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前回までのあらすじ 

 

共鳴の塔で、リオンたちは

王国中の希望を増幅させることに成功。

 

巨大な青い波が赤い渦を消し去り、

王都に平和が戻った。

 

リオンは、赤い鳥も青い鳥も

共存させることの大切さに気づく。

 

 

本編 

 

赤い渦が消えて、一週間が経った。

 

王都は、少しずつ日常を取り戻していた。

 

市場には活気が戻り、

子供たちが通りで遊ぶ姿も見られるようになった。

 

 

だが、傷跡は深かった。

 

壊れた建物。

 

心に傷を負った人々。

 

そして、まだ癒えない不安。

 

 

リオンは研究所で、

新しいシステムの設計に取り組んでいた。

 

「思念鳥制御法、第一条」

 

彼は羊皮紙に書き記す。

 

「一人が一日に飛ばせる思念鳥の数を、

十羽までに制限する」

 

エナが疑問を投げかけた。

 

「でも、それだと不便じゃないですか?」

 

「不便でいいんだ」

 

リオンは答えた。

 

「便利すぎたから、暴走した。

本当に大切なことだけを伝える。

それが、思念鳥の本来の使い方だ」

 

ベルナルドが別の案を提示した。

 

「感情の強度に制限をかけるのはどうだ? 

あまりにも強い怒りや恐怖は、

自動的に冷却期間を設ける」

 

「いいね」

 

リオンは頷いた。

 

「怒りに任せて鳥を飛ばすのではなく、

一度冷静になる時間を作る」

 

「第二条」

 

エナが書き加えた。

 

「強い負の感情を乗せる鳥には、

十分間の待機時間を設ける」

 

 

所長が部屋に入ってきた。

 

「王宮から使者が来ている。

君たちを、国王陛下が呼んでいるそうだ」

 

三人は顔を見合わせた。

 

 

 

王宮は、王都の北端にある壮麗な建物だった。

 

謁見の間に通されると、

若い国王ウィリアム四世が玉座に座っていた。

 

三十代半ば、聡明な目をした王だ。

 

「よくぞ来てくれた、リオン・アーヴィス」

 

王は立ち上がり、リオンに歩み寄った。

 

「君たちは、王国を救った。感謝の言葉もない」

 

「恐れ多いことです」

 

リオンは頭を下げた。

 

「だが、問題は終わっていない」

 

王は厳しい表情になった。

 

「思念鳥の暴走は、二度と起こしてはならない。

君に、新しい管理システムの構築を任せたい」

 

「はい。すでに設計を――」

 

「それだけではない」

 

王は遮った。

 

「リオン、君を『王立思念鳥管理局』の初代局長に任命する」

 

リオンは目を見開いた。

 

「私が……?」

 

「君以上の適任者はいない。

若いが、君は思念鳥の本質を理解している。

そして何より、希望を信じることができる」

 

リオンは深呼吸をした。

 

「お受けします」

 

王は微笑んだ。

 

「期待している」

 

 

 

管理局の設立には、三ヶ月を要した。

 

旧研究所の建物を改装し、新しい組織が作られた。

 

職員は五十名。

 

リオンが局長、ベルナルドが副局長、

エナが研究主任に任命された。

 

そして、新しいルールが王国全体に施行された。

 

「思念鳥使用規約」

一日の使用制限。

感情の冷却期間。

 

そして最も重要な第三条。

 

「全ての思念鳥は、発信者の識別印を持つこと。

匿名での使用を禁じる」

 

この条項には、反対の声も多かった。

 

「自由に話せなくなる」

 

「監視社会だ」

 

だが、リオンは説明会で答えた。

 

「匿名性は、無責任を生みます。

顔の見えない怒りが、人を傷つける。

発言には、責任が伴うべきです」

 

「でも、言いづらいこともあります」

 

ある市民が反論した。

 

「それなら、直接会って話してください」

 

リオンは優しく言った。

 

「思念鳥は便利な道具ですが、

全てを解決する魔法ではありません。

本当に大切なことは、面と向かって伝えるべきです」

 

会場は静まり返った。

 

そして、一人の老人が立ち上がった。

 

「その通りだ。わしらは、便利さに溺れていた。

少し不便なくらいが、ちょうどいい」

 

拍手が起きた。

 

新しいシステムは、少しずつ受け入れられていった。

 

ある日、リオンは一通の手紙を受け取った。

 

差出人は、エルヴィン・クラウゼ。

あの詩人だ。

 

『拝啓、リオン殿。

私は今、南部の村で静かに暮らしています。

あの日のことを思い出すと、今も胸が苦しくなります。

しかし、あなたたちのおかげで、王国は変わりました。

私も、もう一度詩を書く勇気を持てそうです。ありがとう』

 

リオンは微笑んだ。

 

「よかった……」

 

エナが報告書を持ってきた。

 

「先輩、今週の思念鳥使用状況です」

 

データを見ると、赤い鳥と青い鳥の比率は、

ほぼ半々だった。

 

「完璧だ」

 

リオンは満足そうに頷いた。

 

「怒りも喜びも、どちらも人間の一部。

大切なのは、バランスだ」

 

「でも、時々まだ、赤い鳥が増える日がありますね」

 

「ああ。それは自然なことだ。

人は時に怒り、時に悲しむ。それでいい」

 

リオンは窓の外を見た。

 

空には、色とりどりの鳥が飛んでいる。

 

赤、青、緑、黄色、桃色。

 

それぞれの色が、それぞれの感情を表している。

 

「先輩、これを」

 

エナが差し出したのは、小さな青い卵だった。

 

「ブルートの子供です。もうすぐ孵ります」

 

リオンは卵を手のひらに乗せた。温かい。

 

「お前の親は、英雄だったんだぞ」

 

卵が、わずかに震えた。

 

 

 

 

その夜、リオンは久しぶりに街を散歩した。

 

市場は賑わい、人々は笑顔で語り合っている。

 

時折、思念鳥が飛んでいくが、以前のような狂乱はない。

 

一人の少年が、リオンに声をかけてきた。

 

「あなた、テレビで見た人だ! 思念鳥を救った人!」

 

「いや、俺じゃない」

 

リオンは少年の頭を撫でた。

 

「みんなで救ったんだ」

 

「僕も大きくなったら、思念鳥の飼育師になる!」

 

「いいね。頑張れよ」

 

少年は嬉しそうに走り去った。

 

 

リオンは空を見上げた。

 

星空に、思念鳥たちが飛んでいる。

 

その光景は、まるで天の川のようだった。

 

「ブルート、見てるか」

 

リオンは呟いた。

 

「お前のおかげで、この景色が戻った。ありがとう」

 

風が吹いた。

 

まるで、ブルートの返事のように。

 

リオンは微笑んで、家路についた。

 

明日も、新しい一日が始まる。

 

思念鳥と人間が、共に生きる世界。

 

それを守り、育てていくのが、自分の使命だ。

 

手のひらの卵が、また震えた。

 

「もうすぐだな」

 

リオンは卵に語りかけた。

 

「お前が生まれる世界は、きっと優しい世界だ。

俺が、そう約束する」

 

卵から、青い光が漏れた。

 

新しい命が、もうすぐ生まれる。

 

新しい希望が、また飛び立つ。

 

リオンは、それを見守る覚悟ができていた。

 

次回のお話は・・・ 

 

平和な日々の中で、リオンはある「実験」を思いつく。

 

思念鳥のいない日。それは、人々に何をもたらすのか――?

 

 

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それでは次回もお楽しみに!

 

 

 

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