ⅬE-DCとは、、富士重工業(現SUBARU)が開発した鉄道車両です。
1962年に南部縦貫鉄道キハ10形の製造から20周年を機に、1982年にローカル線向け車両として独自開発したもので、
ⅬEーCarシリーズをルーツとし、同車は鉄道車両用台車を使っていますが、車体が11m級の小型で、バス車体も製造していた富士重工業
が当時製造していたバスをベースとしたほか、また車軸も2つで、軽量化にも貢献しました。
その後同グループの実用化は1984年10月開業の樽見鉄道で採用され、最終的に10社以上で採用されました。
しかし小型のため、定員が少なく長期活躍したものは極めて少ないです。
その後は車体が15mの二軸台車を使用した形に移行し、さらにより鉄道車両に近い車体構造のⅬE-DCへと発展していくのです。
また、これと並行し、機関出力を向上した改良型や、地元企業で製造された機関を搭載する車両も登場し、旅客収容力は一般の気動車と
差が減りました。
「ⅬEーCarシリーズの仲間」
2軸車
このシリーズは1984~1986年までに作られたものです。
前面に扉の有無や、ライトケースの違いなどバラエティーが豊富です。
樽見鉄道 ハイモ180-100・200形 1984年
名古屋鉄道 キハ10形 1984年
三木鉄道 ミキ180形 1985年
北条鉄道 フラワー1985形 1985年
近江鉄道 ⅬE10形 1986年
「ボギー車」
従来の二軸車では、ラッシュ時に輸送力不足となり連結運転を行う必要性が生じていました、しかし不経済のため、1985年に
車体長を15mに延長したタイプが製造されます。
これにより、車軸も1軸タイプをやめ、2軸タイプに変更しました。
ただ駆動方式は二軸車と同様、一方が駆動台車、もう片方が付随台車です。
またボギー車から、ほとんどのものが鉄道車両用を使い、さらに乗務員扉を持つなど車体寸法に余裕ができました。
さらにこのボギー車でも、前面扉の有無やライトケースに違いがあります。
明知鉄道 アケチ1形 1985年
アケチ6形 1989年
樽見鉄道 ハイモ230-300形 1985年
ハイモ230-310形 1987年
甘木鉄道AR100形 1986年
長良川鉄道 ナガラ1形 1986年
天竜浜名湖鉄道 TH1形 1987年
TH2形
TH3形
TH4形
伊勢鉄道 イセ1形 1987年
イセ2形 1989年
名古屋鉄道キハ20形 1989年
いすみ鉄道 いすみ100形(後にいすみ200形と改番) 1988年
真岡鐡道 モオカ63形 1988年
わたらせ渓谷鉄道 わ89-100形 1989年
わ89-200形
「ⅬE-DC」
1987年から製造されたもので、車体工法がバスタイプから軽量鉄道車両工法となりました。
ⅬE‐Carシリーズでは前面扉の有無がありましたが、このグループからはすべて貫通型となりました。
また1988年からはパノラマミックウインドウとなった車両もあります。
信楽高原鐡道 SKR200形 1987年
のと鉄道 NT100形 1987年
NT800形
宮福鉄道(現京都丹後鉄道) MF100形 1988年
MF200形
わたらせ渓谷鉄道 わ89-300形 1989年
わ89-310形 1990年
平成筑豊鉄道 100形 1989年
200形
300形
甘木鉄道 AR200形 1992年
長良川鉄道 ナガラ2形 1994年
くりはら田園鉄道 KD95形 1995年
信楽高原鐡道 SKR300形 1995年
天竜浜名湖鉄道 TH3000形 1995年
明知鉄道 アケチ10形 1998年
三木鉄道 ミキ300形 1998年
長良川鉄道 ナガラ3形 1998年
樽見鉄道 ハイモ295-310形 1999年
北条鉄道 フラワー2000形 2000年
信楽高原鐡道 SKR310形 2001年
甘木鉄道 AR300形 2001年
AR400形
「ⅬE-DCを基にした普通気動車」
北近畿タンゴ鉄道 KTR700形 1989年
KTR800形
智頭急行 HOT3500形 1994年
イセ3形 101号のみ 2003年
真岡鉄道 モオカ14形(2両のみ) 2002年
以上です。