KTR001系とは、北近畿タンゴ鉄道が導入し、2015年から京都丹後鉄道が運営している、特急型気動車です。

 

「概要」

1990年の北近畿タンゴ鉄道開業する際、同社の看板列車となる意匠を凝らして新造され、第三セクターとしては初の本格的なリゾート特急型車両で、愛称は「タンゴエクスプローラー」、この列車名で2011年3月まで運用されていました。

 

まず開業時に3両編成1本が導入され、1992年にもう1本追加され、2編成となりました。

「編成表」

 

車両番号         竣工日      現状

KTR001 002 003  1990.3      部品取り用

KTR011 012 013  1992.4       現役

 

「走行機器・台車・車体構造」

最高時速120キロ、車長は21.3m、自重はKTR001・003形が41.6トン KTR002形が42,6トン、定員152名「KTR001・003が52名、002形が48名」、台車は「ヨーダンパ付き」空気ばね台車FU40D型

エンジンは、JR北海道のキハ183系550番台を基本にした、出力330PSの小松製SA6D125Hで、ブレーキは電気式空気ブレーキで抑速・排気付きです、メーカーは「富士重工」

また先頭車の前部にミュージックホーンが付いています「現在は撤去」

 

デザインは第1編成が、ゴールドメタリックで、第2編成がシルバーメタリックというデザインを採用し、どちらも日本初のデザインです。

ロゴマークは京丹後市に伝わる、七夕伝説にちなみ、天の川と2つ星をモチーフとしています。

 

「車内設備」

 

車内シートはリクライニングシートで車窓をよくするため、天窓と曲面窓を使用しハイデッカーとしています、そのため荷物柵が設置不能だったので、後部に荷物スペースがあり、お客さんは荷物をこのスペースに置くようになっています、先頭部は流線形という独特な構造をしています。

また客用窓に使用されている高反射率ガラスは車外から車内の見通しを遮り、乗客のプライバシーを確保しています。

 

またこのほかにカラオケ設備と車内照明周辺にスポットライト・カラオケ用スピーカーをもち、運転席にはビデオカメラが取り付けられ、車内に設置されたテレビモニタで写し出されていました。「現在は撤去?」

 

トイレ・洗面所は2両目にあり、第1編成は和式、第2編成は洋式でしたが、後から第1編成も洋式に改造されています。

このほかに車売準備室と自動販売機「現在は撤去済み」、化粧室があります。

情報案内装置はLED式です、また運転室は客室より低く、客室は運転室より高い位置にあり、客室と運転室の間にアクリル製仕切りを設けて、前面からの車窓が楽しめるようになっています。

「運転室」

運転室は前面に大きな1枚ガラスが使われ、ワイドな前方が確保されているほか、助手側に収納式いすがあります。

また前照・尾灯は運転席に収めています。

「運用と変化」

1990年4月1日より、京都発舞鶴線経由・北近畿タンゴ鉄道直通特急として、タンゴエクスプローラーの列車名で一日2往復で運用開始され、運用線区の配線の関係により、日ごとに編成向きを変えていました。

第2編成竣工までは、検査の時にJR「キハ181系」で代走していました。

1999年10月から新大阪発となり、新大阪発久美浜・宮津間で運用されるようになりました。

 

しかし2005年4月25日の福知山線脱線事故で、新しい保安装置が搭載されることになり、これに対応していない同車は2本とも、一時期北近畿タンゴ鉄道内で運用され、2007年に対応改造工事が完了、再開されます。

この期間は後輩で新保安装置にも対応のKTR8000形がタンゴエクスプローラーとして代走していました。

 

2011年3月のダイヤ改正で、北近畿地区で特急列車運行形態の再編が行われ、老朽化した同車は、JR乗り入れを廃止となり、タンゴエクスプローラーの列車名も特急こうのとりに一本化され廃止になりました。

タンゴエクスプローラーの列車名廃止後は、北近畿タンゴ鉄道内の特急・快速で使用されていました。

 

しかしこの運用も2年後に車体の老朽化・ハイデッカー構造が仇となり バリアフリー非対応・線内特急3両編成は過剰のため、定期運用終了しました。

 

「現在の状態」

 

2013年3月のダイヤ改正以降は定期運用がなく、第1編成は部品取り用となっていて、第2編成は代走や臨時で使われる程度となっています。

現在も 普段西舞鶴運転所で留置されていますが、野ざらしでほぼ放置状態にあり、車体も塗装剥げやサビが進行し、状態はかなり悪くなっています。

 

結果2022年9月末で撤去されるという放送がされており、廃車となる可能性があるとのことです。