漫画家、山下和美さんが、手塚治虫文化賞の大賞に選ばれたそうです。
私は泣きました。うれしくてうれしくて。
この方の漫画に出会えて、人生変わったといっても過言ではないです。
不思議な少年は本当に私の人生において、センセーショナルでした。
元々好きな漫画家さんでしたが、この漫画に出会って衝撃をうけました。
ずっと私が、人間に対して思っていたもやもや。このもやもやをなんとか表現したいと子どものころから思っていました。実は漫画家になりたかった時期があったんですが((笑)突然のカミングアウト)、こんな風な漫画描けないかなあ、なーんて思っていたことが(プロットを書いたりもしてました)、きちんと形として、しかも漫画として目の前にあらわれました。
自分はその夢は叶わず、演劇でなんとかやれとらなあと思ってはいたけれど、特にそこに向かう努力もせず、惰性で芝居をやってるような自分の前に、努力した1つの答えが現れたような感覚でした。それはもう、衝撃でした。この人を越える努力をしなければ、夢は叶わない。
そう思いつつ、ついつい自堕落な生活を送り、その度に不思議な少年を、山下さんを思い出す。そんなことの繰り返し。
その延長線上に現れたのが、『ランド』でした。
ランドの世界観はこれまた衝撃でした。
また、やられた。
おこがましいことは承知ですが、思いました。
自分がぼんやり思う世界をくっきりはっきり形に、さらに芸術性の高い作品を作り出している。
あー
私がここに到達するにはどれだけの努力が必要なんだろう。なのに私は一歩も動いておらず、この方は、さらにさらに高いところにいっている。
いつも山下和美さんをはるか、はるか、先に見ながら、少しずつだけ進んでいく。いつもそんな感覚です。
でも、いちファンとして、この漫画がどうなるか、本当に楽しみでした。でも、なんとなーく、扱いが雑になっていくような感覚があり、これは、もしや、人気ないのでは?と思ってました。雑誌をよんでるわけではない私が感じていました。(どうもそうだったっぽいですね。)
あー
世の中が追い付いていない。
そんなことをボンヤリ思ってました。
そして、2020年春、完結。コロナが流行るこの世のいく末をまるでしっているかのようなシーンがラストは続いてました。私は単行本を読む派で、さらに、少し読むのが遅くなったので、これをもっと前に描いていたのかと、最後の刊にはゾッとしたのを覚えています。
お願い、読んで!
みんなこの漫画を読んで!
叫びたかったです。
でも、あの、柳沢教授、不思議な少年を書いた漫画家さんの長編の終わりにしては話題になってない。きっと、人気なかったんだな、ついていけなかったんだな。そう思えて、哀しかった。周りのひとにだけ薦めるしか力のない私・・・
そしてつい先日、原画展にいってきました。
原画の前で、込み上げるものを押さえながら、目に焼き付けました。
思っている以上に人がいない気がすると思いながら。
そんな矢先に。
大賞をとったと。
しかも、いま話題の鬼滅や約ネバをおさえて。記事を読むと、第一次選考ではお一人しか票をいれてなかったらしい。それが、議論の中で選ばれた!こんな、こんなすごいことってあります!
電車の中で号泣をこらえました。
あふれる想いはたくさんありますが・・・ぜひよんでください。
まずはそれから。
そして、きっとたくさんの人が、『ランド』読むことでしょう。神様ありがとう。
この原画がみれて、本当に幸せでした。