ラインベルガー
【Kyrie】
先週の続き50小節目から音取り。

この曲は情念が入り乱れる曲で、短調⇔長調を行き交いどんどん移り変わって行く。
モーツァルトなどの古典だと、みんなが同じ方向を向いているが、この曲はミサ曲と言えど近代に近い時代の作品なので、人間らしく書かれている。個人個人で情念が移り変わって行く。各パートごとに様々な表現をしている。人間らしく、わざとズラして書いてある表現が多くある。歌ってゆく中で、いろいろな世界観を見つけて行こう。正解は無いので、色んな事を感じながら意味づけを考え創ってゆきましょう。

例えば、
出だしF mol=短調
罪を背負っている→神に許しを請う→内面からクレッシェンドで視線を徐々に上げる→神の方を見る

クレッシェンド、ディミニュエンドを利用して世界観を創っていってください。

p ピアノ⇔ f フォルテ
p ピアノになればなるほど自分の内面に向かう。
f フォルテになればなるほど外に向かって求める。



・各パート「leison」はle・ei のようにeを言い直すこと。
・ソプラノ54小節目、点々のスラー。これはラインベルガーが繋ぐか切るか迷ったことが伺える。なので、音がジャンプする時、引きずるよりは切って言い直して強く出た方がよいようだ。

・56小節目 テナーとバスのぶつかる音は、葛藤を感じて。バスは押し負けないように。

・バス58小節目〜、アルト60小節目〜
繰り返す「eleison」は、強拍 lei をクレッシェンドディミニュエンドで。フォルテピアノだと思って強く。

・ソプラノ63〜65小節目 明るく。

ラストまで音取りが通り、はじめから復習。

・20小節目 ディミニュエンドと記してあるが、ソプラノとアルトが音がぶつかるため、強く歌いたいのでディミニュエンドは21小節目へズラす。

・25小節目から、各パートがバラバラに色んな所から救いを求めるイメージを持って。38小節目でバスが平安を突き破ってくる。39小節目でソプラノが釣られて平安を突き破る。………

はじめからラストまで通して歌いました。


【Agnus Dei】
・p.27〜ラストまで音取り。
・へ長調、明るく。
・67、80小節目、フレーズ終わりのpacem長くのばす。
・ことば
「dona」与えたまえ
「nobis」私たちに
「pacem」平和を

・人間らしくわざとズラして書いてある。それがラストに向けてだんだん気持ちが揃ってくる。

・85小節目、smorz スモルツァンド、消えるように。
これは音量というより、思いを胸の中にしまい込む、受け止めて、と解釈。「思い」は、個人の安らぎ、と解釈するもよし、又は、世界平和でもいいし、我々に平安を与えたまえ、など、それぞれに解釈をしてください。



………


【連絡事項】
・ラインベルガー楽譜代¥2100集金開始しました。各パートリーダーへお願いします。
・ジョイントコンサートDVD.CD.写真の申し込み開始しました。各自、大北さんへ申し込み用紙を提出してください。
・第27回定期演奏会の選曲アンケート用紙を配布しました。提出締め切りは11月27日です。各パートリーダーへお願いします。


次回練習は、ラインベルガー続きです。


小池美貴子