番台5次車で採用された、防火設備と防音性の確保するための設計変更が行われました。
223系のラスト製造車となります。
車体は衝突安全性の観点から、車体構造の見直しがなされています。
車体の構体~台枠~側面~屋根の接合部を強化し、側構体の強化や戸袋部の補強など、他の番台と比べて安全性が強化されて
います。
乗務員室は5000番台と同様、前面貫通扉を持った常時貫通式で、客室内展望に考慮し、125系とおなじ背面仕切りにするとともに
ワンマン設備を持ちます、また併結時に客室スペースとしての利用を考慮し、助手席を解放できるようにしています。
客室設備は転換式クロスシートで後部にロングシートが付き、クハ222形に車椅子スペースや車いす対応トイレを設置しています。
客室照明カバーは223系4次車に準して変更されています。
また運転席後ろの運賃表示機は、当初LEDの7セグでしたが、現在は液晶ディスプレイ(LCD)となっています。
最高時速は120キロで、嵯峨野線では221系と連結して走ることから、目印として前面扉と乗務員扉にオレンジのラインが入ります。
6000番台
221系の運用に充当する目的で、車両水準を221系と同水準になるよう機器の設定が変更され、網干と同所宮原支所に京都支所※
に配置されました。 ※京都支所は2021年より。
同番台は2000番台に4000番を加算する形で、付けだされており、6000番台と区分しています。
当初は223系2000番台1次車の4両編成9編成が改造され、221系C編成と併結運転されました。
しかし、2012年に2編成が2000番台に復帰し、2018年にはもう2編成が2000番台に復帰し、5編成となりました。
そして編成記号が223系Aシート車に改造され、限定運用するの観点から、Ⅴ編成からCⅴ編成とへんこうされました。
その後奈良から転属した221系との併結のため、復帰した2編成が再改造され、後からⅤ29編成が仲間に加わり、
再び8編成となりましたが、2021年10月で全編成が2000番台に復帰しています。
京都支所
京都支所の6000番台は、2021年2月に網干から転属した2000番台4次車で、編成記号はR編成となりました。
これは京都にいた221系の2本が奈良に転属したあおりを受けてです。
嵯峨野・湖西線で221系との併結や 嵯峨野線で5500番台と併結運転しています。
網干総合車両所宮原支所
宮原支所は223系の6・7次車に充当し、全車が4両編成で、全22編成が在籍していて、
6次車は13本を導入され、2000番台5次車とは同性同形です、
7次車は2008年8月竣工で、車両の前面・側面が50キロで衝突した際の室内残在空間が他の番台より、約2割増加するよう
車体強化されたもので、2本のみ増備されました。
、321系や683系4000番台と同程度の車両強度を持ち、車両端と台枠を重なり台を65mm延長し接合部を強化させる、
オフセット衝突対策が取られています。
宝塚線(福知山線)で活躍しているほか、大阪~尼崎間でも活躍。
9000番台
223系2000番台の試作車両として、1両のみ製造されました。
形式にはクモハ223-9001と車号が付けられていたものの、無車籍で、川崎重工業の所有物でした。
実際には、量産タイプの2000番台と異なり、前面にフォグランプが付いておらず、2000番台のフォグランプに相当するところに
前照灯が、前照灯に相当するところに尾灯が付いていました。
そもそも同車は車体の製造工法確認用に試作されたもので、同じ切り抜き高があり、冷房室外機も量産タイプの2000番台は2
台のところを、同車は1台しかないです。
2004年にマリンライナー用で使われ、余剰となった213系と同車が技術総合試験車に改造され、形式もクモヤ223-9001
となって3両編成を組みますが、車籍はもらえず、吹田総合車両所で使われる程度でした、
しかし2007年になって、ようやく車籍を取得し、本線で試験運転が行われました。
ただ、同車は2019年に廃車となりました。
お次はその3、運用線区です。