221系とは、JR西日本が1989年から運行している、近郊型電車です。

 

「概要」

 

JR西日本が初めて設計・製造したもので、JR各社(北海道は除く)が新しい特急型を登場させる中、新生JR西日本を象徴する車両として、

東海道・山陽線(琵琶湖・京都・神戸線)や奈良線を中心とする、アーバンネットワーク(京阪神エリア)に導入されました。

 

当初は215系や217系として計画されましたが、新生JR西日本の意気込みから221系としました。

 

新快速では153系がブルーライナー、117系がシティーライナーという愛称を持ちますが、221系はアメニティーライナーのニックネームが

付けられています。

また前面に大型曲面ガラスが使われ、視界性が良くなり、117系と同じく転換式クロスシートながらドアを3つ備えており、ラッシュ時にも対応できるうえ、近畿エリア広範囲での使用が想定された設計となっています。

時速120キロという特急並みで走り、高速列車から普通・ローカル線までと、幅広く運用ができるのが特徴です。

 

「主要諸元」

 

製造年 1989年~1992年

製造両数 474両

製造者  川崎重工業 近畿車輛 日立製作所 

      JR西日本鷹取工場 後藤工場

運用者  JR西日本(西日本旅客鉄道)

運用線区 東海道・山陽線 赤穂線 播但線※ 奈良線 湖西線 草津線 

       大和路線 おおさか東線 大阪環状線※ 和歌山線 桜井線※

       嵯峨野線

元運用線区 阪和線 宝塚線 北陸本線 山陰線(園部~福知山)

 

最高時速 120キロ

車体長 20、1m 先頭車

     20m   中間車

自重  35.1~38.6t 電動車

     25.8~30.3t 付随車

車体 普通鋼

台車 ボルスタレス式台車(一部ヨーダンパ付き)

    WDT50H型 電動車

    WTR235H型 付随車

制御方式 界磁添加励磁装置(かいじてんかれいじそうち)

ブレーキ装置 回生ブレーキ供用電気指令式空気ブレーキ

         抑速・耐雪ブレーキ付き

保安装置 ATSーSW・ATS-P・ATS-B型

       EB・TE装置

       列車防護無線装置

       列車異常挙動装置

「車内」

車内は転換式クロスシートで、前後に6組ずつあります。

後部左に4人がけボックスシートが、右に和式トイレが設置されています。

ドアチャイムは設置されていません。

 

車内表示灯は側面にあり、デジタル時計も付いています。

しかしバリアフリーには対応していません。

 

「車体」

 

同車は通勤パノラマ車をコンセプトワードにし、カラープランは観光用に適するようにしています。

ピュアホワイトに117系でおなじみの茶色と、ライトベージュにJR西日本のコーポレートカラーの青のラインを巻いてます、

このカラーリングは後輩の223系・225系でも採用されました。

 

「行き先表示器」

 

前面には幕式の種別表示を設け、行き先表示器は設置されませんでした。

側面には表示内容の多様化に対する対応が余裕なLED式行き先表示器と、色の自由度が高い回転式字幕を

供用する方式を採用しています、また側面行き先表示器のLEDは寿命保持のため、停車中のみ点灯し走行中は消灯します。

この方式は、後年に登場する通勤・近郊型・特急型で採用され、JR西日本の標準となりました。

 

「編成と方式」

 

編成数は4・6・8両編成で、最大12両編成まで組めます、かつては2両編成がありました。

 

221系では2つのユニット方式を持ち、ⅯⅯ方式221形とユニット方式220形があります。

 

ⅯⅯ方式221形は電動車ユニットで、ローカル線で使う際の編成替えができ、最大12両編成まで要望に応じた

編成ができます。

奈良・京都・網干に在籍。

 

ユニット方式220形は電動車1両と付随車1両でユニットを組む方式で、内容は221形と同じです。

また車体も性能も同姓同形ですので、変化はないです。

しかし220形は奈良しかいません!

 

「体質改善工事」

 

221系は製造から20年以上が経つとともに、車体の色剥げやサビ・腐食が進行し、電子機器の劣化による

サービス低下が起こり、223系や225系と差ができてしまいました。

そこで、221系全車を対象とする、リニューアル(体質改善)工事を行いました。

 

車体

 

腐食対策により、補強工事を実施。

 

前面スカートの強化(形状変更)

 

乗務員室の側扉の変更(窓が縮小)

 

客用・乗務員室扉上に雨樋を設置。

 

前面行き先表示器の新設

主要機器

 

ATS-Pの更新

多重設定装置からモニタ装置に変更

 

乗務員室

 

前面ライトはシールドビームからHIDに変更し、尾灯はLEDに変更。

車内からの交換を可能とした。

223系との併結時を考慮し、放送装置の更新。

スイッチ類の配置を223系・225系に合わせ、車掌スイッチをユニット化。

前面扉にワイパー新設。

車内

 

ラッシュ時の乗降時間短縮や混雑緩和のため、ドア周辺の座席(転換式座席3列)が減少。

代わりに折り畳み式補助シートを設置。

先頭車両に車椅子スペースを新設。

側面の車内表示をドア上に移設。

車いす対応トイレを新設。

つり革・手すりは大きさと太さを拡大し、山吹色に交換。

床材の変更

座席シートを223系・225系タイプに変更し、座席枕カバーを個別タイプに変更。

車内の連結面の貫通扉を225系を同一形状のステンレス無塗装タイプに交換、車内温度維持と火災延焼対策の

観点から、ストッパーを廃止。

乗降ドア及び側窓を、複層ガラスタイプに変更。

ドアチャイムの新設。

窓枠を交換し、カーテン3段式のストッパー式に変更。

出入口前に金属製の滑り止めを設置。

 

 

「配置場所と各運用線区」

 

網干総合車両所

 

令和4年1月現在、6両(B編成)11本が在籍しています。

かつてはA編成(8両)5本とC編成(4両)3本にB編成(6両)14本 計22本がありましたが、2021年で8両編成(全編成)と4両編成(全編成)に6両編成の一部が奈良へ転属しました。

残りも順次奈良へ転属します。

運用は東海道・山陽線(琵琶湖・京都・神戸線)・播但線(ラッシュ時のみ)です。

 

2022年3月12日のダイヤ改正にて、運行終了。

順次奈良へ転属。

 

吹田総合車両所奈良支所

 

令和4年1月現在、NB編成(8両)8本・NC編成(6両)23本・NA編成(4両)35本が在籍しています。

2021年より、網干からA編成とC編成が編成替えの上、6両編成となって転属しています。

その目的は201系の置き換え用と225系3次車の大量増備の煽りを受けたためで、

最終的に網干の221系全編成が転属する見込みです。

2021年10月より、同車による女性専用車両が誕生しています。

 

2016年に225系2次車導入時は、網干のリニューアル車が奈良に、未更新車が網干に転属した時期がありました。

 

2022年に8両編成1本が京都へ転属し、6両編成となっています。

2023年に4両編成6本と6両編成1本が網干と京都より転属して、6両編成23本と4両編成35本になりました。

 

運用区間 奈良線(全線)大阪環状線(区間快速)和歌山線(王寺駅~五条駅) 

       桜井線(全線) おおさか東線

 

同所京都支所

 

4両編成(K編成)15本と6両編成4本の19本が在籍しています。

元は24本でしたが、5本が奈良へ転属したため、19本となっています。

 

かつては福知山乗り入れがありましたが、今は胡麻駅までとなっています。

また一部の編成にはパンタグラフを2期搭載しているものもあります。

 

また2022年に奈良から8両編成が転属し、編成替えの上6両編成となりました。

また1編成が奈良からの転属編成と組み替えて、6両編成となりました。

現在6両編成が4本あります。

 

運用区間 嵯峨野線(京都~胡麻間)

       草津線 全線

       湖西線 (山科~近江今津間)

       東海道本線 (京都~草津間)

 

 

 

 

 

 

 

更新履歴

 

2022.5.26  おおさか東線 運用 を反映

2022.7.14 221系京都・奈良転属を反映

2023,1.16 221系6両編成を反映