光景
日曜日の夕方、長年の友人であるご近所夫妻と我々夫妻の4人で、近所にオープンしたばかりの居酒屋に行きました。そこで私はホッピーを注文し、幾つかのつまみを皆で食べながら楽しく飲み交わし、途中で中(焼酎少量)をお代わりして2杯目を飲んでいたところ、友人夫妻より「近くに1,000円で2時間飲み放題のインドカレー屋があるので、そこハシゴしないか」と誘われ、喜んで頷きその店に行きました。インドカレー屋でウーロンハイを最初に頼み、タンドリーチキンを食べながら2杯目のウーロンハイを飲んだあとの記憶はございません。最初の居酒屋のスタートは17時なので、ここまで約2時間ぐらいでしょうか。 次に記憶があるのは深夜の2時半過ぎ。起き上がるとそこは自宅1Fリビングのカーペットの上。酔っぱらったら場所を選ばず寝てしまう悪い習慣。立ち上がりリビングを見渡すと、ダイニングテーブルの上に積み上げられていた書類や雑貨などが床に投げつけられ飛び散っておりました。その雑然さは泥棒に入られたような散々たる状況でした。 自分の酔っ払いからなのか、はたまた違う原因からなのか胸が締めつけられながら無意識に思い返してみると、記憶の中で浮かび上がってきたのは、一切合財を乱暴に床に投げつける自分の姿と、妻が2Fから駆け下りて外に逃げる光景でした。 2Fの寝室に行くとやはりそこに寝ているはずの妻は居ませんでした。一人になった自宅で、私は眠ることが出来ず考えました。数分後、これは最悪な状況であるということを実感していくと共に、妻が今どこにいるのか、どうしてこんな暴力的なことをしたのか、自分の行動を後悔するしかありませんでした。 思い返してみようにも記憶が出て来ません。スマホの写真やLINEの時間を見て、どこまで記憶があるのかや、外出先から自宅に戻ってきた時間帯を何となくは把握できたのですが、どうしてこんなことをしてしまったのか、妻が逃げ出すような状況にしたのか、悔いることしか出来ませんでした。 また一方でこれは何かの間違いだ、自分が想像しているより大したことではないのではないか、と都合の良い解釈をする自分がいて、そういう葛藤が続きました。 朝方、妻に「ごめんなさい。帰ってきてください」とLINEしましたが返って来ず。夜明けとともに自分が酷く、そして恐ろしいろくでなしなんだということを納得する、しないの押し問答が続き、ただただ自分の行為を恥じました。 月曜日の朝なので会社に出勤するために、ベットから出てシャワーを浴び、髭を剃って、自分を落ち着かせて妻にLINE電話をしました。しかし電話に妻は出ませんでした。 私は、築き上げてきた関係を壊したのだと思いました。 妻からLINEが来たのはそれから数分後でした。